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2007年04月01日
イラク特措法延長を弁護する読売新聞の社説はあまりにもお粗末だ
私はこのブログを書くために朝早く起床して大手新聞を読み比べている。それにつけても思うのだが面白い記事が少ない。面白い記事という意味は、権力者が隠そうとしている嘘をスクープする記事という意味だ。これこそがジャーナリズムの使命であると思うからだ。事実関係を教えてくれる当たり前の記事は必要はない。それはどこでも手に入るからだ。やはり記者諸君の取材能力、ジャーナリズム精神が失われつつあるのだろう。しかし新聞社の顔である社説まで劣化してしまったらもはや新聞の価値そのものまでもなくなる。3月31日の読売新聞のイラク特措法延長を支持する社説がそれだ。支持する意見を述べる事自体は読売新聞の自由である。しかしその論拠がまったくでたらめなのだ。
政府がイラク特措法の2年延長を閣議決定したことについては驚かない。問題はその必要性を訴える政府の言葉に嘘があるということだ。国民は松岡農水相の嘘を見過ごした安倍首相を許した。しかしこのイラク特措法延長の閣議決定を国会で通過させようとする時は決して安倍首相の嘘を許してはいけない。
何が嘘か。それは日本の自衛隊派遣がイラクの平和回復に貢献し、国際社会の期待に答えているという説明だ。ブッシュ大統領の最強の朋友であるブレア首相でさえ段階的撤退を打ち出した。いまや主要国の中では日本だけが取り残される形でブッシュ大統領を支援している。これがどうして世界の要請に答える国際貢献なのか。そもそも今のイラクの混迷は米国では解決できないのである。その米国に協力してどうしてイラクの治安に貢献していると言えるのか。
高村元外相が20日の自民党国防部会でこう述べたという。
「これは対米配慮でやっている、と国民に正直に説明したらどうか。国連決議はあるが、最大の理由は対米配慮だ」(8月31日朝日新聞)。その通りなのだ。安倍首相はこの事を明言して国民の賛同を得る努力をすべきなのだ。
しかも日本政府はその米国に真実を知らされないままイラク占領を支持をしていたのだ。政府が繰り返して強調するサダム・フセインの国連決議違反さえも嘘だ。イラク攻撃の直前においては、サダム・フセインは査察を求める国連決議1441を全面的に受け入れていた。もうしばらく査察を続けていれば大量破壊兵器の有無は確認されていたとブリックス元国連査察監視委員長も言っていたのだ。ブッシュ大統領の頭には「はじめにイラク攻撃ありき」しかなかった。その事はボブ・ウッドワードの近著「ブッシュのホワイトハウス」(日本経済新聞社)で明らかにされている。
これだけの事実が明らかになっているというのに、3月31日の読売新聞の社説はイラク特措法の延長を「イラクの破綻を防ぎ、国家再建の道を開くため、日本が国際社会の一員として国連及び26カ国の支援の取り組みに協力を継続するのは当然のことである」と結論づけている。
これは驚くべきお粗末な社説だ。今のイラク情勢の混迷についてまったく理解がない上に、航空自衛隊がどのような活動を行っているかも知らされずに(政府は国民の情報公開の要求を無視し、空自がどういう活動を行っているかを一切説明しない。読売新聞が知っているはずはない。それとも読売新聞だけは政府からこっそり知らされていたとでも言うのであろうか)、はじめに政府支持ありきで鉛筆をなめて書いた作文でしか過ぎないのだ。それにしてもどのような論説委員たちが、どのような議論を経て、こんな社説を国民の前に臆面もなく垂れ流す事を決めたのであろうか。
賢明なる国民は批判精神を失うな。大手新聞の論説だからと言って、ありがたくそれを拝聴する必要はない。今はもはやそんな時代ではない。ほとんどの情報は瞬時に世界に公表される時代になった。メディアや専門家の言うことと、自分の力で情報を集め、考える国民が、いまや対等に競合できる時代になったのだ。メディアや専門家が愚かな言辞を弄するなら、「馬鹿にするな」と、大いに批評しようではないか。彼らの言っていることは往々にしておかしいと思ったほうがいい。なぜならば彼らには権力に迎合しようとする不純な動機があるからだ。何物にもとらわれない、素直で自主、独立の人間の目のほうが、数段優れているのである。
Japanese Government’s Decision To Extend Self-Defense Forces To Iraq For Another Two Years Has No Legitimacy
Despite the fact that Iraq situation is now beyond the control of US and even the US Congress demands President Bush to withdraw its troops early next year Japanese Government alone, among the major industrialized countries, decided to continue sending their Self- Defense Forces to Iraq for another two years.
It is so obvious that the only logic behind this decision is that Japanese Government is crazy for Bush and decided to commit a double suicide with him. Nevertheless Prime Minister cheated Japanese people by not confessing this and saying Japanese Self-Defense Forces are requested by the UN, Iraqi Government and the rest of the world and they are making great contribution to recovering the stability of Iraq. Who believe this nonsense?
The Yomiuri Shinbun, the most widely read Japanese papers, does! In its editorial of March 31, it full –heartedly supports the Abe Government’s decision. It repeats exactly the same excuse, i.e. Japan can make a contribution to the stability of Iraq by continuing sending its Self-Defense Forces! Is this a journalism or just a propaganda branch of the Abe Government?
http://www.amakiblog.com/archives/2007/04/01/#000322
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