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六カ国協議の論点を整理する
議論についてこれない大手メディアと「潮目」を理解できない外務省
明日(3月19日(月))より、中国・北京でふたたび北朝鮮に関する六カ国協議が開催される。
ひところまでは、「拉致問題解決に向けた道のりが開けるのか」と大騒ぎしていた日本の大手メディアであるが、前回の会合(2月)、あるいはその後に開催された米朝および日朝の作業部会などもあわせ、どうも最近の報道の仕方にはかつてのような熱心さが感じられない。そのことは、新聞・テレビ・雑誌などで「知る側」にいる立場を超えて、これら大手メディアに「出る側」に立っている身としては、なおさら体感できる事実だ。
それでは、なぜ、日本の大手メディアはあれほどまでに盛んに報道していた六カ国協議や、それをとりまく北朝鮮問題についてあまり熱心にフォローしなくなったのか。
その理由は簡単である。―――六カ国協議を舞台に行われている議論がいよいよ専門化し、これまでの歴史的経緯とマーケットの世界における実情を知らない者にとっては正に「複雑怪奇」、理解しがたいものになりつつあるからだ。
そしてもう一つ、理由がある。それは、日本外交の先頭に立って、「今、外交場裏で何が起きているのか」をきっちりと分かりやすく説明すべき外務省自身が、急速かつ「想定外」の事態の展開に戸惑い、動揺のあまり、「今何が起きているのか」「これからどうなるのか」について、冷静な分析を大手メディアを相手に行えていないことだ。
1月にベルリンで行われた米朝協議以降、米国と北朝鮮は着実に歩み寄りを見せている。そこには、北朝鮮を「悪の枢軸」と罵り、北朝鮮との二国間協議は梃子でも行わない(=だからこそ、日本にも北朝鮮とサシで話すのは許さない)としてきたブッシュ政権との一貫性は微塵もない。明らかにゲームのルールが変更になったのである。趨勢は、着実に米朝国交正常化に向け、流れつつある。正に「潮目」である。
こうした展開は、弊研究所がかねてより情勢分析してきたとおりであり、正に「想定内」なのであるが(たとえばこちらを参照)、肝心の外務省はといえば、「日米同盟」を連呼するばかりで、「米国こそが、日本の梯子をはずしたのだ」ということを認められないのだという。それもそのはずだろう、現在の外務省における主たる幹部・中堅幹部は一部の例外を除けば、ブッシュ政権、あるいは米国・共和党との関係で「功績」があった者たちばかりだからだ。彼らは、これまで自分たちが尽くし、またその恩賞を与えてくれてきた共和党政権が、よもや日本の梯子をはずすなど信じることができないのである。
しかし、マネーの世界を垣間見たことのある個人投資家を含む日本人にとっては、「梯子を外す」、すなわち「創造と破壊」を繰り返すのが米国のマーケットにおけるもっとも基本的な行動パターンであることは自明の理であろう。
鉱物資源の宝庫であり、またその採掘のためのエネルギー利権もある北朝鮮を、米国は最初から「そういうもの」として狙ってきたのである。そして、この利権を確保するために、あらゆる手段をつかって「日米同盟」の刷り込みを日本に対して行ってきたのだ。―――そうした壮大な策略にまんまとのってしまった外務省の高官たちは、言い訳に終始する前に、まずは「退場」願わなければならないだろう。さもないと、日本全体が取り返しのつかない目にあうこととなる(ちなみに、私自身が2年前の春、外務省を自主退職し、言論の道に飛び込んだことの最大の理由がここにある。つまり、主敵は北朝鮮と手を組んだ米国に他ならないということを明らかにするということである。その意味での私のマニフェストについては、拙著「北朝鮮外交の真実」(筑摩書房)をごらんいただきたい。この本の執筆動機に、ようやく表向きの現実が追いついてきた感がある。)。
麻生外務大臣の「奇妙な発言」と対米・対ロ協力者のプロパガンダ
「日米同盟」の呪文に翻弄されてきた外務官僚たちに対し、こうなったら鞭を打つべきなのが外務大臣である。しかし、事ここに及んで、肝心の麻生外務大臣自身は奇妙な「発言」をしていることに気付く。そして、それを殊更にアンダーラインして喧伝しようとする勢力がいる。
具体的には、かの佐藤優氏のコラムを一読いただきたい。この中で佐藤優氏は、六カ国協議で日本が孤立しているとの見方を一蹴し、むしろ日本による強硬な姿勢は、受身の小切手外交に終始してきた日本外交の質的変換を示すものであり、賞賛に値するのだとしている。
拙著「『日本封じ込め』の時代」(PHP新書)で詳しく説明したとおり、日本が「封じ込められている」ことは明らかであり、これが米国の対日統治政策の周期的な循環によるものであることも明らかであるので、ここでは以上のような佐藤氏の分析が、全く組することができないものであることを示すにとどめておく。
というのも、実はもっと「見逃せない点」がこの佐藤優氏のコラムにはあるからだ。
佐藤氏はいう。
「、『文芸春秋』4月号で手嶋龍一氏のインタビューに対する麻生太郎外相の答えがさえている。「今回の6カ国協議で、明らかに日中、日米、日韓がいろいろやっているときに、ロシアが拉致についちゃ非常に理解を示してくれて、北朝鮮には厳格な対応をした。ロシアは北朝鮮に相当規模の金を貸し付けたまま、返ってこない。ロシアはその金が返ってこない限りは新たに北朝鮮にしてやるといってもいろいろ限界があるらしい。いま北朝鮮からロシアに泣きついても、ロシアはそれを引き受けてやるということが、なかなかできなくなっていると思います。自分のところに言ってきてもだめだ、まずは核を放棄してからにしろということですよ/それからロシアから見たって、北朝鮮に借金を返してもらおうというと、その金の当てはどう考えたって、日本と組むしかないだろうと」
麻生外相が組み立てた連立方程式は見事だ。(1)拉致問題が具体的に前進しない限り、日本は北朝鮮にビタ一文出さない(2)ロシアは北朝鮮が債務を処理しない限り、新たな経済協力はしない。この2原則を日露が堅持することで、北朝鮮を締め上げる。」
そして佐藤優氏は、「「日露が戦略的に提携し、ロシア極東の資源開発を本格的に行うならば、巨額の資金が動き、経済発展が見込まれる。北朝鮮をこの流れに加えてもいい。ただし、それには条件がある。核兵器の不拡散と日本人拉致問題の解決だ。北朝鮮が条件を飲まないならば、歴史をよく思いだすことだ。帝国主義化した日本とロシアによる朝鮮半島への影響力を巡る対立が日清戦争、日露戦争を引き起こした。もし、日本とロシアが本気になって、悪い目つきで北朝鮮をにらむようになったら、どういう結果になるかわかっているんだろうな」という内容のメッセージを金正日に送るべきだ」というのである。
外交評論の世界は怖いもので、世界の全てを知ることは不可能であるにもかかわらず、仮に自分の不得意な領域・地域に関してコメントするよう、メディアからリクエストがあっても受けなければならない。さもなければ、メディアは「使えない奴」と烙印を情け容赦なく押してくるからだ。
しかし、全く知らぬ世界について発言をすることほど怖いことはない。ましてや、北朝鮮問題の本質は、金融マーケットの最先端と連動している。思想の海を泳ぐのは得意であっても、日夜動き続けるマーケットと、そこに押し寄せるさざなみのような「潮目」を見るセンスがないのであれば、コメントなどしない方が無難なのだ。
繰り返しになるが、北朝鮮こそ、鉱物資源の宝庫なのである。ロシアの極東地域における資源開発も確かに重要だが、自分の家の中にごちそうがあり、それに客人が大勢寄ってきている時に、誰が好き好んで外食しようと考えるだろうか。そうである以上、北朝鮮はそんなカードを切られたところで、大事な対日カード「拉致問題」をみすみす捨てることなどありえないだろう。
また、ロシア自身、もっとも関心があるのが北朝鮮とのウラン濃縮ビジネスである。ロシアは周辺国と共同で、ウラン濃縮センターを設置し、そこで「合法的」なウラン濃縮を行うことにより、米国の民主党系人脈が盛んに喧伝しつつある「環境問題(気候変動)」とその対処としての「非代替エネルギー」への転換、すなわち原子力エネルギーの大規模な導入という新たな「潮目」の中で優位を確保しようとしているのだ。当然、北朝鮮もこのことを知っており、国内に豊富に存在するウラン鉱脈をカードに、ロシアとディールをしてきたとの報道を佐藤優氏はご存知ないのであろうか?
