★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK30 > 957.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
以下は blog of Dr. Makoto Ibusuki(http://imak.exblog.jp/5036922) からの転載。
滝井繁男元最高裁判事のインタビュー
が、1月24日付けの朝日新聞に掲載されている。残念ながらウェブでは見られない。
弁護士出身ということもあって、かなり率直なもの言いで、いまの(というか以前からそうなのだろうが)最高裁判所というところについて考えるには格好の資料であろう。
管理人の観点からすると、このインタビューの受け答えは、今回の、いわゆる「平成の司法制度改革」で取り残された部分が、最高裁判事の口を通して浮き彫りになった、というところが重要だと思う。
これは、決して「司法制度改革が失敗だった」とか、「間違っていた」と述べているのではない。念のため。
では、今次の司法改革は、何を「やらなかった」のか?
第一は、警察、検察の取調べの規律である。
第二は、誤判救済システムの改善である。
第三は、裁判官の任命・任官制度の改革である。
この三つの点は、日本の、とりわけ刑事司法を考える上で特徴的なポイントである。
外国人の研究者が日本の司法制度に言及するとき、これらの点を外すことはないだろう。
それらが揃って手を付けられなかったことを、いみじくも滝井元最高裁判事が語っているに他ならない。
たとえば、第一については、「捜査段階でいったん自白してしまうと、今の刑事裁判では、公判廷で争ってもなかなか通らない」と言っている。自白の信用性を確認する手段が法的に整備されていないことを指摘する。これが、こんにち課題とされている「取調べの可視化」問題である。
第二の点は、この第一に続いて「最高裁で覆すのは難しい」と言う。
以前の映画で「まだ、最高裁があるっ!」と被告人が叫ぶシーンがあった(『真昼の暗黒』・・・八海事件を描いたもの)。しかし、現実には「最高裁判事が事実認定をとりあげ、有罪破棄の結論を出すのは、今の仕事量では困難だ」とする。
要するに、仕事量が多すぎて、上告審では誤判を訴えても、救済できないよ、と言っているわけである。
これに加えて、再審の門はますます狭く、先般の名張毒ぶどう酒事件の再審開始決定の取消決定のように、自白が完全に覆るようなケースでないと救済はないということになれば、いったん自白した場合は、真犯人が出てくるか、完全に自白を覆す証拠でもない限り、上告審であれ再審であれ救済されない、ということになってしまう。
有罪の判決の「確定力」を重視するのが名張事件の今般の取消決定であるが、そうした「確定」は、「仕事量が多すぎて事実誤認を発見できない」最高裁の判決に依拠しているのである。
恐るべき日本の判決「確定」の流れであろう。
第三の点は、、、記事をお読みいただきたい。
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK30掲示板
フォローアップ: