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石原真理子のアメリカ女囚生活125日と日本外交【天木直人・閑話休題】3/22
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投稿者 天木ファン 日時 2007 年 3 月 22 日 11:21:03: 2nLReFHhGZ7P6
 

2007年03月22日
閑話休題 石原真理子のアメリカ女囚生活125日と日本外交


 石原真理子というタレントが、米国滞在中にストーカー行為で二度も逮捕され、125日もの間拘留されていたという事実が発覚しこれが芸能ゴシップとしておもしろおかしく報じられている。しかし私はこのゴシップ報道とはまったく別の観点からこの石原の体験を眺めている。

 週刊大衆の4月2日号で石原真理子が芸能レポーター梨本勝のインタビューの中で話している米国での収容所生活とそれに至る顛末を読んで、私は即座に最近読んだ「アメリカ監獄日記」(高平隆久著、草思社)を思い出した。

 この本はLA在住のコンピューター技術者であった著者が、日本から連れてきた恋人に裏切られ、彼女のでっち上げの被害届けのために、ある夜身に覚えのない罪状でいきなり逮捕され、ろくな取調べのないままに拘置所に入れられ話から始まり、釈放までの8ヶ月の司法闘争の体験を綴った実録の書である。

 一見すればなんとも間抜けな話なのであるが、それ以上に深刻な問題をこの体験談は提起している。それは米国における警察、裁判のいい加減さであり、もっといえば米国という国の残酷なまでの不条理さである。そしてそのような国で生活し続ける米国人の精神的強靭さである。それは悪くいえば鈍感さであり、強者、金持ちと、弱者、生活破綻者との格差のすさまじさでもある。

 米国で「本物の生活」をした経験のある者であれば、私の言わんとしている事がわかるはずだ。米国という国は光と影が極端な国だ。金銭に余裕があり、背後に国や企業と言う後ろ盾があり、表面的な付き合いをしている限りにおいては、これほど自由で快適な国はない。しかし一歩利害関係に足を踏み入れ、ましてや敵対関係に入るならば、そしてそれを個人の交渉力で解決しようとすれば、これほどいい加減で、無法、理不尽な国はない。ほとんどの滞米経験者は、というより100%の一時的滞米経験のある日本人は、日本人と付き合い、日本食に囲まれて、日本の方ばかりに顔を向けて暮らしている。それを私は批判する気はない。それほど米国社会の中に入り込むことは容易ではない事を知っているからだ。

 一般の日本人であるならそれでいい。ところが日本の国益をあずかる政治家や外務官僚までもがまったく米国の中に入り込めていないのである。米国が分かっていないのである。米国人との間にパイプが築けていないのである。その努力をしていないのである。

 ここからがこのブログの本題である。今、日本外交は拉致問題や慰安婦問題で米国に裏切られ、途方に暮れている。それはいままでの日米外交が如何に表面的な外交であったかを白状しているようなものだ。私は慰安婦問題の問題については安倍首相をはじめとするいわゆる右翼的な立場をとる者ではない。しかし同時にまた今回の米国議会に置ける対日非難決議の動きについては、この背景にある日本叩きの政治的意図を見逃さない一人である。

 かつて私が外務省の課長として南アフリカの黒人差別問題を担当していた時に、国際世論の不当な日本たたきがあった。その火付け役は米国のメディアだった。なぜ日本の対南ア政策を不当なまでに非難するのかと米国の特派員に尋ねたことがある。その答えが、「本社からの指令である。嘘でもいいから日本批判の記事を送って来いと言われている」というものであった。米国の南アフリカ政策こそ人種差別的であった。その非難の矛先を米国に向かないように日本をスケープゴートにしろということなのだ。

 このような米国の本音に腹を立てて日本人同士が内輪で喧嘩していても始まらない。国を挙げて米国に対処しなければならないのだ。そしてその責任はもちろん日本の指導者と外務官僚にある。

 しかし彼らは、世襲や特権にあぐらを書いて、表面的な付き合いしか米国として来なかった。利害に絡んだ死に物狂いの交渉を一度たりともすることなく、最後は国民に犠牲を押し付けて米国のごり押しを呑んできた。そのような底の浅い外交を、「日本と米国は価値観を最も共有する国だ」とか「日米同盟は最重要だ」などという言葉で覆い隠し、ごまかしてきたのだ。そのむなしさが分かっているからこそ、「イラク戦争は間違っていた」(久間防衛大臣)とか、「青い目、金髪だったら駄目よ」(麻生外相の21日長崎県講演での発言)、などというような腹いせ交じりの本音が、間欠泉のように口をついて出るのである。このあたりで国民に真実を知らせ、国民の支持を得て、国が一丸となって日米外交を進めていかなければ、日本は大変なことになるだろう。米国の悪い側面ばかりを押し付けられる国になるであろう。

 すくなくとも石原真理子は、「すべてが晴天の霹靂」という不条理の中で米国の女囚監獄に125日も拘留され、いじめや監獄の寒さに耐え最後は女囚たちと交流が出来るほどの体験に耐えた。自殺しそうになった環境を一人で乗り越えた精神的強靭さを持っていた。石原真理子こそこれからの日米外交にふさわしい人物なのではないかと冗談交じりに思う。少なくとも外国人特派員協会で米国語で受け答えていた彼女の外交術は、下手な外交官のそれよりもよりもはるかに優れていた。

http://www.amakiblog.com/archives/2007/03/22/#000308

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