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外交は言葉遊びでするものではない【天木直人・日本の動きを伝えたい】2/4
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投稿者 天木ファン 日時 2007 年 2 月 04 日 11:27:37: 2nLReFHhGZ7P6
 

2007年02月04日
外交は言葉遊びでするものではない
 

 安倍晋三首相の父である安倍晋太郎元外相は「創造的外交」が売り物であった。それを名づけた上司に仕えていた私は「言葉遊びで外交が進められていいのか」という思いでそれを眺めていた記憶がある。

 創造的外交の売りの一つは中東外交であった。イラク、イラン戦争の最中、どちらの国とも等距離の関係を保ってパイプを持つ日本、だから米国に出来ないことが出来る立場にある日本、それを創造的外交と名づけて、総裁選を競っている安倍外相のキャッチフレーズにしよう、そういう思惑で名づけられたものであった。もちろん日本が内容のある独自の「創造的外交」を行っているのであればいい。しかし名前をつけただけで外交が出来ると思うのであれば愚かだ。格好いい名前をつけて世論をごまかそうというのであればそれは詐欺だ。   

 最近の外務官僚は無策をごまかすことに精力を使い果たしている。麻生外務大臣の外交方針演説の中で「自由と繁栄の弧」と言う言葉が突然あらわれた。それを外交の柱にするという。米国がテロとの戦いの為に使った「不安定の弧」をまねて、それを「自由と繁栄」などという大げさな名前に入れ替えただけで八方塞の外交を打開できるわけはない。そう思っていたら今度は安倍首相が施政方針演説の中でいきなり「主張する外交」を言い出した。何を主張するというのか。主張するだけでその目的が実現されるのか。こんな言葉の粗製乱造に現を抜かす暇があれば日本と世界が共和、共存できる本来の自主的な日本外交を構築し、それを地道に一つ一つ確実に進めていくことこそ、外務官僚の本来の仕事だ。それを行う実力と覚悟がないからと言って言葉遊びで外交をやられたら国民はたまらない。

 そう思っていたら、2月1日付毎日新聞の発信箱で飯田和郎中国総局員は中国と日本の外交の違いを次のように書いていた。

 すなわち中国は昨年の秋にアフリカ48カ国の首脳を北京に集めたばかりであるのに、間髪要れずに胡錦涛がアフリカ8カ国を訪れた。その一方で北京に離着陸する航空機には中東やアフリカの危険地帯へ出稼ぎに行く60万人にも及ぶ労働者がいる。その殆どは政府の対途上国支援プロジェクトに携わる「公務」といってよい。名も無い男らが異国で流す汗が遠い母国の資源外交と連動する。下層労働者が過酷な労働でアフリカを支えればトップも首脳外交に動く。世界を飛び回る。そこで働く労働者を励ます。

 中国の最近の活発なアフリカ外交は勿論アフリカの資源が狙いだ。そのためには中国の余剰労働力を外国で活用する。中国の支援がアフリカを支える。一挙両得というより一石三鳥の中身のある主張する外交である。そんな戦略的外交でも中国は決して名前などつけない。キャッチフレーズはなくても中国外交はその存在感を十分に発揮している。日本外交にそのような存在感はあるのか。名前だけが空しく飛び交っているのではないのか。


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Diplomacy Does Not Need Cozy Naming But Substance

In his policy statement at the beginning of the Diet Prime Minister Abe named his diplomacy [Diplomacy which Appeals] or [Insisting Diplomacy]. That is OK so long as his diplomacy has its substance. But in effect that is not the case. Japanese diplomacy has been stalemated for long. Name alone looks superb.

We see the opposite in Chinese Diplomacy. The Mainichi Shinbun of Feb 1st tells us this contrast sarcastically. Chinese government has been sending so many workers in Middle East and Africa. Most of them come from the rural area where abundant labors exist. By doing so China can win the support of these developing countries and in return China will get energy and other resources from them. Chinese government make use of their excess labor supply. Chinese Leader visits these countries and cheering up their workers. This is a real diplomacy with clear strategy and substantial achievement. Hu Jintau, however, never named his diplomacy. He achieves only the result. This is of course much better than the Japanese Diplomacy which has beautiful name but no substance.

http://www.amakiblog.com/archives/2007/02/04/#000242

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