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□官僚vs.市場派 天下分け目の人材バンク [AERA]
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070402-01-0101.html
2007年4月2日
官僚vs.市場派 天下分け目の人材バンク
国税庁の不適切な契約を取材していたときのことである。旧知の官僚OBを訪ね、ある出入り業者のことを聞いた。銀行に顧問として納まっていたこのOBは、現役のころ業者と接点を持つ可能性があった。
周辺取材を終え、国税庁幹部に面会すると「聞き回っているのは存じております」。あのOBが、こちらの狙いを読み取って通報したようだ。退職して数年経っているのに、古巣に不利な動きがあれば速やかに情報を上げる。役所の結束力に感心した。
「なぜあの人を顧問に」と頭取に聞いたことがある。「お願いしたわけではない。向こうから」。銀行と役所の潤滑油だという。
「押し込み人事」は役所の人事課が差配する。給与や秘書・部屋・クルマなど諸条件は役所が指定する。同期で天下りしているOBと処遇を揃えるよう、他の顧問先など「小銭」の斡旋も秘書課がする。役所の指示に従えば、天下りは3回までできる、と聞いた。
友人が旧防衛庁で援護課長をしていた。物資を送ったりする補給が仕事かと思っていたら「退職自衛官を企業に採ってもらうのが仕事」と聞いて驚いた。防衛施設庁の発注を巡って官製談合が摘発されたが、退職者の給与が受注価格に上乗せされているのか、と妙に納得がいった。
道路や橋梁でゼネコンなどの談合が後を絶たない。古巣に出かけてかつて面倒を見た後輩から「入札価格」を聞き出す時、再就職OBはどんな気持ちだろうか。
渡辺喜美行政改革担当相が提起した「人材バンク」に霞が関は騒然としている。退職OBの人事を各省の人事担当者に触らせず独立機関に一本化する構想だ。
「行政権限をちらつかせて退職者を押し込むことを禁止するための措置だ」と渡辺大臣。各省は「調べたところ権限を盾に押し込んだ例はなかった」と言っているそうだが、「イジメはありませんでした」と報告を上げる教育委員会と似たような話である。
「OBの就職斡旋を止めたら日本の公務員制度は崩壊する」と尾身幸次財務相は言ったという。崩壊するなら、そこから立て直す方が案外、改革の早道かもしれない。
編集委員 山田厚史
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