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http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20070205/lcl_____kgw_____000.shtml
きょう臨時市議会スタート
米海軍横須賀基地への原子力空母「ジョージ・ワシントン」配備問題。配備の是非を問う住民投票条例の制定をめぐる論戦が、5日に開会する横須賀市の臨時市議会で始まる。日本を守るために米空母艦隊は必要だとして配備を決めた国に対し、自治体にそれをはね返す権限はあるのか。市長が持つ港湾管理権は、その“武器”だと指摘する市民団体に「条例案は法の趣旨に反する」という蒲谷亮一市長。主張が真っ向から対立する論戦の行方を探る。 (斎藤裕仁)
「原子力空母母港化の是非を問う住民投票を成功させる会」共同代表の呉東正彦弁護士が、配備阻止のカギと強調するのは住民投票条例案の第三条だ。
原子力空母の受け入れには、基地内の海底浚渫(しゅんせつ)工事が不可欠。原子炉冷却用の海水を採り入れる安全対策に水深一三・七メートルの海底を一五メートルまで掘り下げる必要があるためだ。防衛施設庁が工事に入るには、港湾法に基づく協議で、同基地を含む横須賀港の港湾管理者である市長の“同意”を得なければならない。
条例案第三条二項は、国との港湾法協議と空母配備計画関係の事務の執行について「市長は、住民投票における有効投票の賛否いずれか過半数の意思を尊重して行う」と規定している。
呉東さんら同会は「基地問題が、国の専管事項であり、住民投票になじまないという市長の考え方は、憲法第九二条の地方自治の本旨に反する。条例が求めているのは、浚渫の許可手続きを中心とした市としての原子力空母に関連した事務の取り扱い。港湾管理権は国ではなく、市がもっており、広範な裁量権がある」と訴える。
これに対し、蒲谷市長は条例案に添付する意見書で、国会での政府答弁を引き、「日米間の安全保障に関するような外交関係の処理は、憲法第七三条二項で国の役割と規定され、国の決定に地方公共団体が関与し、制限することは地方団体の権能の行使としては認められない」と主張。配備を決めた国の決定に反する内容を含む「条例の制定はできない」と反論する。
港湾法協議についても蒲谷市長は「港湾法にのっとり、適切に処理すべきであり、住民投票の結果をその事務に関し、尊重するよう求めている本条例は法の趣旨に反する」と批判。協議は、港湾計画への影響などをチェックする行政手続きにすぎず、港湾管理権に国が行う工事を拒否する“許認可権”は付与されていないと強調する。
■JFK9月退役へ
原子力空母の配備をめぐっては、反対してきた市民団体だけでなく、蒲谷市長も安全対策から通常動力型空母の継続を日米両政府に強く求めてきた。その背景には、同基地配備の「キティホーク」のほかに米海軍がもう一隻保有する通常型空母「ジョン・F・ケネディ」(JFK)の存在があった。
老朽化が進むJFKは、これまでも引退が取りざたされてきたが、米軍の準機関紙「星条旗」はことし九月末に正式に退役すると報じた。関係筋によると三月に退役式をした後、現役を離れて船体保存の作業に入るとしており、来年八月の空母交代期には、通常型の選択肢がないという厳しい事態を迎える。
法定数の五倍を超える三万七千八百五十八人の有効署名を集めた同会が「市民の将来の安全に重大な影響を及ぼす空母の配備は市民の意思で」と実現を訴える住民投票。条例案の裁決を待って浚渫工事の港湾法協議を申請する構えの国などが注視する中、市議会の論戦は激しさを増しそうだ。
憲法第92条(地方自治の基本原則) 地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める。
憲法第73条(内閣の職務)2項 外交関係を処理すること。
<メモ>港湾法協議 港湾区域内の水域や公共空地の占用、土砂の採取、また係留施設の建設などを行う場合は、港湾法第37条に基づき、港湾管理者の許可を受けなくてはならない。ただし、国や地方公共団体が工事などを行う場合は、同条3項で「港湾管理者の許可を受け」を「港湾管理者と協議し」、「許可をし」を「協議に応じ」と読み替えると規定している。
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