いずれにせよ、北朝鮮との関係でロシア・カードなど現段階で意味は無い。むしろ、前回の六カ国協議の最中、「封じ込め」に気付き、苦境に陥る日本代表団に対し、ロシア側が拉致問題に関するサポートをささやいてきた背景には、それによって全く別の「大きな魚」を釣ろうとする、大国ロシアならではの計算があったと見るべきだろう。ここで変にロシアに貸しをつくってしまっては、領土問題という最重要課題をロシアとの間で抱えている日本にとって本来都合が悪いはずである。しかし、逆にいえばそうなることはロシアにとって、日本に頭を下げさせる絶好のチャンスとなるというわけなのだ。
また、日本がロシアとの(意味の無い)「共闘体制」を築くことで、さらに強硬姿勢を強めれば、結果として日本に対する「封じ込め」の締め付けがさらに強くなっていくことになる。これが、日本の頭越しに北朝鮮との接近をはかってきた米国にとっても望ましい状況であることはいうまでもない。
つまり、この場に及んで、「ロシア・カード」を喧伝することは、日本のためには全くならないのである。それなのに、なぜ、殊更このカードの「有効性」を強調するのか。―――ロシアと米国との間でうまく綱渡りし、結果として祖国を省みない、典型的な「器用に生きる戦後日本人」の原像がそこにある。
さて、それでは麻生外務大臣はなぜ、あえて北朝鮮の文脈において「ロシア」を取り上げたのであろうか。彼もまた、「器用に生きる戦後日本人」の一人に過ぎないのか。
しかし、ここで麻生大臣がすでに「ポスト安倍の時代」に向けて走り始めており、外務省の中にいるネットワークまで動員して、「すわ、鎌倉」の日に向けた準備を進めているとの情報を踏まえなければならないだろう。
つまり、こういうことだ。
麻生大臣にとって、安倍政権の任期中に拉致問題を含む日朝関係をめぐる諸問題が解決してしまうことは、安倍政権の「延命」につながることであり、必ずしも望ましくはないのである。純粋に考えれば、「次の総理」を狙う男としては、国民の絶大な支持を得られる材料は、自分のために、そして後に残しておくはずだ。だからこそ、「拉致問題が一番最後になり得るというのは、最初からそのような感じはしている」(3月15日・参議院外交防衛委員会における麻生大臣答弁)ということになるわけである。
今、日本の政界の中でもっとも広範囲で、かつ機動力のある情報ネットワークを持っているのは麻生外務大臣である。彼が持つ情報ネットワークは、戦前から続く旧財閥系の企業のきわめて深いところにまで至り、また、その勢力が現在、安倍政権を真綿で首を絞めるかのように苦しめているとも聞く。
米国との関係では「民主党寄り」とも言われる麻生外務大臣が、米国が今後描く「北朝鮮シナリオ」について知らぬわけはなく、またそれを理解する能力がないわけがないだろう。それでもあえて、「ロシア・カード」などという「ご乱心」を演ずるのは、自らが5月にポーランドと共にロシアを訪問することに向けたリップサービスであると共に、内政上の巧みな計算に基づくものというべきなのだろう。
最大の焦点は「よど号事件」犯人の取り扱いにある
それでは、19日より始まる六カ国協議においては、一体どのような論点が浮上し、また、どういった進展に注意しなければならないのだろうか。
現段階の情報に基づく限り、次の3つに焦点は絞られているといえるだろう。
第一に、2002年から突如として再び始まった「北朝鮮の核問題」の根源であるウラン濃縮について、北朝鮮が事実関係を認め、なんらかの是正措置をとることで、米国が相応な「見返り措置」を行うことに合意できるかがポイントである。前回の六カ国協議における合意では、北朝鮮側が行うべき措置は第1段階と第2段階に分かれ、特に早急に行われるべき前者の措置の中に、事の発端であるはずの「ウラン濃縮問題」は含まれていなかった。この点が、米国国内、さらには関係国間で事後的に物議を醸した経緯がある。
