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http://walumono.typepad.jp/blog/2007/04/post_8c6f.html から転載。
2007年4月 2日 (月)
世界構造の大きな変化の中の「慰安婦」問題
「慰安婦」問題についての国際的な動きのいくつかである。
アメリカでは上院の民主党議員ダニエル・イノウエ氏が日米同盟・経済関係の密接を理由に,下院の外交委員長に決議を採択しないように求めていた。
すで日本政府は謝罪しており,アジア女性基金で金銭的償いもしたとするが,これは日本政府の主張と瓜二つ。政府によるロビイングのひとつの「成果」なのかも知れない。
捕鯨と歴史は別問題だろうが,ニューヨーク・タイムズが教科書問題もふくめて,日本政府の歴史認識を批判する記事をつづけて大きく取り上げている。基本的に妥当な内容といえるのだろうが,他方で,それは今日アメリカが世界で果たしている役割への反省の鏡になっていくものだろうか。
関連して「米国の手もきれいではなく」とモチヅキ氏は語っている。
米国平和研究所での発言だが,こちらは日本の有名な「慰安婦」問題研究家が参加したシンポジウムを,米議会が設立した研究所が主催しているところに大きな意味があるようだ。
東アジアにどのような秩序を形成するのか。そのことに対するアメリカなりの本腰をいれた取り組みのひとつとして,日本の「慰安婦」問題・歴史問題が位置づけられているということだろうか。
いずれにせよ,こうした変化も帝国主義諸国による植民地支配の崩壊だけではなく,両者間に,そうした侵略への反省を前提とした公平・公正な関係の形成が不可欠となっているという意味で,世界構造の大きな変化の象徴といえる。
慰安婦決議案 米上院議員が反対書簡 「日本との関係に悪影響」(産経新聞,4月1日)
【ワシントン=有元隆志】米民主党の日系米国人、ダニエル・イノウエ上院議員(ハワイ州選出)が下院に提出された慰安婦問題をめぐる対日非難決議案について「不必要なだけではなく、日本との関係に悪影響を及ぼす」として採択しないよう求める書簡をトム・ラントス下院外交委員長(民主党)らに送っていたことが30日、明らかになった。
上院議員が下院の決議案に異論を唱えるのは異例。決議案は同じく日系米国人のマイク・ホンダ議員(民主党)によって提案されているが、民主党の大ベテラン議員でもあるイノウエ議員の反対表明は、決議案の行方にも影響を与えそうだ。
書簡は3月5日付で、ラントス委員長をはじめ、この問題に関係する議員に送られた。
書簡の中で、イノウエ議員は「決議案によって取り上げられた事柄は日本政府にとってつらく微妙な問題だ」と指摘した上で、植民地支配や侵略でアジア諸国の人々に損害と苦痛を与えたことに「痛切な反省」を表した「村山談話」(1995年)、国会での「戦後50年決議」(95年)や「戦後60年決議」(2005年)を通じ、日本は反省の念を十分に表しているとの認識を示した。
慰安婦問題についても、財団法人「女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性基金)」を通じて「金銭的な償い」をしたと記している。
日米関係について「サンフランシスコ平和条約以来、日本は米国にとって強固な同盟国であり貿易相手となっている」とした上で、イラク自衛隊派遣など日本の対米協力を挙げ、決議案が日米関係に悪影響を与えるとの懸念を示した。
イノウエ議員はかつて日米貿易摩擦などで日本を非難することもあったが、最近は日米の議員交流に力を入れている。それだけに日系米国人のホンダ議員が決議案の旗振り役になっていることを「憂慮していた」(日米関係筋)という。
決議案は日本政府に対し、「若い女性たちを性的奴隷にしたことを公式に認め、歴史的責任を受け入れるべきだ」として首相による公式謝罪を求めている。
米有力紙が連日の日本批判 慰安婦、教科書、捕鯨…(西日本新聞,4月1日)
【ニューヨーク1日共同】米有力紙ニューヨーク・タイムズは3月31日と4月1日付の紙面で、従軍慰安婦や教科書、捕鯨の問題をめぐり日本の姿勢を批判する記事を相次いで掲載した。安倍晋三首相の訪米を前に、同紙の論調は厳しい内容が目立つ。
31日付では、従軍慰安婦への旧日本軍の関与を指摘してきた吉見義明・中央大教授(日本現代史)のインタビューを伝え、安倍首相ら保守派が教授の見解の否定に躍起になってきたとする記事を、国際面の1ページを使って掲載した。
1日付の紙面は、日本の高校教科書の検定結果を報道。文部科学省が、太平洋戦争末期の沖縄戦の集団自決をめぐる記述から日本軍の強制に関する部分を削除させたと伝え、日本が歴史修正を推し進めていることの表れだと指摘した。
また同日付の社説は捕鯨問題を取り上げ、世界の大部分がクジラ絶滅の危機を認めているのに、日本は「この素晴らしい哺乳類」の虐殺を擁護していると批判した。
日本の侵略戦争 日米研究者がシンポ 「従軍慰安婦」問題など論議 ワシントン(しんぶん赤旗,4月2日)
【ワシントン=鎌塚由美】日本の過去の植民地支配・侵略戦争と今日のアジア諸国との関係について考えるシンポジウムが三月三十日、ワシントンで開催されました。米議会が設立したワシントンの米国平和研究所(USIP)が主催。日本の戦争責任や「従軍慰安婦」問題に取り組んできた日本の研究者や市民運動家らが招かれ、米国の研究者ら約五十人が参加しました。
弁護士の尾山宏氏は、家永教科書訴訟や中国人戦争被害者訴訟を紹介し、一連の裁判で「日本の加害の事実が詳細に認定されている」と指摘しました。
茨城大学、駿河台大学の名誉教授の荒井信一氏は、敗戦時に陸軍兵士だった自身の体験として、「すべての資料を焼くように」と命令されたことなど当時の軍による証拠隠滅を紹介。それによる「決定的資料」の欠如が歴史事実を否定する「憶測や無責任な言論」の「横行」を招いていると指摘しました。
都留文科大学教授の笠原十九司氏は、日中の学生を対象にした調査をもとに両国間の歴史認識のギャップを紹介。日本の政治状況に触れ、南京大虐殺事件などで教科書記載を政治家が妨害してきたことを指摘、彼らの一連の「教科書攻撃」にも言及しました。
司会のヘルシングUSIP教育副部長は、日本からの報告を「メディアでは分からない日本の動きだ」と評価しました。
「女たちの戦争と平和資料館」(WAM)館長の西野瑠美子氏は、二〇〇〇年に日本軍性奴隷制度を裁いた民衆法廷「女性国際戦犯法廷」の果たした役割に触れ、加害国の責任を明確にしていくWAMの取り組みを説明しました。
高知市の平和資料館「草の家」の事務局長を務めた金英丸さんは、戦時中に北海道で犠牲になった朝鮮人強制連行被害者の遺骨を、日韓市民グループが共同で調査したことを報告しました。
ジョージ・ワシントン大学のマイク・モチヅキ教授はまとめとして、日本と東アジア諸国が歴史問題を解決していく過程での米国の“判事や仲介者”としての関与は「米国の手もきれいではなく、確信が持てない」と発言。「地域の社会レベルで議論できる制度的基盤をつくることの支援」を提案しました。
日本側参加者は、南京大虐殺事件から七十周年に当たる今年、アジア・欧州各地で戦争責任を問うシンポジウム開催を予定。今回をその一回目と位置づけています。
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