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http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20070330/col_____sha_____002.shtml
「東京新聞」社説 3月30日
慌てる必要はまったくない、という私たちの主張は変わらない。憲法改正手続きを定める国民投票法の与党修正案が衆院の特別委員会で審議入りした。参院選にらみの思惑先行では議論もゆがむ。
自民、公明の与党は四月十三日の衆院本会議可決、続く参院の審議を急ぎ、六月下旬までの今の国会での成立を目指しているという。
衆院の圧倒的多数に加えて与党は参院でも過半数の議席を持つので、審議が順調ならば成立はほぼ確実だとされている。
審議入りした修正案は、与党が昨年五月に独自の法案を国会に出した後、民主党との協議を重ねて合意した幾つかの論点をベースにする。
公職選挙法の改正などを前提に投票権年齢を十八歳以上とするとか、投票日前のメディア規制といった項目で民主党の主張に譲る一方、民主との共同提案を断念したのに伴って公務員の活動規制を復活させた。投票の対象も改憲に限定した。
審議の舞台である衆院憲法調査特別委が中央と地方で開いた公聴会では、公述人の多くが強引な運びに懸念を示している。与党推薦の人でさえ拙速を戒める意見陳述をしているのをみても、生煮えのまま議論を進めてよいのかと懸念する。
今国会で絶対に成立させると気負うのは安倍晋三首相だ。年明けから改憲を参院選の争点にすることを表明して国民投票法の成立を「戦後レジーム脱却」の柱に据えている。
「首相在任中の改憲」を公言する手前、これがその一里塚、という思いなのだろう。が、奇妙なのは、改憲派の論客からもこの投票法案に慎重な意見が出ていることである。
与党が目標とする衆院通過の日程は統一地方選の知事・道府県議選などが投開票された後だ。公明の嫌う選挙期間を外して、次はいよいよ参院選へ向けた野党の分断。とりわけ参院の与野党逆転を狙う民主を揺さぶるのに、賛同者の少なくない投票法案の採決を格好の材料にする−。
こんな憶測が信ぴょう性を持つ。事実なら露骨な党利党略に大事な憲法問題を使うことになる。首相や与党幹部の見識を問うておきたい。
もとより憲法をめぐる論議は、いたずらな党利の思惑を排して進められるべきである。手続き法などを国政選の直前に争点とすること自体、違和感を持つ人も多いはずだ。
私たちは改憲が国会で発議されるような場面では、改憲テーマにふさわしい手続きもおのずと合意可能になると考える。異論はあろう。それも含めて議論に時間をかけるのは、けっして無駄なことではない。
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