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●「ミサイル防衛システムをめぐる争い 米国はNATOとは分離したい意向」
(15日付フランクフルター・アルゲマイネ・ツァィトゥング(ドイツ))
―イランの脅威に対抗するものとして米国が東欧諸国に配備を予定しているミサイル防衛システムについて、米国のミサイル防衛担当のオバリング将軍は、あくまでもNATOとは分離させたものとして配備したいとの意向を示しているといいます。これに対し、とりわけドイツは、配備自体について異論は唱えていないものの、あくまでもNATOの枠内での設置を求めていることから、欧米間の新たな火種になってきていると報じています。
―上記のとおり、ロシアによる「脅威」が高められる中で、本来であれば結束して対処すべき欧米関係が、今度は逆に緊張している点にも注目しておくべきです。とりわけドイツは、ロシアのエネルギー利権への食い込みをシュレーダー前政権の時代から企図してきただけに、今回のミサイル防衛システムによってもっとも刺激されているロシアの意向をもおもんぱかるべき立場にあります。したがって、表面的には米国に屈したように見えつつも、実態としては共同決定が原則であるNATOの俎上へ舞台をうつすことで、本件をコントロールしようと企てているというわけです。
―それに対し、米国があからさまに反対する見解を表明していることの意図がどこにあるのかを、マーケットの観点から分析することが必要です。そうなるとこのメールマガジンでも繰り返しお伝えしてきたとおり、欧州、とりわけドイツのマーケットと、地政学リスクを結びつけるための仕掛けづくりではないか(その意味で、アフガニスタンへの増派をドイツに強く求めるのと効果は同じ)という観点が浮上してくるわけです。米国は、このシステムによって欧州全体が守られるといいますが、イランが欧州にミサイルを打ち込んでくることはあまりにも非現実的です。実際のターゲットはロシアであることは明らかであり、その結果、欧州マーケットはイラン、さらにはロシアという二つの地政学リスクにさらされることになるわけです。
―繰り返しになりますが、欧州マーケットは日本から遠く、身近なものでは決してありません。しかし、2月28日から始まった世界同時株安が示したとおり、欧州マーケットは世界、とりわけ日本株マーケットと直結しています。米国の株高が崩れ、景気減退が叫ばれる今、もっとも高揚しているのは欧州マーケットです。米国の不動産市場の瓦解によって、スイス系の銀行、さらには英国の一部の大手銀行が巨額の損失を被り始めており、それが欧州マーケットの収縮になる危険性が早くも指摘されています。これに地政学リスクが増幅された形で「演出」された際の効果を、日本の個人投資家としては現段階からしっかりと見極めておくべきでしょう(「今すぐ」ではなくとも今後1年以内に演出される大きな「シナリオ」の一コマには十分なり得ます)。
2007年3月16日号より
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