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□検証・耐震偽装 悪いのは誰か？何か？（８）馬淵ブログ炎上のワケ [JANJAN]
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検証・耐震偽装 悪いのは誰か？何か？（８）馬淵ブログ炎上のワケ 2007/03/15
目次
１. 民主党・馬淵澄夫議員ブログ “上品に炎上”のワケ
２. 虎の尾を踏んだのか
１. 民主党・馬淵澄夫議員ブログ “上品に炎上”のワケ
２月１０日の拙稿「検証・耐震偽装 悪いのは誰か？何か？（６）中間“暫定”まとめ」の「ご意見板」に「馬淵議員のブログは炎上状態？」と書いた。
『まぶちすみおの「不易塾」日記』、２月８日付け『「新たな事実」の報道』のことだ。
ここに民主党国会議員・馬淵澄夫氏は、『アパ物件における耐震偽装の問題で、なぜマスコミが取り上げないのか？、何か圧力でもあるのか？、などの指摘が再三あるようだがこれはかなりうがった見方と言えるし、何か陰謀論のようなものに煽（あお）られすぎ。民主党のＨＰから耐震偽装告発サイトがなくなったことまでも「圧力があったのか」「なにか隠そうとしてる」などと結び付けるに至っては失礼ながら笑ってしまった。党ＨＰのサイトがなくなったのは、管理者との契約が終了したためだ』
『あくまでマスコミは、「報道」という立場で「新たな事実」について取り上げることができる。そしてそれは憶測や陰謀説に基づく推論などではない』
『その後、元イーホームズ社長の藤田さんがメディアに向けて発信され、その「告発」が無視されているとの話が喧伝されているが、それもどうか。 別にメディアは無視したのではなく、藤田さんの発信に新たな事実が含まれていると判断しなかったからに他ならないのではないか』と書き、最後に『陰謀論によって煽られるのは、恐い』と結んでいる。
『陰謀論』か
筆者の書いてきたことも、その中にくくられてしまうのか。
この馬淵議員のコメントに対して９日以降、４４のコメント（３月１３日現在）が付いているがほとんどが落胆、批判のコメントだ。それらの意見は節度を保った上品なものがほとんどなのだが、それだけに馬淵議員と民主党への失望感が強く伝わってくる。
以下にコメントから抜粋する（※は筆者の意見）。
● 耐震偽装告発サイトがなくなったのは、ウェブの「管理者の契約が修了したため」とありますが、そんな簡単なスタンスだったのでしょうか。民主党をあげての取り組みじゃなくて、個人的な活動だったのでしょうか。
※ 「管理者の契約が修了したため、耐震偽装告発サイトが終る」？ 「耐震偽装告発サイト」を設けた目的を考えれば、そんな説明が通るはずあるまい。
●あまりにも一般人の感覚とずれていますね。報道とは、新聞の一部紙面と、テレビニュースの冒頭部分のみとでもお考えですか？
●＞陰謀論によって煽られるのは、恐い。
耐震強度偽装は、国民の命がかかっているというのに、もっと使命感を持って行動できないものですかね。ＢＳＥよりもはるかに深刻な問題なのですよ。
※ 『「圧力があったのか」「なにか隠そうとしてる」などと結び付けるに至っては失礼ながら笑ってしまった』と書く鈍感なセンスにこそ、失礼ながら筆者は笑ってしまった。
●明らかにヒューザーより規模が大きく、しかも１０ヶ月も前に指摘を受けて放置しているアパが何の咎めも無く、しかもそれを指摘した藤田社長が指定確認検査機関を剥奪された。他の検査機関との違いは偽装を告発した以外に何が有るのでしょうか。となれば偽装を告発した、しかもアパを告発したとたんに逮捕された事実は説明がつかない。
●これがあの馬渕さんのコメントかと思うとガッカリです。ホントに。これでは次の選挙での投票は民主党以外になることは確実です。
