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■早坂隆のニッポン三面鏡 〜 自虐主義はほどほどに
今日の注目記事:「『世界に好影響』トップは日本」
先日、評論家の竹村健一氏とこんな話題について話した。
「国際社会の日本に対する眼は、日本人が自分たちで思っている以上にずっと良い。その
ことを日本人は、もっと知っていていい」
それを裏付けるようなある集計結果が発表された。英BBC放送と米メリーランド大学が、世
界27ヵ国の約2万8千人を対称に行った世論調査で、「世界に最も好影響を与えている国」
を聞いた所、日本がカナダと並んで54%で堂々のトップだったのである。以下、EU(53%)、
フランス(50%)といった答えが続いた。一方、「悪影響」との評価が多かったのは、イスラエ
ル(56%)、イラン(54%)、米国(51%)、北朝鮮(48%)の順であった。
日本のマスコミほど日本叩きが好きなのはいない。戦後、日本を覆った悪しき左翼思想の
残骸である。
「日本が世界から孤立する」「アジア各地で日本バッシングが起きている」といった誤った
情報を読者に喚起させるような誌面づくりは、厳しく批判されるべきである。実際には、国
をまとめる軸として「反日」を利用している「御近所さん」の数ヵ国を除き、世界は概ね親日
的である。そのことは先に引用した世論調査でも実証されているし、私がこれまで取材し
てきた50ヵ国近くでの体験を通じて得た実感でもある。
私が以前に二年間ほど暮らしていたルーマニアでは、日本人と言えば「優秀」「頭がいい」
というイメージが強く、しばしば「クルマを修理してほしい」「パソコンを直してくれないか」な
どと頼まれたものである。
「日本は資源の少ない国だが、努力と勤勉さによって世界で二番目に豊かな国となった」
こんな言葉を外国人の口から聞くことは珍しくない。逆に、日本人がこう言っているのを、
私は聞いたことがない。
もちろん、「自慢主義」に陥る必要はないが、「自虐主義」もほどほどにしないと、将来ある
子どもたちは自分の国に嫌悪感を抱くのみである。ジャーナリズムは叩くべき所を叩けば
その機能は十分果たすはずなのだが、何でもかんでも叩こうとするのは、些か歪である。
近年、国内メディアにおいて、日本人論が大きなテーマとして扱われているが、<中略>
このような社会の雰囲気をまた一部国内メディアは「それ危険だぞ」とばかりに「ナショナ
リズムの再興」などと安易にうそぶく。しかし、それはいくら何でも「羹に懲りて膾を吹く」だ。
「ジャーナリズムは権力の監視人」とは確かにその通り。しかし、日本のメディアが自らを
そう語る時、何か冷静さを欠いた「しらじらしさ」を感じるのは、私だけではないはずである。
ジャーナリズムに求められるのは、的確な批判力であって、単なる批判屋としての存在で
はない。大変難しいことであるが、世に鋭く警鐘を鳴らすことと、無闇に不安を掻き立てる
こととは、まったく違うのである。
読者が新聞を育てるという面もある。読者の皆さん、この新聞は大丈夫ですか?
(はやさか・たかし = ルポライター)
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