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□“オリンピック戦略”に揺れる都職員〜石原都政の内幕ばなし [JANJAN]
http://www.janjan.jp/government/0703/0703140655/1.php
“オリンピック戦略”に揺れる都職員〜石原都政の内幕ばなし(3) 2007/03/15
このところ、東京都庁に顔を出しますと「石原慎太郎か、浅野史郎か」「黒川紀章は(反石原票を)どれくらいとれるか」「土壇場で黒川が浅野に乗るのでは」「吉田万三は前回共産党が立てた候補よりも票をとれるか」といった都知事選挙がらみの話ばかり振られます。(ここまで敬称略)
石原氏が3選されたら?
「2年半の辛抱でしょ」「まあ、2年半の我慢かな」──という調子で、3期目は2年半しか保つまいという見方が大勢です。
「2年半」というのは、2009年10月に予定されている国際オリンピック委員会(IOC)で、16年のオリンピック大会開催都市が決まるからです。
石原知事の3選出馬の“旗印”が2度目の東京オリンピック開催ですから、ここで落ちれば、石原知事のことだから「やーめた」というだろう。それまでの辛抱だ、というのですね。09年に東京が開催都市に選ばれる、と思っている職員には、残念ながらあまり会ったことがありません。
理由はいくつかあります。
・ 2008年に北京で開催されて、8年後にまた東アジアで、というのは地域的に偏りすぎる
・ リオ・デ・ジャネイロ(ブラジル)が「南米で初のオリンピックを」、ニューデリーが「南アジアで最初のオリンピックを」、ヨハネスブルグが「アフリカで最初のオリンピックを」などといって立候補してきたら、大義名分からいって、とてもかなわない。かつて、東京が「アジアで最初のオリンピックを」といって手を挙げたことを思い出そう
・ そもそも「東京がオリンピックをする意義は何か」「東京はオリンピック運動にどんな貢献をするのか」について、国際的に通用する決めぜりふが聞こえてこない
・ 日本オリンピック委員会の招致に向けての態勢が整っているとは、今のところ言い難い
・ 各スポーツ団体の、他国団体への働きかけも、活発とはいえない
・ 東京は国際競技、特にオリンピックのメインスタジアムで行われる陸上競技などの国際大会を主催した経験が乏しい。従って北米、欧州などの有力IOC委員にも食い込んでいない
・ 石原知事の就任後、中国、韓国などとの関係が疎遠になっている影響も軽視できない
・ そもそも東京都民に、オリンピック開催へ向けた盛り上がりが感じられない。まして日本全体ではまるで他人事だ
──と、まあこんな調子です。
それどころか、石原知事がオリンピック開催を言い出した理由についてさえ「3選出馬の名目ではないのか」という見方が根強いのです。
オリンピックほどの大プロジェクトともなれば、都庁内はもちろん、政府、各政党、都内や近県の自治体、スポンサー候補企業、各種スポーツ組織などの一致団結が欠かせません。日本的な風土のなかでは、十分な根回しが大切です。
にもかかわらず、石原知事が05年に招致を表明した時、都民はもちろん多くの都職員にとってもサプライズそのものだったのです。
さて2年半説ですが、仮に16年オリンピックが東京に決まっても、その時の都知事は別の人でしょう。石原知事自身が4選出馬をはっきり否定しているからです。まして16年に知事でいるためには5選されなければなりません。(まあ、鈴木俊一もと都知事のように、80歳で立候補して、84歳まで知事をされた方もおられますがね)
それなら、3選後の2年半で、石原知事が念願としている首都高速中央環状線の都内全通、外郭環状線の着工、首都圏中央連絡道の都内全域開通、臨海副都心地域の開発、羽田空港第四滑走路建設などの都市基盤整備を軌道に乗せることができれば、それで「我がこと成れり」ではないか。
そう言われてみれば、そうかも、という気がしないでもありません。
別の見方もあります。
「2年過ぎまで」説とでも申しましょうか。
「男の美学」を重んじる石原知事が、みすみす負けるとわかっているようなIOCの結果を待つとは思えない。その前に、例えば、都市基盤整備が軌道に乗って、だれがやってもオリンピックのやれる都市づくりができたとか、16年オリンピックの時も知事をやっているであろう若い人にIOC大会はまかせたいとか、09年7月に予定されている東京都議会議員選挙と知事選の歩調を合わせるといった理由で、あえてサプライズ辞任するんじゃないか──という意見です。
東京都では、1965年の都議会議長選挙に絡む汚職事件で「出直し都議選」が行われた結果、知事と都議の選挙がほぼ2年3ヶ月ずれています。
この結果、知事の人気の余波が与党にも及んで、与党議員が有利になるとか、その逆とかいうような、知事と都議との票における連動性が乏しくなっています。そのことは東京都政において、よく「車の両輪」にたとえられる自治体の首長と議会の関係を、いささか隔たりのあるものにしているのです。
もうひとつ、都議と都知事の選挙を一緒にやれば、各地域での選挙気分の盛り上がりもいまよりは期待でき、投票率が上がるかも、という期待があります。
知事が辞任の時期、ひいては投票日を選ぶことができれば、後継者は非常に有利です。サプライズの起きる時点が分かっているのですから、それまでに準備を整え、大衆への露出度を上げ、選挙のための「政権公約」を練り上げることができます。
これに対して対立候補側は、候補選定がもたつくやら、政党間の政策協定がもめるやら、選挙公約にすべき政策が生煮えになるやら、応援態勢や選挙組織づくりが遅れるやらで、いいところがほとんどありません。
あるとすれば、サプライズ辞任の理不尽を訴えて都民の同情をひくことくらいでしょうか。それだって「自分たちの準備不足を棚にあげて、泣き言をいっている」と受け取られるかもしれないのです。
「2年半後」を待っている皆さんに水をかけるつもりはないのですが、そうはなるまいという意見も出てきています。
このごろ急に都庁で言われるようになったのが「2020年本命説」です。つまり、16年はあくまでも足慣らしで、20年のオリンピック開催都市こそが本命だ、というんですね。
1964年の東京オリンピックでは、その前の60年にも名乗りを上げました。そのときはローマに負けたのですが、これが足がかりになって、64年開催をかちとった。だから今回も20年こそ本命だ、というわけです。
それなら、石原知事も途中辞任ではなく「捲土重来」(ご存じでない方は辞書をひいてください:けんどじゅうらい/けんどちょうらい)を期して4年の任期を全うする──と、胸を張っていえるじゃないか、というわけです。
そうなったら、2年半の辛抱だと思っておいでの方々には、お気の毒としかいいようがありません。
(塚田博康)
◇
前回記事:
石原都政の内幕(2)いじめを訴える「いじめっ子」
http://www.janjan.jp/government/0703/0703121583/1.php
石原都政の内幕(1)「お手紙」と「盗聴」 恫喝側近が復帰
http://www.janjan.jp/government/0703/0703091376/1.php
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