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(回答先: 「従軍慰安婦」の定義も判断基準を示さずに、「従軍慰安婦」に当たるか否かを検証してるの?? 投稿者 たけ(tk) 日時 2007 年 3 月 08 日 01:27:21)
□従軍慰安婦問題について考える (基礎・前提) [シコケン 〜思考研磨なブログ〜]
http://blog.so-net.ne.jp/sikoken/2007-02-23
従軍慰安婦問題について考える (基礎・前提) [従軍慰安婦]
現在、米下院外交委員会にて、いわゆる「従軍慰安婦」について日本政府に謝罪を求める決議案が提出されています。先日(2月17日)も韓国、オーストラリア在住の元・従軍慰安婦による公聴会が行われていたようですが、これを機に当ブログでも真剣に従軍慰安婦問題について考えてみようと思います。
参考:元従軍慰安婦が証言 日本政府に謝罪求める 米下院委(北海道新聞)
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20070216&j=0023&k=200702166178
(※写真には「ジャン・ラフ・オハーンさん」とありますが誤り。おそらく、李容洙(イ・ヨンス)さん)
それではまず、「従軍慰安婦」という言葉の意味から見ていきたいと思います。
そもそもこの言葉は後の世の造語で太平洋戦争当時からあった言葉ではなく、当初からあったのは「慰安婦(戦地の将兵を慰安する女性)」という言葉のみです。
広辞苑では、「従軍慰安婦」を「日中戦争太平洋戦争期、日本軍によって将兵の性の対象となることを強いられた女性。多くは強制連行された朝鮮人女性」と記載しており、当ブログでもこの語義で使用したいと思いますが、特に「日本軍によって」という行為の主体と「強制連行」という慰安婦になった経緯の2点について重視したいと思います。また、「日本軍によって」は、軍組織として行ったこととし、個人、もしくは一部集団が独断で行ったことは別問題として捉えたいと思います。なお、2004年に韓国国会で成立した「日帝強占下強制動員被害真相究明等に関する特別法」の条文には「満州事変以降、太平洋戦争に至る時期に日帝により強制動員され、軍人、軍属、労務者、軍慰安婦などの生活を強いられた者が被った生命、身体、財産などの被害を洗い出す」という一節があり、韓国政府も「日帝により」という言葉を使用していて、あくまで日本政府として強制的に行ったことに限定していることが伺えます。
また、論者によっては「従軍慰安婦」という言葉を使用せず、「慰安婦」と言う言葉を「従軍慰安婦」の意味も含めて使用して「慰安婦」そのものに範囲を広げて批判するする者もいますが、これは「従軍慰安婦」の存在を肯定する論者に多いようです。さらに、「挺身隊」=「従軍慰安婦」として使用される場合もありますが、「挺身隊」とは「軍需工場などへ勤労動員された者」のことで全くの別物です。韓国では一般にこの用法が使用されており、「挺身隊」の女性が20万人だったことから「従軍慰安婦」が20万人いたと主張されています。(ただし、韓国政府の公式見解としては「日帝下軍隊慰安婦実態調査 中間報告」に「戦争政策遂行にそってとられた全国民動員措置の一環として動員された”女子勤労挺身隊”と”慰安婦”は基本的に関係がないものである。国民学校勤労挺身隊も”慰安婦”とは無関係なものである」とあり、完全に別物であるとの結論を下しています。)
なお、蛇足ですが、論者によっては「日本軍性奴隷制」と言う言葉を使用する者もいます。論者によって使う言葉もその意味もまちまちで、現在の従軍慰安婦問題においては言葉の意味も範囲も不明確なまま論戦を繰り広げている場合もよく見受けられます。
現在、従軍慰安婦問題については、「従軍慰安婦」の存在そのものを否定する論者と肯定する論者が対立しているわけですが、「慰安婦」の存在自体は誰しも認めています。次に、「慰安婦」がいた「慰安所」がどういうものであったかを見てみたいと思います。
「慰安所」は、下記の目的で作られたもので、多くは民間業者が経営していましたが一部地域においては旧日本軍が直接経営したケースもあり、民間経営の場合も旧日本軍は慰安所の開設許可・施設整備・慰安所規定の作成をするなど、慰安所の経営・管理に直接関与していました。
@強姦事件の防止
A性病対策
B軍人への慰安
C機密が外にもれるのを防ぐ
この「慰安所」にいた慰安婦の人数の特定は名簿が残されていないため困難ですが、陸軍は兵100人に1人と指示していたようで、そこから類推すると海外の兵員は最大350万人ですから、そのまま計算すると3万5千人。交代も考えれば、1.5倍で約5万3千人と推計されます(※これはあくまで単なる目安です)。また、1940年に大本営の研究班が性病罹患について調査を行っており、その資料では、朝鮮人52%、中国人36%、日本人12%の割合となっています。調査対象の全てが慰安婦ではなかったでしょうが、参考として上げておきます。
この「慰安所」商売はかなり儲かったらしく、朝鮮の売春業者などは中国大陸に展開する日本軍のもとに営業に押しかけていたようです(長沢健一(元軍医大尉)「漢口慰安所」図書出版社)。また、戦争末期には、売春業が「戦争やっている非常時に性風俗業など不謹慎だ」と白い目でみられるようになり、日本国内や朝鮮の売春業者が売春婦を引き連れて戦地に赴き、日本軍相手に商売を行うということもあったようです。
今回、「慰安所」について説明をしたのは、元・従軍慰安婦達の証言を読む上で必要な知識になると考えたからです。なお、「従軍慰安婦」については軍本部が強制的に女性を連行して慰安婦にすることを指示する文書等、物的証拠は一切見つかっていません。従軍慰安婦肯定論者は、物的証拠がないのは敗戦時に日本軍が証拠隠滅した為だと主張しており、元・従軍慰安婦の証言のみを根拠としています。しかし、その証言は本人のみのもので、親兄弟、近隣住人等の裏づけ調査も行われていないものです。(※この裏づけ調査については浅学の私が知らないだけかも知れません)
次回は、「従軍慰安婦」の根拠となっている元・従軍慰安婦達の証言を具体的に検証していきたいと思います。
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