| Tweet |
強まる基地なくせの声
岩国市民の声
“愛宕山まで基地にさせぬ”
２００７年２月１２日付
米軍厚木基地からの空母艦載機部隊移転をめぐり、米軍や国と基地撤去を願う市民の激突が続いてきた岩国では、補助金・交付金のカットや巨額の赤字をかかえる愛宕山問題など、安倍政府による力任せの制裁政治に怒りが強まっている。市民のなかでは、米軍に占領されてきた６０年の間、積もり続けた経験が激しく語られ、１歩もひかない空気が渦巻いている。
騙して容認させる仕掛けに憤激
岩国では１年前の３月におこなわれた住民投票で、反対が４万３０００票対、賛成５０００票という大差で圧倒的多数の市民が艦載機部隊移転拒否の意志をしめした。４月におこなわれた市長選でも、反対をかかげた候補が政府・自民党の擁立した候補に圧勝し、秋の市議選でも反対をかかげる候補が多数を占めた。
一方、当初は「地域振興策」などといってきた政府や県は、市民の反対の意志が表示されるにつれ力任せの強権をふるいはじめた。建設中の新市役所への補助金３５億円をうち切ってみたり、「米軍再編への協力度に応じて交付金を支給する」という交付金を岩国市などには出さないと決めるなど、予算面で圧力をかけている。また、岩国基地の沖合移設の土砂取り用に愛宕山をハゲ山にしておいて、最大で５００億円近くにのぼるという赤字を市民、県民にかぶせ、最後は米軍住宅を建設しようとしている。米軍住宅転用問題を巡っては地元自治会が相次いで反対決議をするなど、政府の好き勝手なやり方に市民の怒りは広がり、火に油を注いでいる。
丸ハゲにされた愛宕山がすぐ目の前に広がっている百合ヶ丘団地の８０代の婦人は、「こんな所に米軍住宅をつくるなどもってのほか。米軍基地にも米軍住宅にも市民はみんな反対している。戦後すぐのころ、家の近くでも人殺しがあった。女の子を追いかけ回したりもしょっちゅうで、米軍が好きかってしていた状況を経験してきたから余計に反対。少しでも基地から離れようと移ってきたのに、ここまで米軍がくるようになってはたまらない」と語る。
５０代の男性は、「この辺りは山を削ったせいで台風がくれば土や石がびゅんびゅん飛んで、家も車も傷だらけ。瓦や駐車場の屋根まで飛んだ家もある。さらに米軍住宅にするなど、我慢も限界だ。ただでさえ、市の一等地を占領しているのに、今度は山まで基地にするのか。米兵のレイプや拉致事件などはほとんど表沙汰にはならない。植民地の役人になった国や県がアメリカにものをいわないのなら、市民が声をあげないといけない」と強い口調で話した。
百合ヶ丘の自治会は、「転用問題」が浮上して以後、いち早く反対決議をおこない国や県、市に申し入れた。住民のなかでは、川下など基地周辺から移住してきた人も多いということに加え、当初、基地の沖合移設に土砂を売り、残った土地に小学校や国立病院も誘致して一大住宅団地にするとの説明で認めた事業であり､｢騙された」という怒りは強い｡近く､自治会として反対の横断幕を掲げる予定を立てている。
７０代の男性は、「愛宕山開発は、“騒音は沖に遠のくし、国立病院や学校施設ができる”とかいい話ばかりして土地を売らせた。ところが、すすめばすすむほど、旧滑走路は残したまま厚木から艦載機部隊がくるとか、山は米軍住宅に使うという隠していた計画をどんどん出してくる。岩国を極東アジアの最大の基地にするということだ。はじめから国と県の間で決まっていた話としか思えない」と話す。
別の男性も、「米軍や国、県はもとから岩国基地を巨大化するつもりで、市民にウソをいってきたんだ。３０年前、土地を買うとき不動産屋が、道路の整備の様子などから基地にするだろうという話をしていた。すべて計画ずくだったくせに、いまごろ“赤字になった”とか、“補助金がない”などと市民をあきらめさせて容認させる仕掛けだろう。今度は、騙されるわけにはいかない。向こうが力ずくで来るなら、“平和団体”とか市長がいう話し合いなど通用しない。こっちも実力行使をするまでだ」といった。
二井県政への怒り沸騰 市内各地で
また、市役所の補助金問題など、国の力ずくのやり方とそれに従っていく二井県政にたいしては市内各地で激しい怒りが語られる。
尾津に住む７０代の婦人は、テレビを見ていると腹が立ってしかりつけることばかりなのだという｡｢テレビに悪気はないけど、安倍さんや政府のやっていることはメチャクチャ。つくっている途中の市役所の予算を切るとか、愛宕山が赤字になったから米軍住宅をつくるとか、頭にくることばかり。自分たちは好きかってして、国民にはコワモテ。力ずくで押さえつけようとしても聞く時代ではないですよ。県民の声を聞かない二井さんも、山口県の知事は失格です。アメリカにでもいったらいいのに｣と話す。
６０代の男性は周囲で「新市庁舎も、初めから防衛庁の予算で建てようとしたのが間違い」、今度から容認しない自治体は金を出さないという法案を閣議決定しているが、「国が予算を出さないならほっておけ」「国がこんな見せしめをやっているとみんなに知らせたほうが得だ」と話になっているという。「政治とは、国民のためにやるものだろうが、最近は国民がいやがることばかりやるのが政治と心得ているから始末が悪い」と語っていた。
