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http://www.zakzak.co.jp/top/2007_02/t2007022824.html
東京・南青山の土地取引に関する国会質問をやめるよう脅迫された国民新党の糸川正晃衆院議員(32)。警視庁と福井県警が暴力行為等処罰法違反(共同脅迫)容疑で関係者2人を逮捕したが、事件の全容解明はまさにこれから。当選1回にしていきなり刑事事件に巻き込まれた糸川氏を直撃した。
糸川氏は永田町で“質問王”とも呼ばれている。なんと昨年の通常国会では86回質問に立ち、33年ぶりに質問回数の最高記録を塗り替えた。その糸川氏が衆院予算委員会で南青山の土地取引について質問したのは、昨年2月14日のこと。都市再生機構が進めていた土地整理事業をめぐり取引の不透明さを指摘した。
そして、事件は3月3日夜、地元・福井市内のスナックで起きた。糸川氏は当時の様子をこう振り返る。
「スナックの外には、黒塗りの車が4台止まっていて、車両のドアの外に1人ずつ暴力団員風の男が立っていました。スナックに入って思ったのは、その筋の方が多いなと。店内には十数人…ほかのグループも含めると30人ぐらいいました。恐怖というより、身の危険というより、ここにいたらやばいなと思いました。(逮捕された)容疑者から『まだやるのか』と聞かれたから、『今のところ材料がないからやらない』と答えたんです」
糸川氏がスナックにいたのは約10分間。
「だれが言ったのか断定できませんが、『この件で質問があると、東京の仲間はカネをいっぱい入れているから許さないよ。命的にもね』という声が聞こえたんです」
そもそも糸川氏が南青山の土地取引について質問したのは、党からの指示があったため。糸川氏自身に利害関係はない。気になるのは、今後、南青山の件について質問するかどうかだが、糸川氏はやる気満々。
「今すぐにはしませんが、権利関係が動いたときにはせざるを得ません。それまで温めておきます。僕は負けません。僕ならではの質問を今後もどんどんしていきたいです」
さらに、「自分の信義のことを考えるとこの質問をやってよかった。確かに脅迫電話や脅迫状はもちろん、銃弾まで届いたが、それだからひるむということはない。僕が質問したことで物件は止まっているじゃないですか。本当に問題がないなら、動かせばいいじゃないですか」とおじけづく様子は全くない。
こうした中、毎日新聞記者が糸川氏に無断で録音した、取材のやりとりが入ったICレコーダーを社外の人物に渡していたという驚愕の事実が発覚。「(記者とは)信頼関係があったのに…。友達を失った感覚です。信頼していた人に裏切られるという非常に寂しい思いがします」とガックリと肩を落とす。
この事件、どこまで波及するのか。糸川氏が呼ばれたスナックには閣僚経験者2人の秘書が同席していることが捜査当局の調べで判明している。 この事件に詳しい永田町関係者はこう語る。
「元閣僚の秘書は南青山の件ではなく別件で来ていたのではないか。ここのスナックには九頭竜川の河川改修の談合の件で集まったともいわれている。捜査当局も重大な関心をもっている。この事件は根が深いよ」
政治家秘書、暴力団、建設業者が一堂に集まったスナックでは、一体何が話し合われていたのか…。事件はすでに次の展開を見せ始めている。
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