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2007年04月08日
閑話休題 ブログを書く事に倦んだ時
ブログをはじめてちょうど三ヶ月がたつ。書くことを止めようと思ったことはないが疲れを覚えたことは何度もあった。権力者の悪を批判し続ける事は、同時にまた自らのエネルギーを使い果たす事でもある。知らないうちに心がすさんでくる。人間が卑小になるような気がする。そんな時は心の豊かさを取り戻す努力をする。
どうするか。あてもなく散歩をして木々や草花の息吹を感じる。三匹の犬とたわむれる。雑踏の中に身を置いて行き交う人々の人生を思う。
そして、書きとめておいた好みの文章を読み直してみる。次の文章もその一つだ。太宰治の庶子である大田治子が新聞に書いていた短文である。亡き母の思い出を綴ったものだ。すさんだ心に染みわたってくる。
・・・夏休みが来るといよいよお金がなくなった。毎日恵比寿駅前の家から渋谷の宮益坂の古本屋さんまで、母と本を何冊も抱えて売りに出かけた。行きは車の往来の激しい明治通りを歩き、帰りは少し遠回りして広尾の住宅街をゆっくり歩いて帰った。
古本代の二十円で買ったコッペパンを、途中の神社の境内で食べた。コッペパンを一つ食べるだけの日が続いた。ついに母は私を連れて福祉事務所へ出かけた。母は化学会社の子会社の倉庫会社へ就職が決まった。目黒区清水町(現在の目黒本町付近)にある倉庫会社の食堂で、調理の仕事をすることになったのである。私は毎晩、母を恵比寿駅の改札駅まで忠犬ハチ公のように出迎えに行った。
母がなかなか帰ってこないある晩のこと、泣きべそをかいて部屋に戻ってくると、隣の部屋の長距離トラックの運転手の若い奥さんがコロッケパンをご馳走してくれた。ソースのしみたコロッケがコッペパンに挟まっていた。生まれて初めて食べるコロッケパンはおいしかった。泣きながら夢中で食べた。今でもコロッケパンが大好きである・・・
http://www.amakiblog.com/archives/2007/04/08/#000331
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