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http://www.manzo-y.jp/voice/hitokoe_to.htm#061130より転載。
06年11月17日 イス取りゲームに再チャレンジ?
今年に入って、学生時代からの親しい友人が相次いで亡くなった。
書店の社長をしていたS君は、前社長から仕事を引き継いだ典型的な雇われ社長だったが、まじめすぎて不器用な彼は、経営の行きづまりに責任を感じて自ら命を絶った。引き継いだ時から行きづまっていたというのに。
誰もが「なんてバカなことを!」と思ったが、他人に言えない苦悩だったのだろう。
相談にのっていた同じ団塊世代の弁護士は、「オーナー社長はもっとサバサバしていてしぶとい。さっさと家族の相続放棄の手続きをして会社をたたんでしまう。雇われ社長で、責任感が強く、妙な男の美学みたいなものがある団塊世代の特徴なんだなぁ」と残念そうに話してくれた。
会社の整理にも目途が立った数ヵ月後、関西にいるご家族にも参加してもらい、東京で友人たちでのささやかな「偲ぶ会」を開いた。北海道や京都からも友人が駆けつけてくれた。
心やさしく、誰からも愛された彼の姿や学生時代の話を、彼の息子や奥さんに話しておきたかったのだ。少しだけ肩の荷が下りた気がした。
それは、日本中にあふれている倒産やリストラがらみの悲しい話の一つかもしれない。
「再チャレンジ」なんて言葉を聞くと、私は子どもの頃の「イス取りゲーム」を思い出す。人数より足りないイスから必ずはみ出してしまう人間がいる。次の曲がかかると、今度は今まで座っていた人が押し出されて、新しい人がそこに座る。
それが安倍首相のいう「再チャレンジ」だ。
蹴落とされたら、次は必ず他人を蹴落とすくらい強い人間にならないと生きていけない。
そのためには、子どものうちから競争させて、スキあらば他人からイスを奪い取る訓練をさせておこうというのだろう。
表面は笑顔でも、心を許したりしない人間だけが、こういう世界では勝ち組になれるのだ。
こんな、一部・二部入れ替え戦のくり返しみたいなことに、みんなそろそろ疲れてきている。だからもっとイスを増やせばいいのだ。
仕事を増やし、くらしを応援するように税金の使い方を変えることができれば、子どもたちだってもっとのびのびと生きていけるにちがいない。
今必要なことは、「再チャレンジ」よりもイスを増やす政治への転換だと思う。
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