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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2007040202005344.html
【社説】
沖縄戦検定 歴史の真実がゆがむ
2007年4月2日
来春の高校日本史教科書から、沖縄戦での集団自決が軍による強制だった旨の表現が消える。文部科学省の検定に沿って記述が削除・修正されたことによるが、歴史の真実がゆがんでしまわないか。
沖縄戦は一九四五年三月二十六日から六月二十三日の事実上の戦闘終結までの三カ月にわたった第二次大戦での国内唯一の地上戦。
米軍の本土侵攻を遅らせるための玉砕覚悟の捨て石作戦が展開され、日本人の戦死約十九万人。家族、友人、知人が手榴弾(しゅりゅうだん)やカミソリ、カマで互いに殺し合う集団自決の惨劇が各地で起こった。
二〇〇六年度の教科書検定で、この沖縄戦の集団自決に関する記述内容を修正したのは六出版社の七点の教科書だった。
集団自決が軍の強制である旨の表現が「沖縄戦の実態について誤解するおそれのある表現」というのが文科省の検定意見で、記述の修正、変更を求めたからだ。
その結果、教科書の「日本軍に『集団自決』を強いられたり…」などの記述は、主語の日本軍が削られ、「追いつめられて『集団自決』した人や…」など強制とは意味上連係しない表現に書き換えられて、検定を合格した。
文科省がこれまで問題にしてこなかった強制をめぐって検定姿勢を変更させたのは、軍の命令を否定する最近の学説や自決を命じたと記述された元陸軍少佐らがこれを否定、書籍に名誉を傷つけられたと訴訟で争っていることなどが大きな理由とされるが、重要なのは何が強制かについての定義と認識だろう。
沖縄戦では軍によって自決用の手榴弾が住民に配られた事実がある。捕虜や投降を禁ずる軍官民一体の共生共死の教えが徹底されていた。軍によるスパイ容疑者の虐殺など住民の犠牲がある。これらが軍による強制と同義であることは、軍駐留の島々にだけ集団自決が発生していることからも明らかだ。
日本には、その時その場の空気が絶対的な拘束力をもち、戦艦大和でさえ沖縄戦では無謀な特攻出撃をせざるを得なかった独特の心的秩序があることを論じたのが山本七平氏の有名な「『空気』の研究」だ。
軍の強制と集団自決とあの時代の空気とを伝える無数の沖縄住民の証言がある。確たる証拠や公的資料がないからと、強制を否定してしまえば沖縄戦の実相から遠ざかってしまうのではないか。すべての集団自決に軍の命令や強制があったというわけではない。強制があったとの証言があることこそ重大だ。
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投稿者 天木ファン 日時 2007 年 4 月 01 日
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