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2007年03月31日
一億総評論家時代の落とし穴
いつか書こうと思っていたことがある。それは昨今のテレビの報道番組、政治番組についてである。このブログの読者の中にはメディア関係者もいると思う。あるメディア関係者がこう言っていたことを思い出す。「俺たちを怒らせると後が怖いぞ。マスコミを使って叩くからな」と。驚くべき傲慢な発言だ。しかし叩かれても失うものを持たない私にとっては無意味だ。
かつてテレビが一般家庭に普及し始めた60年代前半に、評論家の大宅壮一はこれを一億総白痴化だと評した。それにならって今日のテレビを論ずるとさしずめ一億総評論家の感がする。どの時事番組を見ても、専門家、アナウンサー、政治家、芸能タレントが入り混じって好き勝手な評論を言い合っている。
私はその風潮を一概に否定するものではない。「世間に知恵がついてきて、やりにくくなってきた」。これは外務官僚時代の同僚が私の前で語った言葉である。しかしこれは外務官僚に限ったことではない。あらゆる省庁の官僚、いや政治家を含めた権力者すべてに共通した本音であろう。彼らが一番困るのは、情報が一般国民に共有されることによって自分たちの特権が失われることである。すなわち情報を独占することによって仕事の質の低さを覆い隠して来た、それが出来なくなって仕事に厳しさが求められるようになってきた。日常茶飯事のように表面化している今日の数々の醜聞は、当たり前のように行われてきたずさんな仕事の実態が、情報公開や内部告発の一般化によって表面化しただけのことだ。だからメディアが情報を視聴者に提供し、それについて誰もが勝手なことを論じ合う風潮は、それ自体は歓迎されるべきである。
しかしである。昨今のテレビに限って言えば大きな弊害がある。はじめから意図して作られた醜悪な討論番組はもちろん言語道断であるが、それはまだ罪は軽い。番組を作る方も、出演者も、ふざけた娯楽番組であるということを承知の上で、仕事の為に、あるいは売名で、あるいは高額なギャラほしさのために、身を貶めているからだ。見るほうもそれを承知で、馬鹿にしながら見るからである。
問題は一見まじめな時事番組、報道番組における一億総評論家の風潮である。大騒ぎして政府批判をするくせに、権力者にとって真に都合の悪いとろにまでは決して踏み込まない。問題提起はするが、是正の為の追及を徹底的に行わない。国民の不満のガス抜き効果で終わってしまっている。それは結果として権力者に加担することにならないか。そういう気がしてならない。
Too Many TV Political Talk Shows But None of Them Really Confronts With The Government
When we watch TV political talk shows, which are now flooding at every channel, it seems as if all of 100 million Japanese, not to mention journalists, politicians, bureaucrats, scholars but singers, entertainers, talents or even amateurs, become commentators.
This phenomenon itself is not bad at all. As the knowledge and information be shared widely among people it is natural that people tend to express their view and criticize things. This can play the role of checking the wrong doing of the rulers.
The frustrating thing of recent TV shows, however, is that commentators never reach the point of real criticism. If their comments end up with only absorbing the anger of the TV viewers they might support the rulers in a sense they stop indicting the ruler to the end. That is dangerous.
http://www.amakiblog.com/archives/2007/03/31/#000320
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