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http://www.shinmai.co.jp/news/20070208/KT070207ETI090004000022.htm
女性を「産む機械」と例えた柳沢伯夫厚生労働相の発言をきっかけに空転していた国会は、7日から正常化した。野党が復帰する条件が少子化問題の集中審議だ。
柳沢発言からは、少子化は女性に責任があるかのような考えが透けてみえる。現実は産みたくても産めない人が少なくない状況にどう向き合うのか。今国会で踏み込んだ論議をする必要がある。
この日も柳沢氏は頭を下げ続けた。「女性のみならず国民を大きく傷つけた」と謝罪。「深い反省に立って、与えられた任務を遂行していきたい」とも繰り返した。
安倍晋三首相も「極めて不適切であり、私からもおわびしたい」と述べている。その上で、柳沢氏に職にとどまってもらう考えを示した。
しかし、一連の発言はおわびや集中審議で幕引きとすべきではない。
6日の会見では「若い人たちは結婚したい、子どもを2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいる」と柳沢氏は述べている。発言全体では、子どもを望む若い世代の願いがかなえられる政策を出していくという主旨だ。それは理解できる。
問われるのは「健全」と表現した部分だ。結婚して子ども2人以上が“あるべき姿”とする考えがうかがえるからだ。子どもは1人でいい、持たなくていいという選択は不健全なのか。当初の発言も踏まえれば、言葉尻の問題ではない。
結婚すれば「子どもはまだ?」と問われ、1人産めば「次はいつ?」と催促される。こんな言葉にうんざりしてきた女性は多い。経済的な問題や不妊で子どもを授かれない女性もいる。さまざまな理由で「働き手」となれない子どももいる。
柳沢発言には、こういったデリケートな問題への配慮がない。柳沢氏をかばい続ける安倍政権の姿勢にも疑問が膨らむ。
謝罪で終わらせるのではなく、少子化対策の方向と若い世代の思いとのずれをあぶり出すことが、国会に求められる。柳沢発言になぜ女性が怒りを感じるのか、きちんととらえるのが出発点になる。
少子化対策は十数年にわたって見直しを重ね、昨年6月にも新しい対策がまとまった。子育て支援、児童手当の拡充、保育所の整備、働き方の見直しなど、多彩な政策が並ぶ。
その中でも出生率が下がり続けてきたのは、形ができても財政的な裏付けが乏しく、出産・子育てを支えていこうという政府の姿勢が実感できないからである。
この機会に少子化が進む理由を掘り下げるべきだ。そうでないと、若い世代はますます背を向ける。
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