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畏(おそ)れ多いことながら、仁徳天皇の<高き屋に登りて見れば煙立つ…>の歌を見ると、いつも火の見やぐらを連想する
▼茨城県や栃木県内で半鐘泥棒が頻発、世界的な金属不足につけこみ、つぶせば一個数十万円にもなる銅材にしてひと儲(もう)けをたくらんだらしい。歌は<…民の竈(かまど)はにぎはひにけり>と続き、もちろん火事を心配したのではない
▼天皇はある日、高殿から見た奈良・春日野の村々から煙が立っていないのは、租税が重くて民の暮らしが立ち行かないからだと心を痛める。それで宮殿の雨漏りもそのままに倹約に努めた結果、再び家々から炊煙が立ち上るようになる。その喜びを詠んだものだ
▼二十三日の衆院予算委は雇用、労働問題の集中審議。民主党の原口一博委員がこの為政者の心構え「民の竈に煙は上がっているか」を引いて、安倍晋三首相に迫った。先月の衆院本会議代表質問で小沢一郎代表がこの「民の竈」の故事を引いたのにならったものだ
▼同僚の枝野幸男委員も、空前の利益を上げる大手企業が、役員報酬は増やしても従業員の給与には回さない体質を追及、偽装請負や非正規雇用を放置する政府の姿勢を鋭く問い質(ただ)した。選挙を前に与野党の対立軸がはっきりして、国会論戦が白熱するのは有権者のためにも喜ばしい
▼このケータイ時代だから、半鐘がすでに緊急通報の役割を終えているとはいえ、村の中心にある火の見やぐらの周辺に人影がなく、大切な半鐘が盗まれても気付かないほど、地方の疲弊が進んでいるということだ。民の竈は不完全燃焼中だ。
筆洗
(2007/2/24)
http://www.tokyo-np.co.jp/hissen/index.shtml
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