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http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-03-21/2007032104_03_0.htmlより転載
『週刊金曜日』「政治時評」への反論
誰を知事にするかは都民が決める
日本共産党広報部長 植木俊雄
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雑誌『週刊金曜日』三月九日号に掲載された「山口二郎の政治時評」は、東京都知事選挙について、日本共産党の態度を名指しで批判したものでした。日本共産党中央委員会の植木俊雄広報部長は十六日、これにたいする植木氏の反論(「政治時評」と同分量)を同誌編集部に持参し、その掲載を求めました。編集部は、この反論をおよそ半分に縮めた文章を、「投書」欄に掲載するとしています。日本共産党に質問や意見が寄せられていますので、植木氏の反論の全文を掲載します。
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本誌三月九日号の「山口二郎の政治時評」は、東京都知事選挙を論じています。
山口氏は、今度の都知事選の「最大目的」は、「数々の悪行」を重ねてきた「人間失格の独裁者」である「石原を引きずりおろすこと」であり、「民主主義を愛し、人間の尊厳を貴ぶ市民は…幅広く市民の支持を得られる候補にまとまることが必要」で、その候補者は、「改革派」で「既成政党に乗らない」浅野氏である、共産党もこれに協力すべきであるといいます。
しかし、選挙で誰が幅広い支持を得るかは、山口氏ではなく、有権者である都民が決めることです。また、現在の都政や浅野氏についての評価は、あまりにも浅薄です。
都知事選で石原氏に問われるのは、(1)福祉施策を「贅沢(ぜいたく)」と決めつけて削りに削りつつ、巨大開発に多額の税金を投入するというその基本施策であり、加えて、(2)日本国憲法と民主主義を破壊する暴政、(3)政治の私物化――などです。
この都政は、小泉・安倍と続く自民党政治の特徴を、先取りしているかのようであり、それができたのは、自民、公明だけでなく民主もくわわる「オール与党」体制が、これを賛美し、支え、励ましてきたからです。「日の丸・君が代」問題で教員処分をけしかけたのが民主党だったことは、端的な一例です。知事の「悪行」や「独裁者」的言動は、単なる個性ではなく、「オール与党」体制と不可分のものです。
都知事選の焦点は、この都政を変えることです。それを実行しようとする候補者には、それにふさわしい政策的立場とともに、「オール与党」体制とはっきりと決別できる確固とした政治的立脚点が求められています。
日本共産党は、石原知事と「オール与党」が進める悪政に一貫して正面からたちむかってきました。メディアをむしばんできた石原タブーを打破する上で、日本共産党が果たした役割は、山口氏も否定していません。その結果、都政の実態が、「オール与党」体制の問題を含めて都民に知られるようになり、都政を変える展望が生まれました。吉田氏は、その展望を担って活動してきました。
浅野氏は、選挙の直前になって名乗りを上げました。氏は、三期十二年の宮城県知事としての任期中に、巨大開発を進め福祉を削りに削ったという点で、石原都知事とうり二つです。しかも、氏は、選挙ではどの党の推薦も受けなかったものの、議会では「オール与党」の支持を得て、こうした自民党型政治を実行してきたのです。氏は、一期目の石原氏は「仰ぎ見るような存在だった」といい、石原都政を「だいたい継承すべきもの」とものべています。
浅野氏の政策的立場も政治的立脚点も、石原氏よりましといえるものではけっしてありません。石原氏と浅野氏の「対立」は、都民の批判がきびしくなる中で「オール与党」が二つに割れただけです。「オール与党」陣営の二人に対抗して、日本共産党と吉田氏が都政の転換を掲げているのです。
選挙のなかでこそ、石原都政の問題点、改革の方向、それを担える候補者を、大いに多面的に議論すべきです。それが選挙です。その選択肢を最初から、しかも「民主主義」の名で排除しようなどというのは、「民主主義」を語る資格が根本から問われるでしょう。
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