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http://www.asahi.com/national/update/0130/TKY200701300389.html
これと裁判制度が合体したら被告人に途方もない不利益がふりかかる。日本の司法制度は「司法」とないえないものになる(ダイナモ)
犯罪被害者や遺族が「被害者参加人」として刑事裁判に加わり、法廷で被告に直接質問できる見通しになった。法制審議会(法相の諮問機関)刑事法部会が30日、被害者参加制度の要綱案をまとめた。2月の総会の答申を受け、法務省は刑事訴訟法などの改正案を国会に提出し、今国会での成立を目指す。施行は09年の裁判員制度の導入期と相前後する見込みで、日本の刑事裁判は大きな転換期を迎える。
新制度への動きは被害者団体の署名運動などから始まり、05年に閣議決定した「犯罪被害者等基本計画」に明記されて以来、急ピッチで進んだ。「被告を犯人と決めつけることにつながりかねず防御が難しくなる」と、弁護士の間には反対や懸念も強かったが、被害者の声の高まりを背景に踏み込んだ内容となった。
「被害者参加人」は、殺人や強姦(ごうかん)、業務上過失致死傷、誘拐など重大事件の被害者か、配偶者や親子、兄弟姉妹などの親族。現在は原則として傍聴席に座るが、新制度では法廷の柵(さく)内に席が設けられ、検察官と話し合える場所に座る。本人か代理人が出席できる。
現在できるのは、証人として出廷することと、心情面について述べる「被害者意見陳述」だけだったが、新制度では情状面に限って証人に対して尋問ができるほか、被告に直接質問もできるようになる。
検察官の論告・求刑が終わった後には「被害者論告」ができる。起訴事実の範囲内なら事実関係について意見を述べられる。
独自の求刑も可能で、例えば検察官が懲役刑を求刑した場合でも、法律に定められた範囲内なら「死刑を求刑する」と述べられる。被害者論告・求刑は証拠にはならないが、日本弁護士連合会は「裁判官・裁判員の心証形成に与える影響は限りなく大きい」とみる。
被害者・遺族の要望をくみ取った新制度だが、刑事裁判の適正さが損なわれないか危ぶむ声もある。ある弁護士は「被害者は被告に対するマイナス情報にさらされている。その情報と証拠になる事実との区別がつかず、客観的な事実で議論することが難しくなるのではないか」と話す。
被害者側が被告に損害賠償を求める民事裁判で、刑事裁判で調べた証拠を利用できる「付帯私訴」制度も創設する。刑事裁判の有罪判決言い渡しの後で、同じ裁判官が刑事裁判の証拠を使って、損害賠償を命じる決定を出せる。審理が4回以上に長引く場合は民事訴訟に移行する。
ただ、刑事裁判の中で損害賠償請求ができる西欧の制度と比べれば限定的だ。「被告の負担が増え、裁判の遅延を招く」などの日弁連の慎重論に配慮した。対象犯罪も故意犯に限った。(市川美亜子)
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