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都知事選まであと2週間あまり。石原慎太郎があまりにも傲慢横暴で老害をさらして醜悪だ。しかし、浅野史郎の勢いがいまひとつ弱いのが、頭の痛いところだ。浅野史郎本人は注目を集めるための作戦だったつもりかも知れないが、逡巡しすぎたうえで、あまりにも遅くなって出馬宣言したので、せっかくの「反石原勢力の結集」という気勢がずいぶん殺がれてしまった格好だ。
浅野については私も批判がないわけではないが、それでも石原や黒川あたりと比べたら、リベラルでしかも現実的である点は疑いようがない。
まして石原は2016年東京五輪誘致などという実現不可能な目標を掲げて、そのために中国の支持が必要なため、これまでの中国批判の姿勢をかなぐり棄てて中国にすりよろうともしている(もともと石原のお友達だった黒川紀章に至っては何をとり狂ったか「中国とロシアとの友好」を主張している)。これは最悪だ。
ただ、例によって共産党が独自に候補を出して、さらに浅野の足を引っ張っているのが困ったものだ。
これは左翼系掲示板を見ているとわかるのだが、共産党やその他旧左翼の支持層が「浅野は本当の弱者の味方ではない」などと頭の固い言いがかりをつけているのだが、これが共産党支持層の「気分」なのだろう。しかし、こういう頭の固い旧左翼がいるから、日本は相変わらず保守右派独裁になっているのである。
確かに旧左翼から見たら、官僚出身で現実主義者の浅野や、自民党の一部も合流している民主党は、リベラルとはいえ満足できないだろう。しかし、政治というのはあくまでも現実であり、最善ではなくて「次善」を目指さなければならない。
皮肉な言い方をすれば、共産党は官僚や自民党とともに東大エリート独裁原理があって、思考パターンが似ているから、「リベラルよりもむしろ自民党のほうがいい」とでも思っているのかも知れない。それが共産党をして、総選挙でも無駄に出馬させてみすみす自民党候補を通してしまう事態を招いているのではないか?共産党とそのシンパは結果的には石原や自民党右派の第五列ではないのか?(とはいえ、石原の不正を共産党が暴いた点は評価している)
とはいえ、浅野の出遅れと戦術ミスもあって、今回はやはり石原が3選されてしまいそうだ。しかし、どうして台湾と日本は揃いも揃って(実は韓国もそうだといいたいが)首都の首長はどうしょうもないのばかりが選ばれ、こうも選挙民のレベルが低いのだろうか?
考えてみれば、東京市時代も含めて、東京の首長で比較的まともだったのは後藤新平と美濃部亮吉だけだったのではないか?その後の鈴木はハコ物に無駄遣いして、青島は「革新」を気取ったが都市博をやめさせただけで、馬鹿娘を芸能界に入れるなど親馬鹿ぶりをさらけ出した。
美濃部については「福祉ばら撒き」などと保守から非難されてきたが、ドラ息子の情実人事とカラ出張やハコ物に税金を無駄遣いすることに比べたら(比べなくても)、はるかに健全だ。それに美濃部には良いブレーンがいた。
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