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選挙は「誰に入れるか」ではなく「どう組織するか」が目的である
2007/4/2 まっぺん
●論争の論点をどこに置くか
ご無沙汰しております。私は「浅野勝手連」の立場から、ネット上で万三さん 支持者の方々と論争をして参りました。また反対意見の投稿も許容する懐の広 さをいいことに、ずうずうしくも万三さんの掲示板にもお邪魔し、自説を披露 してきました。そうした論争の中で論点のズレをずっと感じてきたのですが、 とんびさんへの鈴木さんの反論を読み、そのズレの意味がはっきりしてきたよ うに思いました。万三さん支持者は万三さんの公約の方が優れている事を支持 の理由としています。一部の人は浅野さんを「石原と同等」視しています。一 方、浅野さん支持者には二通りあり、彼のマニフェストを「最高」と評価する 者と、私のように「万三さんの方が優れているが浅野さん支持」という立場の 者とがいます。そもそも論点がズレているのです。このズレは自分を「組織 者」と自覚した時に大きな違いとなって表れるのではないでしょうか。
●世界を変革する主体は民衆
世界を変革する運動の主体は民衆です。民衆が決起しなければ世の中は変わら ない。そして共産主義者の組織=「党」は、その変革にもっとも合理的で説得 力のある方向を示し、運動に力と形を与えるためにあるのではないでしょう か。宣伝、扇動、組織はそのための重要なファクターといえるでしょう。さ て、選挙に臨む態度についてですが、自らを「組織者」として自覚した時、た だ「最も正しい事を主張する」だけで良いのでしょうか? もちろん組織内か ら候補者を立て、自己の主張を宣伝する事は決して否定するべき事ではありま せん。しかし、情勢を充分に分析し、その中から方針を立てる事なしに「正し い主張」をするだけでは民衆の中に分け入っていく事はできません。
●民衆の中から選ばれた候補
今回の場合に照らしていうなら、浅野候補は特定の政党の根回しで選ばれたの ではなく、「民衆の中から選ばれた候補」です。もちろん過去の経歴などから 民主党も出馬要請をしましたし、ますます関係は深まっているようですが、そ れでも、それは「民衆によって選ばれた」事実を否定することにはなりませ ん。ここで「組織者」としての選択が問われます。民衆が選んだ候補をどう扱 うのか。もちろん「民衆が選んだから正しい」とは限りません。あくまでも否 定するべき根拠があるなら断固として拒否する必要があるでしょう。しかし少 なくとも、「組織者」なら、これからの状況の変化の可能性を考える時、ただ 「候補者をどう評価するか」だけではなく、候補者を推しあげて都政に変革を もたらそうとする民衆の能動的意志をどう分析するか、までを考えて判断しな くてはならないのはずです。
●党の判断は民衆に試される
「浅野を選んだ民衆の選択は間違っている」という判断から独自候補路線で行 くのか、それとも、例え「民衆が不充分な候補を選択した」と判断しても、そ の民衆と共に同じ闘いに立ち、そこでより左へと運動を向かわせる努力をする のか。今回の選挙はそのような選択肢を共産党に突きつけたものでした。そし て共産党は前者を選択しました。その判断の結果は、勝敗の如何を問わず選挙 が終わったあとにはっきりするでしょう。浅野擁立に立った民衆は「共産党は 自分たちと一緒に闘ってくれなかった」と思うのでしょうか? それとも「や っぱり浅野はダメだった。共産党の言う事が正しかった」と「真実に目覚めて くれる」のでしょうか。「組織者」としての共産党(中央)の判断の成否がそ こで明らかになるのではないでしょうか。
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