●貴方には心底がっかりさせられました。参院選挙は共産党に投票します（怒）。
●取り上げようのある情報も取り上げられない、マスコミと国会議員の学力不足です。……前回は民主党を応援しましたが、次回は自民党に投票するつもりです。
● 支持政党無しの人が増えるはずですね、私も馬淵さんが今のような状態なら支持政党無しです。
※ こんな体たらくだから政党離れが加速するのだろうし、石原氏も浅野氏も“表立って”の自民党、あるいは民主党の支持を断ったのだろう。
●本当に落胆致しました。今までの私の信じてきたものが土足で踏みにじられたような気が致します。……同じ党の中にアパグループ経営者との交際をうわさされている議員がいても、国民のためにその責任を果たすのも馬淵議員の責任だと思います。たとえ親兄弟、友人、同僚、後援者から鬼悪魔とののしられても、その職責を果たすのが国民の信託を受けた国会議員の務めであると思います。
●この記事に対して多くのコメントが寄せられていますが、そのどれもが、誹謗中傷など含まない真摯なコメントで、それぞれのお考えの中で正論を述べているように思う。
これだけ、馬淵さんを支持しないコメントが寄せられるということは、逆に考えれば多くの人が馬淵さんに期待をしていたのだろう。
●馬淵さん、貴方ガス抜きのパフォーマーでしたね？
●耐震偽装物件の住民です。まぶちさんにとっては、結局、我々も政治的道具だったのですか。もし、そうでないなら、同じことが起こっているのに、なぜ、矛盾した理論を展開してごまかそうとしているのでしょう。
● 検察や警察 裁判所の発表 あるいは 新聞記事 これだけが あなた方の仕事の情報ソースですか？ 国政調査権があるのに 民主党の調査機関が 徹底的に調べないんですか？
※ 全く同感だ。メディアを擁護するような発言は、馬淵氏も記者発表を鵜呑みにしていることを示している。
●これだけ耐震偽装については反響も大きく、新たな事実も次から次へと現れてきているのに、まだ「無視」を続けられるのでしょうか。
●藤田社長の本「月に響く笛／耐震偽装」には、隠蔽に成功した佐藤信秋事務次官（”元”国交省）の、自民比例候補としての夏の参院選出馬話なども出ていると言います。とんでもない話だと思います。
※比例代表でのうのうと当選し、前任の建設省（現国交省）出身議員と入れ替わり、天下り議員の“世襲”は脈々と続くというわけだ。
読者からのコメントは、３月４日以降は１本だけだ（１４日現在）。馬淵氏に期待し、応援してきた人たちも見限ってしまったようだ。
アパグループのホテルやマンション以前に、姉歯問題による負の遺産が何一つ解決されていないという認識が、馬淵氏に“すら”ないのだとすると期待できる政治家はどこにもいないのだろうか。
様々な意見からは、民主党への失望感も読みとれる。これだから、自民党が支持率を下げているのに、いっこうに民主党の人気が上向かないのだろう。
２. 虎の尾を踏んだのか
３月８日の朝日新聞朝刊１面（詳報１２面）に、『本間前政府税調会長、辞任劇を語る／財務省と対立「虎の尾踏んだ」 』なる記事が載った。辞任に追い込まれた背景には、（政治闘争の）虎の尾を踏んだがために、財務省内部からスキャンダルをリークされた、と暗に匂わせる発言をしている。
そういえば、元毎日新聞記者・西山太吉さんの場合もそうだった。官僚？ の謀略は恐ろしい。馬淵議員も虎の尾を踏んだ結果、急ブレーキを踏むことになってしまったのだろうか。
果敢に虎の尾を踏める政治家がいなくては、政・官の癒着はこれからも絶望的に継続することだろう。
※「馬淵」を「真淵」などと誤った表記をしていたものは、筆者の判断で訂正した。
(江口征男)
◇
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