「ウラン濃縮」について、北朝鮮はこれまで表向き一貫して計画の存在すら否定し、米国と対立してきた。しかし、ブッシュ政権としては、再処理施設の閉鎖などを超えて、もう一つの核爆弾製造法である「ウラン濃縮」についても、なんらかの問題解決に至ったと説明できなければ、面目が立たない。
18日現在、すでに始まっている六カ国協議の下部会合である「作業部会」において、この問題についてあらためて議論することを米国が提起したとの報道がある。実は3月8日に実施された米朝協議において北朝鮮側から譲歩ともとれるがあったとの報道もあるのだ。
実は、90年代前半の「核危機」に際しても、同じようにウラン濃縮が問題視されたことがあり、最終的には米国が北朝鮮に対して査察を行い、がらんどうの洞窟を見ただけで「査察終了」としたという経緯がある。仮に、米朝が鉱物資源開発とそのためのエネルギー利権について、同様に関心を持つ欧州勢(とりわけ、英国、ドイツ)も交えつつ、「談合」を成立させていたとすれば、今回も同様の「田舎芝居」を私たちは近い将来、見させられる可能性がある。
第二に、中国の出方である。これまで、「ホスト国」として六カ国協議をリードしてきた中国が、実はここにきて米国によってもコントロールできないほどの「想定外」の行動を総じて繰り返し始めたとの情報がある。それは、個別に北朝鮮問題についてというよりも、世界の「マネジャー国家」である米国と共に「サブ・マネジャー国家」として行っている共同統治の全般においてそうであるのだという。そして、現在、本来であればもっと早々に収まっているはずの「潮目」がいつまでたっても動き続け、いわばスティールメイト(引き分け)状態にとどまっている背景には、シナリオを守ろうとしない得意げな中国の姿があるというのである(つい先日、米国の心臓部の一翼を担う人脈より、「いい加減、中国に『想定外』の行動はやめてもらいたいといって欲しい」と、冗談めかしていわれたほどだ)。
全人代も無事に終わり、金利引き上げに踏み切り、それを通じて東アジア全体の為替レートの大変動へと舵を切った中国が、この場に及んで、六カ国協議をさらに「我が物」としないはずがない。もっとも、米国が書き上げ、積み上げてきた全体のシナリオを崩すというのであれば、米国が黙っているはずもないだろう。北朝鮮としては、左団扇で大国の喧嘩を見守り、自らは動こうとしない可能性すらある。現段階で出方が不鮮明な中国が、どこで方向転換の一手を差してくるのかはいまだ不明であるが、米朝にだけ気をとられるのではなく、中国にこそ牽制の目を向けなければならない。
第三に、米朝関係の進展は、「よど号事件」の処理をめぐって、日朝関係に多大な影響を与えるということだ。大手メディアは、今のところ全くこの点についてあえて触れた形での報道をしていないが、彼らの主たる関心はここにある。
今から37年も前の1970年に発生した「よど号事件」がなぜ、日朝関係の今に関係があるのかというと、一方において「よど号事件」の犯人の妻たちが欧州からの日本人拉致問題に深く関与しており、他方で国際テロ事件を連続して引き起こした赤軍派に属する「よど号事件」の犯人たちをかくまっていることを理由に、米国は北朝鮮を「テロ支援国家」に指定し、長年にわたって経済制裁を課してきたからである。つまり、「よど号事件」を結節点として、日・朝・米はつながっているのである。
北朝鮮によるかねてからの主張であり、また今回の六カ国協議においても重ねて強く行われるであろう要求は、米国による「テロ支援国家」指定の解除だ。その背景には、すでに述べたとおり、これが理由で米国国内立法により北朝鮮に対して経済制裁が行われ、さらには現在のいわゆる「金融制裁」にいたる流れがつくられたという事情がある。すでに北朝鮮による鉱物資源開発をめぐるファンドは、ロンドン・マーケットで設定されているが(関連報道はこちら)、北朝鮮としてはさらに盛大にやりたいはずだ。そのためには、世界最大の金融市場であるNY市場を使わせてもらう必要がある。したがって、いうまでもなく米国による金融・経済マーケット面での方針転換が不可欠となってくるというわけである。
