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2007年02月01日
泣き寝入りする日本国民
古くは水俣病に始まって最近ではエイズ薬禍やアスベスト被害、更には警察に助けを求めても無視され殺されてしまった善良な市民など、この国の国民は行政の作為、不作為の罪にその人生を台無しにされた例は枚挙にいとまがない。それにも関わらず、行政が厳しく罰せられたという話しを聞いたことがない。
最近報道された二つの事件もその典型であろう。自分がその犠牲者だったらどんな思いを抱く事かと思う。貴方がその犠牲者ならばどうするか。胸に手を当ててよく考えてみるといい。一瞬でもいいから当事者の無念さに思いを馳せよう。行政の罪の深さに怒りを覚えよう。
一つは富山県警による誤認逮捕である。1月20日に各紙で一斉に報道されたこの事件は、自白を強要され、法廷で懲役三年の実刑判決を受けた男性が、服役を終えて釈放された後に真犯人が出てきて無実であったことがわかったという事件である。県警も地検も謝罪の言葉を述べるだけである。メディアも男性が罪を認めたから悪いのだといわんばかりの報道が目につく。39歳の冤罪被害者は現在その所在がわからないという。家族は世間に遠慮して声をあげない。泣き寝入りだ。それをいいことに行政は逃げ延びる。我々はこんな日本を許していいのか。警察、検察は本人を探し出し失われた人生を補ってあまりある保障をすべきではないか。メディアはそれを声高に求めるべきではないか。
もう一つは1月30日に起きた奈良県の土砂崩れである。最初は、よくある自然災害事故と思っていた。しかしニュースを聞けば聞くほどこれは人災だ。天災は人災だとはよく言ったものだ。現場は再三にわたって崩落事故が起きていた危険箇所だったのだ。すでに96年の道路防災総点検で危険度がもっとも高い「要対策」と診断されていたことが今頃明らかにされたという。それにもかかわらず行政は警備員の配備や申し訳程度の崩落防止用フェンスで事足れりとしていたのだ。事態を深刻に考えそれに見合った対応策を講じていれば3名の犠牲者は間違いなく出さずに済んだのだ。
記者会見に臨んだ土木部長のコメントが呆れる。3名もの死者を出したというのに奈良県知事のコメントを読み上げるという誠意の無さに驚かされるが、その内容はもっと無責任だ。「・・・経験に基づいたもので、これほどの土砂崩れは予測できなかった・・・」というだけである。一人暮らしの76歳の老婦人は娘夫婦と孫が帰ってくるので鍋を楽しみにしていたという。仲のいい老夫婦は車に乗るのも一緒だったのだ。後続車に乗っていた人の証言では目の前の車があっというまに土砂に埋もれたという。一歩間違えばこの人も犠牲者だ。日常生活の中で一瞬にして起きる人生の暗転。しかもそれは行政の適切な政策で防げた。行政はこの人たちの命をどうつぐなうつもりなのか。
http://www.amakiblog.com/archives/2007/02/01/#000239
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