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4月から各地で続発するはずの医療崩壊。3月1日の事件はその先駆けでしたが、メディアは極小の扱いでやり過ごしたままです。選挙で医療崩壊が争点化するのを何とか回避したい勢力による報道規制圧力がかかっているのでしょうか。
この事件も、外科とICUの間での治療方針をめぐる確執など、瑣末なことが原因であるかのように問題点をずらして報道されています。しかし、労働基準法違反の低賃金長時間労働を強要され、ICUで中核を担っていた本邦トップクラスの2人の医師が「 燃え尽き 」たことが、この事件の本質です。
労働行政を正しく執行せねばならないはずの厚生労働省のお膝元、厚生労働省本省の医系技官からの出向組が運営局長などの主要ポストを占める病院で、長年に渡って、白昼堂々と、悪質な労働法令違反が行われていた点こそが、日本の医療労働行政の巨大な矛盾を凝縮して表しているともいえるでしょう。
この事件に関係した病院管理職はいずれも国家公務員ですから、国会に喚問することも困難ではありません。これほど明白で過激な労働法規違反をなぜ見逃し続けたのか、今後も見逃し続けるつもりなのか、ぜひ国会の場で追求してください。 > 枝野様
厚生労働省ご自慢の国立高度専門医療センターの各組織
* 国立がんセンター(中央病院:東京都中央区、東病院:千葉県柏市)
* 国立循環器病センター(大阪府吹田市)
http://www.ncvc.go.jp/index.html
http://www.ncvc.go.jp/orgj.html
* 国立精神・神経センター(武蔵病院:東京都小平市、国府台病院:千葉県市川市)
* 国立国際医療センター(東京都新宿区)
* 国立成育医療センター(東京都世田谷区)
* 国立長寿医療センター(愛知県大府市)
--OhmyNewsより-------------------------------------------------------------------
http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000005754
ICUの医師が集団離職・国立循環器病センター
医療批判では解決しない過酷な現実
記者名栫井 雄一郎 2007-03-07 08:08
近畿地区の救命救急医療の拠点の一つ、大阪府吹田市の国立循環器病センターで、外科系集中治療科(ICU)専属医師7人のうち5人が、この3月末に一度に退職する予定であることが先日明らかになりました。指導的立場にあった2人の医師を含むとのことです。
同センターのICUとは、昨年8月、奈良県大淀町の病院で分娩中に意識不明となった妊婦が19病院に相次ぎ搬入を断られて死亡する、という事故があったときにも最終的に運ばれたところです。近畿地区の医療提供体制になくてはならない基幹病院です。
同センターは1977年に設立。「東の国立がんセンター、西の国立循環器病センター」といわれ、心臓移植など循環器病治療では世界でもトップクラスの先進病院です。ICUとしては20床を保有。心臓移植などの心血管外科手術を受けた患者の術後管理を始め、重篤な患者を年間1000人以上受け入れています。
ICUは、緊急で、長時間の処置を施す部門です。にもかかわらず、わずか数人の医師しかいない現体制では、夜間勤務の前後に休みを取るわけにもいかず、連続長時間の緊迫した労働を続けざるを得ませんでした。このことが、今回の集団離職の隠された大きな理由と思われます。
現在、日本のほとんどすべての医療機関では、医師が宿直明けでも連続して勤務するのが一般的です。しかしICUなどの超多忙な部署では、疲労などから医療事故が起こりやすい状況にあり、改善が求められています。
最近では、医療訴訟が急増し、患者や家族への説明や提出書類が増加し、間接業務の負担が膨らんでいます。このため、ICUのように、生死に直接関わるような部門を希望する医師が急速に減っています。本来、ICUのような過酷な深夜勤務があるような職場では、当然、交代勤務にすべきです。けれども、日本の今の医療現場ではそれがますます不可能になってきているのです。
現実的に、他の地域においても、地域救急医療の中心となるべきICUで離職者が相次いでいます。同センターのICUにふさわしい高度な技術を持ち、指導的業務をこなせるような医師は見つからないのではないかとさえいわれています。
最近、医師の世界では「サボタージュ」という言葉がはやっており、医療以外の世界に生きがいを見出す医師も増えています。国民にとって、なくてはならない部門については、国や国民が積極的に援助するような方向で改善策を検討していただきたいものです。
現在の日本社会で医療を語る上で最大の問題は、正確な医療情報が国民に共有されていないことです。情報化社会とは、正しい情報の共有が基本です。誤った情報に基づいて(正確に)判断したら、結果は必ず誤ったものになります。
お産においても救急医療においても、医療ミスがなくても患者さんが不幸にして亡くなられることはあるのです。患者さんや社会がこの事実を認めたうえで、判断していただかなければ、お産や救急医療に取り組む医師は今後も急速に減っていくことでしょう。
ぜひこのことを広くわかっていただきたいと願っています。
【編集部注】記者は医師です。
©2007 OhmyNews
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