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□都知事選で“無党派層”はどこに行くのか [田中秀征の一言啓上 ]
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/column/shusei/070308_19th/
2007年3月8日
(田中 秀征=福山大学教授)
3月6日、浅野史郎・前宮城県知事が、正式に東京都知事選への出馬を表明。これで3月22日に告示される同知事選の戦いの構図が整った。
名乗りを上げているのは、石原慎太郎・現都知事、吉田万三・元足立区長(共産党推薦)、建築家の黒川紀章氏、それに浅野氏が加わって計4人。他に意外な候補が飛び出す可能性もある。
選挙は自民党が支援する石原氏と、民主党・社民党が支援する浅野氏の一騎打ちとなる公算が強まっている。
当落の鍵を握るのは、ほぼ6割を占めると言われる無党派層の動向だ。果たして“無党派層”はどこに行くのか。
首長選挙の6つのチェック・ポイント
今のところ無党派層には戸惑いがある。先の宮崎県知事選挙のような大きな流れにはなっていない。じっと戦いの様相を見極めようとしているのだろう。
私が選挙、特に首長選挙を観測するとき、いくつかのチェック・ポイントがある。
人物──資質、能力、性格、経歴、知名度など。その人がどんな人か
主張──選挙公約(マニフェスト)、今までの政治的発言、歴史認識など。その人が何を考え、何をしようとしているか
出馬の経緯──自ら手を挙げたのか、推されて出馬するのか。決断の動機は何か
支援体制──主要な支持基盤。中核となる連動組織。要するに、主としてどんな政党や団体が支援活動をしているか
政治状況──現在の内外の政治情勢。一般的に有権者意識の動向
選挙戦の構図──どんな候補がどんな運動を展開しているか
これらのチェック・ポイントは私に固有のものではなく、「無党派層」が投票する候補を決めるときの一般的なチェック・ポイントと言ってもよいだろう。
人物がよい。主張がよい。それだけでは有権者(特に無党派層)は動かない。主張が実現できるかを、出馬の経緯や支援体制を厳しく観察する。「しがらみ」があるかどうかである。そのことが今回の都知事選の帰趨(きすう)を決めるのではないか。
無党派層は“政党隠し”を見破っている
既報の通り、石原氏は自民党の推薦を断り、浅野氏は民主党などの推薦を断った。無党派層に配慮した判断だ。
しかし、無党派層の眼はそんなに甘いものではない。両氏ともに戦略的に“政党隠し”をしていると見ているからだ。無党派層の戸惑いはそこにある。
石原氏と浅野氏が政党から実質的な支援を受けるとすると、無党派層の関心は「その人と政党との力関係」に集中するだろう。その人が、支援を受けた政党からフリーハンドを保てるかどうかである。
その点では石原氏が有利かもしれない。現在の自民党に縛られず「我が道を行く」ことができると受け取られている。浅野氏もその点では甲乙つけがたいのだが、いかんせん石原氏には自民党に対決した数々の実績がある。
浅野氏が勝利する鍵は、無党派層に実質的に足場を築くこと
おそらく選挙戦が佳境となれば、石原陣営の応援弁士として無党派の神様、小泉純一郎前首相が登場する。安倍晋太郎首相の人気が低迷しているときだけに、小泉前首相は多くの人々を集めるに違いない。
そうなれば、浅野陣営も黙ってはいられない。渋谷や新宿に小沢一郎・民主党代表など幹部が連日くり出すことになる。
選挙戦がそんな展開になれば、大きなスキャンダルが出ない限り浅野陣営には勝ち目がなくなるかもしれない。
浅野氏が勝つとしたら、それは、民主党が独自の推薦候補を立てた場合であった。それこそ首都に大きな無党派の波が起きただろう。浅野氏はもちろんそれを承知のはず。だからこそ、出馬決定に至るまで悩みぬいたのだ。これから、与えられた「選挙戦の構図」の中で、見せかけではなく、実質的にも無党派に足場を置く体制を築くことが最大の課題と言ってもよい。
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