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平和から正義への懸念=広岩近広(編集局)
桜便りとともに入学式が近づいた。遠い日のことながら、母親に連れられて小学校の校門をくぐった記憶が残っている。楽しいことがありそうだと期待に胸を膨らませたものだ。記念写真は色あせているが、幼い顔は弾んで見える。
そんな私に関すれば、教室だけでなく校庭での遊びを通じて、多くのことを学んだと思う。まだ残っていた防空壕(ごう)が何であるかを知ったのも学校にあがってからだ。命と平和の大切さを教えられた。それは今も引き継がれている。
今年の小学1年生は、改正教育基本法のもとで義務教育のスタートをきる。私が懸念をいだくのは平和教育である。
というのも、昨年12月に改正された教育基本法の前文が旧法と異なっているからだ。「人間の育成を期する」につながる記述で、旧法には「真理と平和を希求する」とある。ところが新法では「真理と正義を希求し」に変わった。「平和」がなくなり「正義」が登場したのである。
私は「正義」という言葉にうさんくささを覚える。駆け出し時代には、支局長から「新聞記者は正義の味方・月光仮面になってはいけない」と諭された。一方的な視点で記事を書くなということで、その通りだと戒めている。それだけではない。米国の例を持ち出すまでもなく、他国に軍事介入するときはたいがい「正義の戦い」となる。こうなると「正義」は「平和」の対極に位置するだろう。
そんな「正義」が新出した改正教育基本法とともに新1年生は歩み出す。彼らの未来も平和であってほしい、と願うのみである。
毎日新聞 2007年3月25日 0時05分
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