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2007年02月03日
トヨタに社会貢献を求める元東京入管局長
1月28日の毎日新聞「発言席」に載っていた坂中英徳氏の意見は傾聴に値するものであった。トヨタはなんと答えるのだろうか。この記事を黙殺するのか。それとも誠意を見せて毎日新聞紙上で立場を表明するのであろうか。
彼はいう。30万人を超える日経ブラジル人の大半が、愛知県豊田市から静岡県浜松市にかけた地域に住んでいると。そんなにいるとは知らなかった。この東海地方の一帯には、トヨタを筆頭にホンダ、スズキ、ヤマハなど自動車産業が集中しているという。こう書けばもうわかるだろう。自動車産業の代表的企業が価格競争力を確保するために低賃金労働者を組織的に雇用しているからだ。
問題はそのような外国人労働者の実態だ。まず雇用形態であるが、大部分は雇用契約期間を限定して採用される期間工や、人材派遣会社から製造ラインに派遣される間接労働者だ。とくに豊田市の保見団地には5000人の日系ブラジル人が住んでいてトヨタとの深い関係が目につくという。トヨタがいい車を安く生産できるのはブラジル人の労働者のおかげと言っても過言ではないだろうと坂中氏は言う。
そしてその後が坂中氏の言いたいところだ。これら外国人労働者の生活はけっして楽ではない。それは単にコストカットのしわ寄せを受けて低賃金に甘んじなければならないという事だけではない。年金や健康保険など本来企業が果たすべき責任を放棄している為に労働者とその家族の生活そのものを不安定に追い込んでいるというのだ。異国の地でビクビクして生きているのだ。
その一方で大企業の総本山である経団連が、外国人労働者の受け入れ拡大を求めていることに坂中元東京入管局長は憤る。外国人労働者の厳しい生活を見て見ぬ振りをして生活環境を整えることには消極的な企業に、受け入れ拡大を主張する権利はないと言う。まさに正論だ。
その上で坂中氏はトヨタに真剣に検討してもらいたいと次のように提案する。日系ブラジル人の子供を教育訓練する「トヨタ職業訓練学校」を創設してもらえないかと。トヨタ系列の工場で働いている日系ブラジル人の子供を、時間をかけて熟練技能者に育て上げ、親の後継者としてトヨタグループの正社員に採用する、というプログラムはトヨタにとっても有益ではないかという。
職業訓練所をトヨタがつくるところまでいかないにしても、トヨタが率先して外国人労働者の福利厚生に範を垂れる事は必要ではないか。定住外国人を育成し、日本社会の一員として正当に受け入れる努力をする、それがトヨタのような大企業の責務であるという坂中氏は言いたいのだ。
競争が全てでいいのか。世界一になることがどれほど重要な事なのか。それよりも一人でも多くの従業員の喜びに意を用いる。ましてやそれが外国人であればなおさら配慮すべきではないのか。共生と共存こそ、世界一を目指す企業の目指すところでなければならない。この坂中氏の呼びかけにトヨタはどう答えるのか。トヨタの鼎の軽重が問われている。
http://www.amakiblog.com/archives/2007/02/03/#000241
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