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一枚の写真ー米兵の誤射で両親を殺されて泣き叫ぶ少女【天木直人・日本の動きを伝えたい】3/6
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投稿者 天木ファン 日時 2007 年 3 月 06 日 10:45:52: 2nLReFHhGZ7P6
 

2007年03月06日

一枚の写真ー米兵の誤射で両親を殺されて泣き叫ぶ少女
      

   3月6日の毎日新聞に小さな記事を見つけて嬉しくなった。そして悲しくなった。あの時の悲しさと怒りを二年ぶりに思い出した。
   毎日新聞のその記事は、国際フォトジャーナリズム大賞の第一位に米国写真家クリス・ホンドロス氏(36)の写真「在イラク米軍夜間パトロールの惨劇」が選ばれた事を、その写真とともに報じていた。
   残念ながら私は写真をブログに転載する技術を持ち合わせていない。この写真は05年1月に、イラクのアルアファルでパトロール中の米兵に両親を誤射されて泣き叫ぶ一人の少女の絶望的な表情をとらえている写真だ。暗闇のなかで泣き叫ぶ少女のまわりだけが照明に照らされて明るい。血まみれの少女の側には暗闇の中で立っている米兵の大きなブーツと機関銃が明かりに照らされている。そういう写真である。
   私がこの写真を始めて目にしたのは、JR駅構内の売店で購入したニューズウィークを読んだ時だった。その時の悲しみと怒りを私は05年1月の私のブログで次のように書いたものだ。少し長くなるがここに引用させていただきたい。

・・・・05年1月30日―メデアを読む

      どこまで殺せば気が済むのか

 日曜日(30日)の夕暮れどき、東京へ向かう横浜駅の構内でニューズウィーク日本版(2月2日号)を買い求めて列車のなかでパラパラトと頁をめくった。最後のほうにさしかかったところで手が止まった。目が釘付けになったのだ。暗闇のなかで明かりに浮かんだ幼い女の子がしゃがみ込んで泣いている。大きな口をあけて大声で(もちろんその声は紙面からは聞こえてこないのだが)泣いている。あたりは血だらけで、その女の子の手や顔は血にまみれている。隣には米軍兵と思われる男のブーツが映っている。
 「突然の悪夢」と題された短い写真説明にはこう書いてある。
  1月18日、イラク北部のタルアファル。パトロール中の米兵の銃撃を受けて父親と母親が殺され、泣き叫ぶ少女。
  その記事はこう書かれていた・・・国民議会選挙を前に緊迫度を増すイラク・・・夕暮れが近づいた時、1台の車が走ってきた。米兵はいつものように車内を調べるために手振りで車を停止させようとした。車が止まらなかったため、米兵は威嚇射撃をした。車はそれでも止まらなかった。数秒後、米兵が車に銃弾を浴びせかけた。車はそのまま交差点に突っ込んだ後、ようやく止まった。米兵が近づくと、車内からは子供の泣き叫ぶ声が聞こえてきた。後部座席に5人の子供が乗っており、運転していた父親と、助手席にいた母親は息絶えていた。車から連れ出された少女は「なぜ私たちを撃ったの?武器は持っていないのに!ただ家に帰る途中だったのに!」と泣き叫んだ・・・
 私はもう一度写真を見つめた。少女の血まみれになった泣き顔を凝視した。涙がとどめなく流れてきた。人目をはばからず泣いた。なぜこんなことが許されるのか。イラクの国民議会選挙を成功させる事がこの子の涙より重要とでもいうのか。
 学生の頃、ドフトエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」を読んで感動した場面を思い出した。主人公のアリョーシャに向かって兄のイワンが次のように述べるくだりである。・・・もし未来の永遠の調和のために、この子供の苦しみが必要であるとするならば、自分はそんな高い入場料を払わねばならぬ未来社会への入場券は突っ返すだろう。幼い受難者のいわれなき血の上に築かれた幸福など、自分は絶対に受け入れることができない。自分は喜んで神を認めるし、神が世界を造ったことも認めるが、罪なき者がいわれなく苦しむ不合理に満ちた、神の造ったこの世界だけは絶対に容認する事が出来ない・・・
 ブッシュのイラク占領を憎む気持ちを今ほど強く感じたことは無い。この写真をブッシュの娘に見せてやりたい。二期目の大統領就任式の前夜、数名のボデーガードを引き連れて一晩で40万円も使って飲み明かし、就任式に大あくびをしていたブッシュの娘に、一瞬にして両親を奪われ、一人ぼっちで残された幼い命の悲しさと悔しさを見せてやりたいのだ・・・・・・

 あれから二年以上もたったのだ。イラク情勢はさらに悪化している。そのあいだにもどれだけの犠牲者がうまれていったことか。
 私はあの時イラク戦争に大声をあげて反対してよかったとつくづく思う。おかげで私は平和主義者になることができた。戦争に反対する強い意見を持てるようになった。誰がなんと言おうとあの戦争は間違いであった。そして、その米国と軍事同盟を強化する日本はどう考えても誤った道を突き進んでいる。日本の指導者や官僚、学者、財界などがどのような理屈をならべたてようと、米国と協力して戦争国家に進もうとしている日本をなんとしてでも食い止めなければならない。この当たり前の事を私は叫び続ける。この一枚の写真が私を誰にも負けない勇者にしてくれたのだ。


http://www.amakiblog.com/archives/2007/03/06/#000286

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