★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK31 > 756.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
2007.3.6(その1)
森田実の言わねばならぬ[96]
平和・自立・調和の日本をつくるために【73】
従軍慰安婦問題をめぐる安倍首相発言の支離滅裂と傲慢
――野党は安倍首相を徹底追及せよ
「争気ある者とは、与(とも)に弁ずる勿れ」(荀子)
[やたらに人と争う者とは、事の是非を語り合うことはしないほうがいい」
--------------------------------------------------------------------------------
安倍首相の最近の発言は異常である。とくに従軍慰安婦問題に関する発言はひどい。3月5日付朝日新聞夕刊2面に3月5日の参院予算委員会における安倍首相の答弁要旨が掲載されているので、まず、それを引用する。
《河野談話は基本的に継承している。狭義の意味で強制性を裏付ける証言はなかった。いわば官憲が家に押し入って連れて行くという強制性はなかったということだ。そもそもこの問題の発端は朝日新聞だったと思うが、吉田清治という人が慰安婦狩りをしたという証言をしたが、全くのでっちあげだったことが後にわかった。慰安婦狩りのようなことがあったことを証明する証言はないということだ。
国会の場でこういう議論を延々とするのが生産的とは思わないが、当時の経済状況もあり、進んでそういう道に進もうと思った方はおそらくおられなかったと思う。間に入った業者が事実上強制したこともあった。そういう意味で広義の解釈で強制性があったということではないか。
米国で決議が話題になっているが、事実誤認があるというのが私どもの立場だ。決議があったからといって、我々が謝罪するということはない。決議案は客観的事実に基づいておらず、日本政府のこれまでの対応も踏まえていない。米議会内の一部議員の動きを受けて、引き続き我が国の立場の理解をえるための努力を行っている。下院は判断していない。まだ案でしかない。》
安倍内閣としては河野談話(従軍慰安婦について日本軍当局の関与と「強制性」を認めた河野洋平官房長官〈宮沢内閣〉の談話)を受け継いでいると言いながら、安倍首相は「狭義の意味で強制性を裏付ける証言はなかった」と否定的トーンの発言を繰り返していた。発言に乱れがある。
安倍首相は、首相に就任する以前は河野談話を公然と非難していた。しかし、首相に就任すると一転して河野談話を認めた。この安部首相の“転向”に対し従来の安倍支持派(=右翼)から強い不満が出ている。
安倍首相は、いったん河野談話を認めてしまったため、これを変更するわけにはいかない。しかし、安倍氏個人の考えは「河野談話認めず」である。本音と建て前とが正反対なのである。大きな矛盾である。
安倍首相は政府としては河野談話を継承しながら、個人意見としては「強制性はなかった」との個人意見を繰り返している。「内閣としては認めるが、個人としては認めない」との公私の使い分けをしているである。
だが、日本国を司る内閣総理大臣たる者、このような使い分けや“詭弁”を行ってはならない。そもそも、政治家は二重人格的な言動を決して行ってはならないのである。
安倍首相は戦争を知らない。戦時中に何が起きたかも知らない。安倍氏は第二次世界大戦期の歴史について無知である。おそらく安倍氏は戦前の歴史について何も学ばなかった野ではないか。
正しい歴史認識をもてば過去の歴史に対して謙虚になるものだが、無知は傲慢を招く。第二次世界大戦を知らない安倍氏は傲慢である。安倍首相が、従軍慰安婦問題に関し強制性の有無の判定役になろうとするのは、あまりに傲慢すぎる。「身の程知らず」と言わねばならぬ。
安倍首相は軽率すぎる。首相の無知にもとづく軽率な発言によって、日韓関係に波風が立っている。日米関係にも波紋が広がっている。
安倍首相はどうかしているのではないか。乱れがひどすぎる。安倍内閣として河野談話を継承するというその一方で、「狭義」と「広義」をもちだしてこれをあたかも否定するごとき発言を国会の場で行うというのは、どうみても常軌を逸している。
安倍首相は、内閣支持率の低落が止まらないなか、“安倍色”を押し出すことによって支持率回復を狙っているのかもしれないが、今回の参院予算委における安倍発言は同氏の本質を浮き彫りにさせた。
民主党をはじめとする野党は、今国会でこの安倍首相の歴史認識を徹底追及しなければならない。もしも安倍発言を見逃し責任追及ができなかった場合、野党はその存在価値を国民から疑われることになるだろう。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C03210.HTML
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK31掲示板
フォローアップ: