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http://pokoapokotom.blog79.fc2.com/blog-entry-216.html
3月21日のEconomist.com
http://www.economist.com/world/asia/displaystory.cfm?story_id=8878167
http://www.asyura2.com/07/senkyo32/msg/414.html
は、アベ晋三氏の欺瞞性を指摘し、そこから日本および世界がいかに不利益を被っているか論説しています。
ネットの世界では以前から言われてきたことですが、こうして海外の、いわゆる《定評ある》雑誌に掲載されていると、また違った衝撃を受けます。まずはお読み下さい。
アジア・ビュー
東京の誤った方向転換
2007年3月21日
エコノミスト社
従軍慰安所、日本外交を汚す
日本の総理大臣としてたった6ヵ月の任期が過ぎたばかりで、安倍晋三の国際的な評価は、戦時史の藪の中に入り込んでズタズタになった。この問題は、安倍氏が総裁をしている自由民主党の歴史修正主義者グループの考えに対する答弁を求められて、同党の歴史修正主義的見方に賛意を示し、大日本帝国軍隊が20万に上る女性たち(主として朝鮮人・中国人だが台湾人・ビルマオランダ人もいる)を拉致し、第2次世界大戦の間操業していた従軍慰安所の組織で働くのを強制した証拠はない、と断言したことに始まる。
この主張はニュースとなって、連続した輪姦の犠牲者だったとき、婉曲的に日本語で「慰安婦」と呼ばれるものとして奴隷状態に置かれた恐怖について、アジアの各地とアメリカ議会を前に証言をした多くの年輩女性たちの耳に届いた。
安倍首相の発言は、ついに1993年、強制のあったことを日本政府が認めた上で、ある程度まで深い反省を表さざるを得なくなった、軍隊の公文書の中に発見された証拠にも反していた。
その結果安倍氏は、うかつにも最近隣人たちとの間で前進をみていた関係改善の多くを一挙に後退させただけではない。同盟国アメリカの反感をも買った。アベ氏の発言は、現在アメリカ議会で審議中の決議案に別の弾みを与えてしまったが、その決議案が求めるものは、戦時中の性奴隷の問題に対する日本の十分な謝罪である。先週駐日米国大使、トーマス・シェーファー氏は「日本国民は、強制売春を支持するものが全くいないことを自覚する必要がある」と語った。
にもかかわらず安倍氏の本当に愚かなところは、慰安婦問題で、世界でも屈指の不快な体制である北朝鮮の金正日の体制に道徳上の優位さを与えたことだ。大した芸当だ。
ここで、北朝鮮が数十年にわたって専門にしていたのが、自身の汚名となる行き当たりばったりの、残忍でしばしば異様な拉致だったことを思い起こすのに一役買う。1950年代から北朝鮮の秘密工作員は、ソビエト圏の国々から金氏の父親である金日成の競争相手を、拉致し始めた。次に彼等は韓国人を誘拐するようになって、おそらく500人が拘束されて、今だに戻っていない。1970年代と1980年代には日本人が個別に、たいていの場合本州の西の海岸かその付近から謎めいた失踪が見られるようになった。
何年もの間、歴代日本政府は、北朝鮮が行方不明の人びとを誘拐してきた可能性を軽視した。B級の空想映画の如く潜水艦から日本の海岸に上陸した北朝鮮の潜水工作隊員のしわざではないかという考えを退けたわけだ。しかし5年前に安倍氏の前任者小泉純一郎が平壌を訪問していたとき、金氏は思いがけなく拉致を認めた。当時安倍氏はさして有名でない政治家だったが、小泉氏に同行していた。彼は素早くこの問題に強硬路線をとり、昨年首相として指名されることとなった政治的チャンスを掴んだ。
5人の拉致被害者が現在日本に戻っている。2002年の後半には安倍氏は日本のために闘い、家族を訪問することが許された後に北朝鮮に拉致被害者たちを戻すという金氏との約束を破った。日本は、北朝鮮は少なくとも12人の行方不明者についてきちんと説明する必要がある主張する。北朝鮮は、12人は既に死亡しているか、もしくは拉致されていないと説明する。
安倍氏の不安定な国内での地位は、何よりもまず拉致問題頼みだ。彼は、拉致問題が「最優先事項」であると口に出す。今度は、拉致に対する怒りで、皮肉な国家主義的政治家たちと右翼勢力が学校で「愛国主義的」教育と日本の平和主義的憲法改定という政治課題を推し進めるのが助けられた。マスコミや主流派の政治家たちが、拉致運動と、こうした時として暴力行為に走る集団とのつながりを指摘するのは国家的タブーである。
拉致問題は正式には北朝鮮の核プログラム廃棄のために計画された6カ国協議の課題にはなっていないが、安倍氏がこの問題を含めることに固執したせいで、その時点で事態が面倒なことになった。2週間前のハノイで行われた北朝鮮と日本との二国間協議は拉致問題をめぐって決裂した。全体的な話し合いの新たなラウンドは今週北京で催される。北朝鮮は、日本は拉致について喋るのを止めて、自分の歴史上の悪行を謝罪して補償しろ、と喜々として要求している。
6カ国協議でのアメリカの首席代表クリストファー・ヒルは、北朝鮮は日米間に「くさびを駆使する」ことはできないだろうと断言した。それでもやはり、安倍氏の慰安婦に対するスタンスをめぐって論争になる可能性がある。そんなわけで、日本はすでにこの交渉で脇に追いやられることになっているとも考えられる。慰安婦を否定することは、これをさらにこじらすことになるだろう。安倍氏が新たに断言することで達成しようとしたものが何であれ、間違いなくこんなことではなかった。
(以上)
ふー、拉致問題をここまでこじらせてしまったのはいったい誰だったのでしょうか。それとも何だったのか、とでもいえばいいのでしょうか。
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