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われわれは東京都知事選において浅野氏への投票を呼びかけ、そのための運動に参加する【週刊かけはし】
http://www.asyura2.com/07/senkyo32/msg/155.html
投稿者 ダイナモ 日時 2007 年 3 月 17 日 18:30:47: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.jrcl.net/web/p01b.html

 第4インター・新時代社の都知事選に対する態度表明です。私は全面的に賛成します。


労働者・市民の運動で政治を変えよう
極右国家主義と差別に対決する共同を

石原の反動政治にNO!

 四月統一地方選が目前に迫り、四月八日投票の十三都県知事選候補予定者もようやく出そろってきた。その最大の焦点が東京都知事選であることは衆目の一致するところである。三選をめざす石原都政は、今日の安倍政権が指向する極右国家主義・改憲の反動政治のトップランナーだからである。
 一九九九年に首都・東京の知事に選出された石原慎太郎は、「米占領軍によって押しつけられた憲法」を「廃棄」することを公然と主張してきた。石原都政の下で、東京都教育委員会は、全国に突出して卒・入学式で「日の丸・君が代」を強制し、起立・斉唱を拒否してきた教員を大量処分する先頭に立った。そして、中国人など「不法滞在」外国人を「第三国人」と規定し、「災害時には大規模な騒擾を起こして首都の治安を脅かす」存在だと煽り、自衛隊の「治安出動」を促す宣伝を行ってきた。
 石原の中国人や在日コリアンへの排外主義的煽動は、重度障がい者への「人格はあるのかね」発言や、「生殖能力を失った女性は人類にとって最大の災厄」という「ババァ」発言の差別主義と表裏一体のものだった。彼はまた「ジェンダー・フリーバッシング」の先頭に立ってもいた。
 石原都政は、老人福祉手当て、老人医療費助成、シルバーパスなどの福祉予算を切り捨て、公立病院などの公共サービス民営化を推進する典型的な新自由主義的政策によって住民の生活を破壊するとともに、赤字まみれの臨海開発をはじめとする資本のための巨大インフラ投資に年間一兆円にものぼる巨額の予算をつぎ込んできた。その集大成が二〇一六年の東京オリンピック招致である。東京オリンピック招致は、石原にとって「日本の国威発揚」の手段であるとともに、八兆五千億円もの巨費を使って資本のための大規模開発を促すしろものである。
 さらにまた、浜渦副知事など側近を登用した強権的恐怖政治がある。この間の共産党が明らかにした資料では、石原知事が常識をはるかに超えた巨額の公費(税金)を使った豪華な海外旅行を繰り返し、画家の息子を重用する「身内人事」を行ってきたことが暴露された。石原の傲慢で居丈高な態度に追従してきたメディアの中からも、ようやく及び腰の批判が始まった。
 今こそ石原の都知事三選を阻止し、政治の流れ全体を反転させる時である。

悲鳴にも似た市民の訴え

 都議会で「自治市民」の福士敬子都議とともに一貫した野党として石原都政に対決してきた共産党は、いち早く元足立区長の吉田万三氏を都知事候補予定者として擁立し、精力的なキャンペーンを繰り広げてきた。われわれは共産党と吉田氏の訴えが、石原都知事を追い詰める上で大きな役割を果たしてきたことを評価する。
 一方、市民の側も一昨年以来、石原に代わる都知事候補を擁立すべくさまざまな運動を繰り広げてきた。しかし市民運動が、政党を動かして反石原の共同候補を作りだすだけの力を持つことができなかったことも現実だった。この点で最大の責任は民主党にある。国政では最大野党でありながら、都議会では事実上の石原与党であり、土屋など極右の石原取り巻き集団を形成する都議を抱えた民主党は、一貫して石原に代わる候補者を擁立することに消極的だった。
 しかし、三月六日、「浅野史郎さんのハートに火をつける会」などの市民からの熱烈な要請を受けて前宮城県知事の浅野史郎氏が都知事選への出馬を正式に表明したことにより、都知事選をめぐる政治攻防は大きく様相を変えた。浅野氏は「出馬表明にあたって」という文書の中で、「今回の都知事選挙に立候補することを決意した最も大きな要員は、東京だけでなく、全国各地の人たちから寄せられた『石原都政はもうたくさん』という悲鳴にも似た声です。社会的弱者に対する差別発言、都政の私物化、公私混同、側近政治、恐怖政治のような教育現場など、石原都政がもたらした数々の問題点を指摘しながら、その変革を必死になって願うメールや意見に接するうちに、誰かがこういった都政を変革するために立ち上がらなければならないと思うようになりました」と述べている。
 浅野氏は三月六日の記者会見で「自分は『日の丸・君が代』は好きだが」と留保を付けながら「強制したり、処分したりすることはしない」と明言した。また「出馬表明」文書の中でも「オリンピック招致」についても、「商業主義が際立っている側面が批判されつつあるなど、オリンピック開催の意義が世界レベルでも見直されつつある」として、「いったん立ち止まり、基本に立ち返って考え直すべき」としている。
 三月九日に八百人が参加してなかのZERO大ホールで緊急に開催された「浅野さんと都民が東京を語る会」では、障がい者、女性、築地市場の豊洲移転に反対する運動を続けている鮮魚商などから、石原都政を厳しく批判し、市民の願いに沿った政治を浅野氏に期待する熱い要望が次々に語られた。

