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http://www.asahi.com/international/update/0208/005.html
6者協議の米朝首席代表のヒル国務次官補と金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官が1月にベルリンで協議した際、朝鮮半島の非核化に向けた初期段階の措置について大枠で合意し、「覚書」に署名していたことがわかった。数週間以内に北朝鮮が寧辺の原子炉の停止などを実行に移す一方、見返りとして北朝鮮へのエネルギー・人道支援が同時に開始されることが盛り込まれているという。8日から北京で再開される6者協議では、この合意をもとに議論が進む可能性が高い。
複数の米朝関係者が明らかにした。米朝高官が6者協議の枠組みで文書を取り交わすのは今回が初めてとみられる。ベルリン協議の直後、北朝鮮外務省は「(同協議で)一定の合意に達した」と語っていた。
覚書の中で北朝鮮は寧辺の黒鉛減速炉(5000キロワット)を停止し、02年12月に追放した国際原子力機関(IAEA)査察官の現場復帰に応じ、米国は北朝鮮へのエネルギー・人道支援を支持する立場を表明している。ただ、支援の量や種類などの内容には触れておらず、6者協議で主要議題の一つとなる見通しだ。
金次官は2月初め、訪朝した元米政府当局者らに対し、軽水炉が完成するまでの補償として年間50万トンを超える重油の供給かそれに相当する電力供給を求めている。
人道支援については韓国政府が、昨年7月のミサイル発射で中断したコメ・肥料支援の再開を検討しているが、北朝鮮はさらなる支援を求めてくる可能性が高い。
覚書では原子炉停止と支援開始に同じ期限が設定されているという。ヒル次官補は6日に東京で「ひとけたの週内」に初期段階の措置に向けた行動をとる必要性を強調。中国も「2カ月をめどに共同声明の初期段階の措置を実行に移したい」(当局者)としており、60日前後を想定しているとみられる。
関係者によると、6者協議の議長を務める中国の武大偉(ウー・ターウェイ)外務次官はヒル次官補から覚書の写しを受け取り、金次官からも説明を受けているという。
これまで、北朝鮮が核不拡散条約(NPT)脱退を宣言し、核施設を再稼働させるなどしたことに対し、ブッシュ米政権は「悪行に見返りは与えない」との姿勢だったが、覚書の大枠は、核の放棄と見返りは同時に実施されるべきだと「同時行動原則」を主張してきた北朝鮮に米国が譲った形だ。
ベルリン協議後、金次官は「(協議内容に)満足している」と語っていた。発言の背景には「米国から譲歩を勝ち取った」(北朝鮮筋)との受け止めがあったとみられる。
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