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揺らぐ日米の司法システム
http://plaza.rakuten.co.jp/31sakura/diary/200703200000/
「司法システムは所詮、体制を維持するための暴力装置だ」と言ってしまえばそれまでのことだが、それでも建前は「社会正義」を実現するためのシステムである。権力を握る者が露骨に司法を私物化すればスキャンダルになる。今、アメリカの司法省をスキャンダルの津波が襲おうとしている。
昨年12月、アメリカでは少なくとも8名の連邦検察官が解雇され、問題になっている。8名を解雇したのは「仕事の能力」が理由だとされたが、ホワイトハウスの外での評価は逆である。しかも、カール・ローブ次席補佐官やハリエット・マイアーズたちは一昨年の1月に93名、全ての検察官を解雇しようと計画していたことが最近、明るみに出てきた。自分たちにとって都合の良い人物に入れ替えようとしたというわけだ。検察システムの乗取りを企てたとも言えるだろう。
現在のアメリカ政府では、「フェデラリスト・ソサエティ」のような「超法規理論」、つまり国際法やアメリカの憲法、あるいは独立宣言を無視した考え方をする「法律家」が司法を動かしている。そうした考え方を現場にも浸透させようとしたのかもしれない。そうなれば「反対勢力」を司法の力で抹殺することが容易になり、自分たちの悪事が暴かれる心配もなくなる。
解雇された検察官のひとり、キャロル・ラムは共和党のランディ・カニンガム元下院議員の贈賄事件を担当していたのだが、解雇の直前にCIAの幹部に対する家宅捜索令状を請求していたことが最近になって発覚した。今後、アルベルト・ゴンザレス司法長官の辞任を求める声は高まりそうだが、事件は情報機関に飛び火するかもしれない。ちなみに、カニンガムは昨年3月に8年4カ月の懲役が言い渡されている。
もっとも、解雇しなければならないようが検察官が存在していたという点で、アメリカの司法システムは日本よりマシなのかもしれない。冤罪であろうと何であろうと、事件が「一件落着」すれば良いという態度の警察官、検察官、そして裁判官が日本には多いようにしか見えない。こうした人たちが権力犯罪に立ち向かうはずはなく、解雇するまでもないのが実態だ。
過去を振り返っても、例えばロッキード事件でも軍用機の話は封印され、「主犯格」とされた政治家は逮捕されなかった。水俣病にしろ、イタイイタイ病にしろ、薬害エイズにしろ、あるいは劣悪な労働環境や不良債権の問題にしろ、日本の司法システムは権力の側に立つ人間を厳しく罰することはなかった。だからこそ、彼らは図に乗って同じことを繰り返す、いやエスカレートさせるのだ。
日本では、これまで憲法が権力者の横暴を抑える役割をある程度、果たしてきた。裁判官も憲法をあからさまに否定する訳にはいかない。安倍晋三首相が改憲に熱心な理由もそこにある。
日本社会は崩壊寸前である。巨大企業は「国際競争力」を口実にして中小企業や労働者に正当な対価を払おうとしないが、従順な日本人にも限度はある。怒りの爆発が暴動、反乱に発展する可能性もある。第1次世界大戦の直後、一般国民の反抗、反乱を力で抑え込む手段として出現したのがファシズムだった。日本の改憲がファシズム化を目指していることは間違いない。安倍首相は改憲の先に「権力者の楽園」を想像しているのだろうが、実際には「国民の地獄」が待っている。
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