ここから始めるしかない

 浅野氏は厚生省(当時)出身の官僚であり、三期務めた宮城県知事時代は選挙では「特定の政党の支持を受けない」という立場だったとはいえ、明確に保守政治家であることは間違いない。彼は宮城県知事時代に「情報公開」を推進し、予算の公開をめぐって警察と厳しく対立し、NPOとの関係を重視するなどの「市民派」的姿勢を取っていた。浅野氏が宮城県政で「福祉切り捨て、国保証取り上げ、大型開発のムダ遣い」などの、新自由主義的な路線を踏襲してきたという共産党の批判は、正確ではない、という反論もある。しかし現在の国政の最大争点である憲法問題について口をつぐんでいることも彼の大きな限界である。
 われわれは、この点で浅野氏に幻想を持つことはできない。しかし共産党や吉田氏の言うように「石原と浅野は同じ」で、どちらが「よりまし」だとは言えない、という主張も間違いである。少なくとも「日の丸・君が代」の強制を止めることを浅野氏が明言し、彼が先述の「出馬表明にあたって」文書の中で、「障がい者差別禁止条例」の制定など、社会的弱者との支援・連帯を理念の中心に掲げている点で、石原都政との「違い」は明らかである。
 何よりも、さまざまな社会運動の課題に取り組んできた市民たちが、いま浅野氏に石原打倒の願いを託し、浅野氏に自らの闘いを委ねるのではなく、極右強権主義と排外主義的差別の権化とも言うべき石原三選を現実に阻止することで、政治の流れを変えようと主体的関与を開始していることが重要なのである。
 石原都政に対する最も鮮明な対決軸を打ち出しているのは、共産党と吉田万三氏である。しかしきわめて残念なことではあるが、共産党と吉田氏の先行的キャンペーンは、石原打倒を実現するための労働者・市民の主体的参加と関与を可能とするものではないこともまた事実なのである。
 共産党員の間でも、石原打倒のために吉田万三氏の立候補を取り下げるべきという意見が少なからず存在しているという。われわれは、共産党が独自の主張を取り下げることなく、石原都政打倒のために浅野氏への投票に合流することを期待する。それが政治の変革をめざす労働者・市民の広範な闘いを前進させるための現実的な出発点だと考えるからである。
 われわれは東京都知事選において浅野氏への投票を呼びかけ、そのための運動に参加する。同時にわれわれは、改憲・戦争国家化に反対し、福祉切り捨てと絶対的貧困を拡大する新自由主義との闘いを、この中で、さらに拡大していこうとする。浅野氏の支援のために動いている多くの市民も、その問題意識は基本的に同じであるとわれわれは確信している。
 今日の労働運動・市民運動の低迷の中から、オルタナティブでグローバルな「平和・人権・公正・民主主義」をめざす政治の流れを築き上げようとする選択肢は、まず石原三選を阻止する現実の可能性をつかみ取ることにある。
 三月二十二日告示・四月八日投票の東京都知事選において、石原打倒の票を浅野史郎氏へ!
 
(3月13日 平井純一)

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