８０代の男性は「愛宕山にしても、わざわざ二井知事が国に“米軍住宅として使う気はあるか”と打診して、国も県有地ということでターゲットにした。県議会も安倍や二井の一声でなびくものが多く、この地域の県議（橋本）なども住民投票後にも平気で基地容認の態度をとっている。国政選挙もふくめて、住民をバカにした連中は痛い目にあわせないといけない」といった。
百合ヶ丘の３０代の男性は、「北朝鮮の独裁が悪いとか経済制裁するとかいっているが、まっさきに国民を制裁している。自分の国が大赤字になって国民を苦しめてまで、アメリカのためには金も出し、いいなりにならないと脅迫する。日本人の政府ではないですよ。岩国は、国とはなにか、アメリカの関係とはなにかで全国のいい例になったのではないか」と話した。
基地近くに住む８０代の男性は、「ここまでくれば騒音など細かな苦情だけをいったところで話にならない。だいたい、ＳＡＣＯ予算で市庁舎建設をはじめているのに、国の都合で勝手に米軍再編予算に回している。約束を勝手に変更することが通用するのなら、約束など最初からしない方がいい。米軍移転とひきかえの良い条件といっても、いつでも破られる。子どものいじめより程度が悪い」と語っていた。
｢基地は日本を守らぬ｣ 60年の経験重ね
また市民のなかでは、アメリカが日本を植民地にしており、バカにしきっていること、日本を守るつもりなどないことが６０年の経験をともなって語られている。
「子どもが小さいころ、基地のすぐ近くに住んでいた」という８０代の婦人は、「当時は、米兵が外に家を構えていて、環境はひどかった。殺人といっても、普通のものではない。メチャクチャに切り刻んだり、下腹部を切り取ったり野蛮人そのものだった。家の庭などでも、平気でおかしいことをしていた。あの状況を知らなければわからないが、日本人などバカにしきって見下している」といった。子どもたちも、「兵隊がやっていた」とまねをしていうことを聞かなくなるなど、ひどい状況だったため家をかえた。
門前に住む７０代の婦人は、小学校高学年の時３人組の米兵に追いかけ回された経験が忘れられないと涙ぐむ。「そのころ今津に住んでいたが、少しでも日が落ちてくると家から１歩も出られなかった。アメリカは、人が恐れると知っていておもしろがってやっていた。留守中、家の中に押し入られていたこともあり、それからは家中の鍵を締め切る習慣になった。アメリカは、日本人のことなど心配しない。守ってもらうなどと政府がいうが、殺されるだけですよ」と語った。
８０代の男性は、「米軍基地は、テロ事件以降は監視がすごくて仕事で中に入るにも車内を調べられる。レーダー探知機なども取り外しをさせられた。米兵は、市民の家をウサギ小屋というが、下級の米兵マンションでも廊下は軽トラが走れるくらい広く、水道電気は使いたい放題。こいつらのためにわしらの税金が使われていると思うだけで腹が立つが、国や県は“アメリカ様には逆らうな”だ。アメリカは己のために日本を使っているだけだ。そんなものになぜものがいえないのだろうか」といった。
基地近くに住む８０代の老夫婦は、「艦載機を受け入れれば、振興策で岩国が発展するというけど、６０年基地があってひとつも豊かになってない。逆に１番いいところをとられて、衰退したぐらいだ。帝人など企業も煙突を切られて余所にいくばかりだった。私も、転勤させられた口だから」と話す。
７０代の男性は、「仕事の関係で、福岡や松山、広島などを回ってきたが、岩国市の暮らしにくさと物価の高さは群を抜いている。工事関係で儲けるというが、本当に利益が上がるのは大手のゼネコンだけ。孫請、ひ孫請、ひどいのはひひ孫請でもうけなどない。１部の容認議員が、“１年後には夕張になる”から“容認して交付金”と騒いでいるが、６０年基地があって財政難だ。いまから良くなることはない」と語った。
８０代の男性は｢基地の側に駅までつながる大きな道路をつくったが、米軍基地にひっかかってちょん切れたままだ。国道より立派な４車線道路を、米軍用につくったようなもの。米軍車両が無通告で出入りして生活道路を走ることや、埋め立てのせいで川の水位が上がり橋が水に浸ること、毒蜘蛛、タイヤを焼く問題など迷惑ばかりを受けている」といった。
市民のなかでは、基地撤去の世論が強まっている。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/tuyomarukitinakusenokoe%20atagoyamamadekitinisasenu%20tikarazukunokunikennniikari.htm
▲このページのＴＯＰへ HOME > 政治・選挙・ＮＨＫ31掲示板
フォローアップ:
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,ＭＬを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。