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□利益400億円はどこへ [AERA]
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070319-02-0101.html
2007年3月19日
利益400億円はどこへ
産業再生機構は当初、赤字を誰が穴埋めするのかと議論になった。
ところが、400億円の利益が出た。これから分捕り合戦が始まる。
「4年間、トータルで700億円くらい儲かってるはず。一応、株式会社ですから、税金も払ってますよ。だから、税引き後なら、まあ、400億円くらいですかね」
今年3月末、予定より1年前倒しで解散する産業再生機構の幹部が明かす。最終的に利益剰余金は、400億円程度になりそうだという。
産業再生機構は、不良債権とされる企業を買い取り、再生して、優良企業やファンドに売却。各業界から様々な分野のエキスパートが集められ、“官製ハゲタカファンド”などと揶揄されたこともあった。ダイエー株の売却では約200億円の利益を上げた。
利益に戸惑う声も
「まさに、血と汗と涙の結晶でしょ。再生、って要するに、大なたふるってリストラするわけですから、対象企業の人が、包丁を持って職員の自宅に押し掛けてきて、振り回されたこともあった。誹謗中傷の怪文書なんて、日常茶飯事でしたよ」(前出幹部)
もともと銀行救済の意味合いが強く、だれもが、「こんなに儲かるとは思ってなかったんですよ。ほんとに」(財務省関係者)という。
このため、実は、困ったことが起こっている。この利益をどうやって分配するのか、設立根拠になっている産業再生機構法にほとんどかかれていない。
解散時の残余財産について、産業再生機構法には「拠出金を拠出した金融機関その他に対し、その拠出金の額に応じて分配する」(52条2項)とある。
しかし、利益のうちどのくらいを株主に還元するかは、45条で「機構の行う業務の公共性を考慮して政令で定める割合を乗じて得た金額を限度とする」とあるだけ。残りは国庫に入ることになっている。
では政令で定めた割合っていくらなのか、という話になるのだが、実は、この政令がない。
「内閣府の産業再生機構担当室が今、作ってるんです。でも、そこの室長さん、困ってましたよ」(内閣府関係者)
産業再生機構の資本金は505億円で基本的に、金融機関が預金保険機構を通じて出資。銀行法に依拠しない農林中央金庫は手続き上の問題で、直接7億5000万円、当時4行あったメガバンクはそれぞれ90億円ずつ出資した。
財務省関係者によると、基本的には、
「銀行がもらえるのは拠出金とその調達分くらい。あとは、国庫ということでだいたい決まってるんです」
合併で最大出資者となった三菱東京UFJ銀行も、
「国が銀行救済のためにやった事業なのだから、銀行が利益を得るって、どういうこと? という話になっちゃう。まあ、合理的に処理していただければいいです」(同行関係者)
銀行か国庫か悩む
ところが、その合理性が難しいようで、前述の産業再生機構幹部が頭を悩ませているのは、そこなのだという。
「国が弱者である旧企業の従業員を犠牲にしながら儲けた、ってのもなんだし。銀行は預金保険機構を通じて出資する際、事務手数料分3000万円を預金保険機構に預けた。一方、農林中金は、直接出資したから、手数料がかかってない。細かいことかも知れませんが、きっちり公平にしないといけない」(前出の内閣府関係者)
いっそのこと、機構職員の臨時ボーナスにしてしまえばとも考えるが、これも規制があって難しいという。
では、銀行か国庫。どっちもどっちだが、産業再生機構担当室に聞いてみた。
「今やってるところで、何にも言えないんですけど、ま、いろいろとあるんですよ」(産業再生機構担当室)
編集部 川村昌代
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