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厚労省が改悪法案要綱諮問  国会提出が狙われている労働法制改悪案  【前進】
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投稿者 愚民党 日時 2007 年 2 月 04 日 18:50:01: ogcGl0q1DMbpk
 

http://www.zenshin.org/f_zenshin/f_back_no07/f2280sm.htm#a3_3

週刊『前進』(2280号3面3)(2007/01/29 )

 「労働契約法」を粉砕しよう
 残業代ゼロと過労死の促進 WEに労働者の総反乱を

 厚労省が改悪法案要綱諮問

 1月25日の通常国会開会日、厚生労働省は労働政策審議会の労働条件分科会に、昨年12月27日の答申に基づいて労働契約法案と労働基準法改悪案の法案要綱を諮問した。

 その内容は、労働者階級の怒りの反撃の中で安倍首相自らいったん見送りを表明した「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」(以下WE)を「自己管理型労働制」と名前だけを変えて導入を図るとともに、団結権否定の労働契約法制からなっている。法案の国会提出を絶対に許すな。

 今通常国会は、国民投票法案などとともに、戦後労働法体系の解体を狙う反動諸法案が一斉に国会に提出され、まさに「労働法国会」(柳沢厚労相)となった。

 WEへの労働者階級の怒りの爆発はすでに始まっている。労働法制解体攻撃に対する全労働者階級の怒りの総反撃を組織しよう。それは改憲と戦争国家化攻撃反対の闘いをよりスケール大きく爆発させる道になる。

 国会には、表に見るように五つの法案が「パッケージ」として提出されようとしている。

 戦後労働法制解体の大攻撃

 (1)労働契約法の創設そのものが大攻撃である。

 なぜ今回、「60年に一度の大改革」と言われるのか。それは、労働契約法制という戦後の労働法体系を転覆するまったく異質な法律体系を創設しようとする点にある。

 戦後労働法制は、戦後憲法に先立って45年に制定された労働組合法を出発点にしている。日本では、この法律によって初めて団結権が法的に認められることになった。

 47年制定の労働基準法は、36協定などを見れば明らかなように、労働組合の存在と一体的なものだ。労基法も単なる労働者保護法ではないのだ。

 ところが、労働契約法制とは、“労組の組織率が低下している中で、個別の労働者が資本と結ぶ労働契約を規定する法律が整備されていないことが労使紛争の原因”などという口実で、従来の労働法制とは別に、民法の特別法として労働契約法を作ろうとするものだ。

 だが、労働契約法を「解雇制限法」にできるのではないかと夢想し、「役に立つ労働契約法」を要求する動きがある。しかし労基法から離れた「解雇制限」などあり得ない。本質的には「解雇自由」になるのだ。同時に解雇を許さないのは現場の闘いが基軸である。闘わないで法律に頼る弱さを敵は突いてきているのだ。

 現に25日に出された法案要綱には、就業規則の役割を強化する項目が入っている。賃金制度や勤務時間などの労働条件を資本が労働者にとって不利益な形に変更しようとする時、資本が一方的に変更できる就業規則の変更ですむとしている。このように労働契約法は労働組合の存在を無視したものなのだ。

 (2)労働基準法の改悪については、まったく許しがたい。日本版WEの導入は8時間労働制の解体を核心とする「残業代ゼロ法」であり、「過労死促進法」である。さらに中小企業での企画型裁量労働制の要件緩和や、現在の労基法でも8時間労働制の適用除外になっている管理監督者の範囲拡大など、WE導入とセットで8時間労働制を徹底解体しようとしている。

 (3)パートタイム労働法は、パートの均等待遇をめざすとしてWEの交換条件のように言われているが、まったくのペテンだ。パート労働者を三つに分類し、1%にも満たない「通常労働者と同視すべきパート労働者」の均等待遇を要求するのみである。これでは、非正規雇用を固定化し、正規雇用の労働条件を切り崩すものになる。

 (4)雇用保険法も、国庫負担の半減を打ち出しており、失業問題への国家の責任を放棄しようとするものである。

 安倍・御手洗路線粉砕を!

 このような戦後史を画する大反動攻撃がなぜ今かけられているのか。その背後に日帝のすさまじい危機がある。

 1月1日に発表された「御手洗ビジョン」は、「グローバル化」、とりわけ中国を始めとしたBRICs諸国の巨大な新興市場が資本主義世界に組み込まれ、帝国主義間争闘戦が一層激化している中で、敗戦帝国主義・日帝の必死の延命策であり、まさに安倍・御手洗路線と呼ぶべきものだ。

 それは、改憲と戦争国家化を軸にアジアでの勢力圏形成を追求すると同時に、「労働ビッグバン」、すなわち労組破壊を軸に、労働者階級が戦後革命期以来、あるいはロシア革命とニューディール以来獲得してきた諸権利を一挙に奪い取り、非正規雇用化し、生理的最低賃金にまで賃下げして争闘戦に勝ちぬこうというものだ。労働者階級を工場法以前の状況にたたき込むものだ。

 このような攻撃を貫徹するためにも、団結権を保障した戦後労働法制の全面解体が問題になっているのだ。だがこれは必ず労働者階級の怒りの総反撃を呼び起こす。WEをめぐる支配階級の分裂と動揺は革命の現実性を明々と示している。

 戦争か革命かが真正面から問題になる時代が来ている。労働者階級が「国境を越えた団結」を形成し、世界革命によって帝国主義・資本主義を打倒する時代が来た。労働法制解体攻撃との闘いをその跳躍点としよう。

 (湯村宏則)

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 国会提出が狙われている労働法制改悪案

@労働契約法制
・就業規則の役割を強化
 就業規則の変更で労働契約の変更が可能になる
・労働基準監督官による監督指導は行わない
・労基法の条文の一部を労働契約法に移行する

A労働基準法改悪案
・「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」導入
・残業代の割増賃金率の引き上げ
・企画業務型裁量労働制の要件を緩和
・管理監督者の範囲の拡大

Bパート労働法改悪案
・「通常の労働者と同視すべき短時間労働者」
 差別的取り扱い禁止(1%以下しかいない)
・「職務同一短時間労働者」
 賃金について正社員と同一にする努力義務
・その他のパート労働者
 賃金について「均衡」の努力義務(同一ではない)

C雇用保険法改悪案
・保険料を賃金の1.6%から1.2%に引き下げ
・国庫負担を半減

D最低賃金法改定案
・都道府県地域別最賃決定時に生活保護支給額に配慮


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