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東アジアの未来は、まず、冷戦が終結するという事実を知る事から始まる。
これから、中台、朝鮮半島は、共に統一に向かって動き出す。既に5カ国は、それぞれの将来をその構図の中に描き出している。分断の終結は、関係国に確実に利益をもたらしてくれる。唯一、安保カードのみを政策にしてきた冷戦利権国家を除いて。
中東政策の失敗によって教条勢力が弱体化したことで、米国も経済上の現実に従って舵を取りつつある。大統領個人と一部の執着を残しているものの、既に共和党主流派、軍、財界の意向に本質的齟齬は無い。最も安定した地域中核国であるイランの協力無くしては、失う物の方が多くなるという現実の認識は、既に共有されている。後は、ブッシュ政権の過去の言説と、あからさまな敗戦を糊塗する処理に手数を要するだけだ。イラン問題を含め、いずれ、それも終わる。
翻って東アジアを見れば、無駄な敗戦処理が無い分だけ、幻想を脱したリアルな政策への転換は早い。これから、経・政・軍を含む総合的な蜜月が中・米間に築かれていくことになる。現行の朝・米交渉の行方もその枠の中の一齣に過ぎない。米国の東アジアへの対応は、決定済みの中台政策を敷衍する形で、朝鮮半島政策も策定されていく。
だが、その中で日本は別だ。名ばかりの平和国家だが、その実は、敗戦後60年以上もの間、軍事同盟との交換だけを国益にして貪ってきた戦争利権屋に過ぎない。それは、中・米対立が本格的に解消しつつある昨今の論調に顕著に現れている。いかにして冷戦を長引かせようかと策略を巡らすか如き世論の様は、真に哀れむべきものだ。
終いに、自己の願望と現実との乖離が拡大するに従って、妄想を膨らませるに至っている。既に結論は決している。中・朝・韓相互の対立や、それらと米国との確執、まして、日米連携の東アジア虐めの成就など、この国の中でしか通用しない刹那的幽霊話だ。未来無き不健全な幻想に興じる社会に明日は無い。現に各年齢層を満遍なく浸す刹那的風潮の蔓延は、他国に例を見ない。
失われていく冷戦利権を前にして、国益の連呼が喧しい。左右の分けも無く、まさに「益病」とでも言うべき様相を呈している。何が真の国益か?だと。理想無き功利主義を「現実主義」と嘯いてきた擦れた社会の成れの果てが、ここに在る。
この民にしてこの政府あり。
日本の消費社会を生きる論者は、例外無く、直近に起きた事を論じても未来を知る知性が無い。したがって、その質は決定的に低い。これから「真の」国益論を始めることになるのだが、それ自体が既に終わっている。
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