仮に米国が北朝鮮と共に描いたシナリオにそって、その方向に動くならば、まず最初に「テロ支援国家」指定を解除するはずだ。しかし、そのことは文字通り、北朝鮮は「テロ支援国家」ではもはやないということを前提としなければならない。したがって、「テロ支援国家」指定をした理由の一つ一つについて、北朝鮮側が態度をあらためているかどうかがカギとなってくるのだ。
すると、その一つとして、「よど号事件」犯人たちの取り扱いが問題となってくる。北朝鮮としては、経緯はどうであれ、「よど号事件」犯人を日本に返してしまえば「解決した」と米国に説明できる。ましてや、北朝鮮としては、「日本人拉致の一部は、そもそも『よど号事件』犯人という日本人自身も関与して行ったものである。したがって、日本が一方的に拉致問題を責め立てるのはおかしい」といった主張を、こうした「犯人の日本帰国」を通じて発表する機会を得ることになるので、一石二鳥である。具体的には、「拉致への関与を対外公表すること」を大前提として帰国を許可することを、「よど号事件」犯人に厳命すれば良い。あとは、帰国後、徹底した捜査を行う中で、こうしたメッセージが日本のメディアに流されていくことであろう。
さらに厄介なのが、「テロ支援国家」指定からの解除、その上での経済関係の発展について、米国が明らかに北朝鮮と握っているという現状である。つまり、米国も「よど号事件」犯人の帰国には重大な関心をもっているはずなのだ。なぜなら、このトゲがとれれば、一気に米朝関係は経済面で正常化していくからである。しかも、「よど号事件」犯人という流れ玉を押し付けられた日本はというと、当面の間、そのことで大騒ぎとなり、日朝国交正常化どころではなくなるであろう。つまり、さらに日本は「封じ込め」られる。米国にとっても、「よど号事件」犯人の帰国は、一石二鳥なのである。
19日から始まる六カ国協議は、歴史的な国際会議となることであろう。
そこで、日本外交がたくみに立ち回る可能性は、現状を見る限り、限りなく薄い。
しかし、「事実は事実」である。
お上がどうであれ、個人としての日本人である私たちは、次のフェーズで何が生じるのかを冷静に分析し、歩んでいかなければならないのである。
個人投資家であれば、なおのこと、そうである。
「進むべき道はない。しかし、進まなければならない。」(アンドレイ・タルコフスキー)
2007年3月18日 原田武夫記す
[新世紀人コメント]
私が口出しは水を差す可能性すらある優れた論文であるが、
関連する事柄を若干、述べておきたい。
ポスト安倍として、やはり麻生の可能性は高いだろう。
麻生総理の誕生の時、安倍政権は「拉致問題を解決できなかった首相」として退く可能性が考えられる。よど号犯人達の帰国が実現し、拉致問題について日本側の関与が語られる事になれば、一方的に北朝鮮側の責任追及をしてきた安倍政権の終了のイメージを国民は承認するだろう。となれば、日本からの公然とした北朝鮮支援を引出す事が出来る事になる。それまでも秘密に前払いさせる可能性はあるのではないか。
参院選結果は混乱を招くであろうから、その時点で安倍政権は息切れ・失速となるかもしれない。
現時点での従軍慰安婦問題は、安倍政権を操る「手綱」の役割を果たしていると考えられる。即ち、安倍政権を脅す道具でもあり、勢いつかせる道具でもあるわけだ。北朝鮮攻撃の政治姿勢を控えなければならなくなるし、不当な干渉として右派国民の激情により政権は支えられる事になるのである。
関連して気がかりなのは、東京都知事選である。安倍政権が交替となれば、石原知事よりも開けた人物が知事として望ましくなるだろう。
石原慎太郎が続投となれば、途中で健康的にも躓く可能性がある。その時点で新たに候補者を探すのであれば、現時点で手を打っておいた方が良いという事になるのではないのか。それが気がかりな処である。対決姿勢の希薄な選挙になりそうなのはこの辺りに何らかの理由が潜んでいるのかもしれない。
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