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2007年03月22日
参院選出馬を目指す佐藤元先遣隊長の発言の軽さ
このブログを書き始めた時、私はそれを英語に要訳して世界に発信しようと考えた。日本で何が行われているかについて世界中の人々に知らせようと考えたからだ。
しかし、自分がどうしても書きたいと思うテーマが、必ずしも世界の関心になりそうもないと思えることが多い。それを英訳にしても外国の人たちにはピンと来ないだろう。そう思うと英訳をする気が起こらない。英訳をしたり、しなかったりすると、悲しいかなたちまち英訳することが面倒になってくる。そういう訳で「閑話休題」が増えてくる。これもその一つである。そう思って読み流しいていただきたい。
週刊現代の3月31日号に、「ひげのイラク先遣隊長」として有名になった佐藤正久氏の「イラク秘話」なるものが出ていた。彼は最近講談社からイラク自衛隊「戦闘記」を上梓したらしい。その宣伝をかねて同じ講談社の週刊現代が宣伝インタビューを載せたということだ。立派な営業活動に文句を言うつもりはない。
さらに言えば、佐藤正久氏は夏の参院選に出馬すると報じられている。おそらく全国比例区で出馬して自民党票の上積みに貢献し、自らも100万人の自衛隊とその家族の票を集めて当選するのだろう。今度の出版は、名前を売り込む為にタイミングよく出版されたものに違いない。これら一連の講談社と佐藤氏の連係プレーについても、私がとやかく口を挟む筋合いのものではない。
しかし私は心から残念に思う。佐藤氏の週刊現代ノインタビューで答えている内容を読んで、いくら大衆受けの柔らかい話を意図的にしたにせよ、それがあまりにも低俗で不謹慎なのだ。サマワで最初に迎えてくれたのが日光浴を楽しむビキニ姿のオランダ女性兵士だったというところからから始まって、イラク女性に一目惚れされて追っかけられた話や、砂糖たっぷりの紅茶や羊、鶏、魚、ヨーグルトなどの食事を連日イラク人から勧められ、「自分がもっとも恐れたのは、迫撃砲でも自動車爆弾でもなく、糖尿病でした」と臆面もなく喋るその無神経さに目を疑った。その後に続く話も、「サマワの人々にプレゼントするため110頭ぶんの予算を防衛庁に要求しただとか、部族長に気に入られて自衛隊が架けた橋の命名をサトウブリッジとしてくれた事を、「やばいなあ」と思いながら、ありがたく受け入れたとか、安全上の理由からひっそりと宿営地を後にしたら現地のイラク人スタッフが帰国したと知って号泣した、だとか、見開き2頁のインタビュー記事すべてがこの調子の自画自賛と与太話で埋め尽くされているのだ。皮肉をこめて言えば、「これは米国が始めた不当なイラク戦争に対する冒涜だ」などと言いたくなる。
佐藤氏は一体何のためにイラクへ行ったと思っているのだろう。「海千山千の部族長たちと渡り合った私は、国会の部族長たちとも伍していけると自負しています」などという選挙演説の言葉でインタビューを締めくくっている佐藤氏は、参議院議員になって何をするつもりなのか。この発言は国会への冒涜ではないのか。
おりしも来日中のペース米軍統合参謀本部長は21日、会談した久間防衛相に対し、「テロとの戦いに日本が積極的に参加している事を評価する」と述べたという。これを各紙がコメントなしで報じている。しかしこの発言は看過できない重大なだ。これは佐藤氏ら陸上自衛隊がサマワで人道支援のふりをしている裏で、航空自衛隊が米軍の輸送、補給を支援していることに感謝したものだ。日本の自衛隊がバグダッドなどの戦地に出て、テロと戦っている米国を支援する集団的自衛権の発動をしている事を公然と認めた発言である。あくまでも人道援助であるとか、自衛隊がいくところは非戦闘地域だ、などと国会で言い続けた小泉前首相の発言がまっかな嘘であったという事を、米国の最高司令官が公然と認めたわけである。
なるほど、そういうことだったのか。佐藤氏の週刊誌での与太話も、この不都合な事実から国民の目をそらす、仕組まれた芝居であると解釈すれば合点がいく。政治家になってしまえば、もはや文句を言わせないということなのだ。分かっていながら彼らに加担した週刊現代の責任は重い。
http://www.amakiblog.com/archives/2007/03/22/#000309
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