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2007年04月03日
ビル・トッテンという日本人
昨日(4月2日)のブログでベンジャミン・フルフォードというカナダ人が日本のために「米国から自立しろ」と警鐘を鳴らしていると書いた。今日はビル・トッテンという米国人を紹介する。もっとも彼は最近米国籍を捨てて日本国籍を取得したので日本人だ。彼が米国籍を捨てた理由がふるっている。2004年8月に乗った米国の航空会社で厳しい身体検査を受け、「なぜこんなに厳しく調べるのだ」とたずねたら、お前は日本で米国の悪口を言ってばかりいるので米国のブラックリストに乗っているからだ、と聞かされ立腹し、これではもはや米国には住めないと決意したというのだ。9・11以降以降米国は変わったというのだ。
そのビル・トッテン氏が「日本は略奪国家アメリカを棄てよ」(ビジネス社)という本を最近出版した。数ある対米批判の書のなかで、これほど分かりやすい本はない。この国の首相や官僚、財界をふくめ、米国の本質が何も分かっていない大方の日本人にとって、これは一読すべき本である。
その中で私が最も注目したのは、日米安保条約こそ不平等条約であるという事実を喝破したくだりである。周知のように日米安保条約はサンフランシスコ講和条約を締結した1951年に、米国に恫喝されて吉田茂が単独で秘密裏に締結した条約である。そしてそれが10年経って期限が来る前に、米国に命令されて岸元首相が恒久条約化させられて今日に至っている。あの安保騒動の時である。
安保改定の最大の改善点は岸元首相が頑張って、それまでの片務協定から、「米国が日本を守る」という事を義務付けた点であるということになっている。
ところがビル・トッテン氏は、改定後の安保条約こそ不平等条約であるというのだ。つまり改定された安保条約をよく読むと、「共通の危険に対処するよう行動する」と書かれているだけで、どこにも「日本を守る」とは書かれていない事をあらためて日本人に教えてくれている。いったいどれほどの日本人がわずかA4二枚ほどの安保条約に目を通したというのか。
この文言については今でも関係者の議論が分かれているのである。アメリカが共通の危険を感じる相手から攻められない限り、日本を守ろうとしないという解釈ができる。つまり中国や北朝鮮が日本を攻めてきても、その時点で中国や北朝鮮が米国の友好国となって米国にとって危険を感じる国でなければ、米国は日本を守ろうとしないのだ。そしてその現実が今まさに起きようとしているのだ。その一方で日本は米国の軍隊を日本全土に受け入れることを約束させられ、そのための人的、財政的負担を支払わされている。しかもこれからは「テロとの戦い」という日本の防衛とは何の関係もない米国の戦争の為に、ほとんどすべて日本の自衛隊が使われるのだ。これは大変な不平等条約ではないか。
実はこの指摘こそ外務省が決して口に出さない、国民に知られたくない点なのである。突き詰めて言えば、日米安保条約は完全にその機能を変えてしまったのである。日米同盟を原点から見直すべき時にきているにもかかわらず、外務省はそれをごまかしているのである。これ以上の怠慢はない。これ以上の不誠実はない。
それにしてもフルフォードといい、トッテンといい、日本のためを思って「米国から独立せよ」と言ってくれるのがカナダ人や元アメリカ人だけであるというのが、いかにも情けない。右翼も左翼も一致団結して日米関係を見直す努力をすべき時が来ている。彼らに日本国民を思う気持ちがあるのなら、今こそ日本の国益のために、「米国から裏切られる前に、日本のほうから日米関係を見直せ」と日本政府に詰め寄るべきなのである。
http://www.amakiblog.com/archives/2007/04/03/#000325
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