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http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20070329ddm005010021000c.html から転載。
従軍慰安婦問題:官邸に乱れ、批判やまず 首相訪米の際、難題にも
いわゆる従軍慰安婦問題が、安倍晋三首相の沈静化しようとする努力にもかかわらずくすぶり続けている。慰安婦の募集で「狭義の強制性」を否定した首相の説明に対し、米有力メディアの批判が収まらないのだ。首相は持論を封印して「おわび」を強調する姿勢に転じているが、今度は側近の下村博文官房副長官が「旧日本軍の関与」を否定する発言をし、「官邸内不統一」にしびれを切らした与党からも批判が噴き出している。首相就任後初の訪米(4月26、27日)でも難題になりかねない状況だ。
米下院の謝罪要求決議案があったとはいえ、火を付けたのは首相自身の発言だった。3月5日の参院予算委員会。「官憲が家に押し入って連れて行くような狭義の強制性を裏づける証言はなかった」という「独特の理屈」(外務省幹部)が、「元慰安婦らの傷口を再び開いた」(同月8日付米紙ニューヨーク・タイムズ)などと海外から批判された。
首相は9日夜「大変微妙な時期に私の発言が正しく伝わりにくい状況がある中、議論することは非生産的になる」と記者団に語り、外交関係への配慮から持論を封印。
さらにシーファー駐日米大使ら米要人らの強い警告を受け、河野談話継承と慰安婦への「おわび」を強調するようになった。米政府も「首相の謝罪を評価する」(ケーシー国務省副報道官)などと火消しに協力している。
それでもなお、「安倍首相のダブルトーク(でたらめ話)。奇妙かつ不快。拉致問題で国際的な支援を求めるなら、日本自らの犯罪を率直に認め、被害者に謝罪するべきだ」(24日付米紙ワシントン・ポスト)などと、非難報道は容易にやむ気配がない。
こうしたなか下村官房副長官が26日の記者会見で「(強制連行で旧日本)軍の直接的な関与はなかった」と発言。騒動を蒸し返す結果になった。
憂慮した自民党町村派幹部が「発言に気をつけろ。誘導質問に乗せられるな」ときつく念を押したが、「若手保守の代表格」を自任する下村氏は「聞かれたから答えた」と弁明したという。
首相の元々の支持層である保守派には、中国や米国に配慮して持論を封印したり謝罪する姿勢への不満が募っており、下村氏の発言は「保守派の認識を代弁した内容」(閣僚経験者)だった。しかし、国内外に硬軟を使い分ける安倍官邸の外交戦術が、うまくいかない状況に陥っている。
公明党の北側一雄幹事長も28日の記者会見で「官房副長官は、自分の意見を述べる立場ではない。官邸をしっかり守るのが役割だ。発言は本当に慎重にしてほしい」とクギを刺したが、首相は下村氏を全面的に否定することもできず、対応に苦慮する日々が続きそうだ。【平元英治、高山祐】
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<従軍慰安婦問題を巡る最近の主な動き>
1月31日 マイケル・ホンダ米下院議員らが日本政府の公式な謝罪を求める決議案を米下院に提出
3月 5日 安倍首相「官憲が家の中にまで入って連れて行った強制性はなかった。米下院決議案は客観的な事実に基づいていない」(参院予算委員会)
8日 米紙ニューヨーク・タイムズが「元慰安婦らの傷口を再び開いた」と首相発言を批判
9日 シーファー駐日米大使「首相が河野談話の継承を表明したことは前向きだ。後退するような印象を与えるべきではない」(日本人記者団に)
11日 安倍首相「慰安婦の方々が負われた心の傷、大変な苦労をされた方々に心からなるおわびを申し上げている」(NHKの番組)
24日 米紙ワシントン・ポストが「安倍首相のダブルトーク(でたらめ話)」と批判
26日 安倍首相「河野談話を継承する。今ここで私が(慰安婦だった方々に)首相としておわびを申し上げている」(参院予算委)
下村博文官房副長官「(強制連行をめぐり)軍の直接的な関与はなかった」(記者会見)
27日 米国務省のケーシー副報道官「首相の謝罪を評価する。日本政府がこの問題に取り組み続けることが重要だ」(記者会見)
毎日新聞 2007年3月29日 東京朝刊
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