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昨日は日曜日だった。このところあまり見る気もなかったし、またしばらく見たことがなかった日曜日定番の政治4番組をみることにした。永田町徒然草No.307で俗悪な政治番組の具体例としてテレビ朝日の『サンデープロジェクト』を挙げた。その日たまたま見たのが『サンプロ』であったし、その内容があまりにもひどいものだったのでこれを例に論評した。しかし、それではかわいそうな気もしていた。フジテレビの『報道2001』の俗悪ぶりは相当に徹底していると前から思っていたが改めてみることにした。そしてNHKの『日曜討論』もみた。「NHK、お前もか! 」と叫びたくなった。
日曜日定番の政治4番組は、まず『報道2001』から始まる。高市早苗氏がまずメイン出演者であった。久々に彼女の顔をみた。そういえば彼女はいま大臣をやっているんだった。そんなことはほとんどの人が忘れるくらい存在感のない大臣だ。久々にテレビから声がかかって高市大臣はよほど嬉しかったとみえて、薄気味が悪いくらいあまり好感のもてない笑顔を最初から最後まで振りまいていた(彼女の笑顔がたまらなく好きだという人がいたら心から陳謝する)。テーマは少子化問題であった。聞き手といったらよいのか、議論を交わす相手といったらいいのか定かでないが、勝間和代さんという女性と評論家の日下公人氏をフジテレビは選択していた。
そもそもこの辺から『報道2001』はおかしい。少子化問題は、いまや国政のかなり重要なテーマであり、国民の関心も高い。政府の少子化対策を取り上げるのならば、これと意見や観点を異にする他党の専門家を論戦相手として出演させるのが公平といえる。日下公人氏も著名な評論家ではあるが、自民党の政治家であり大臣でもある高市早苗氏に比べれば迫力やインパクトは残念ながら劣る。仮に反対意見を述べたにしても相手にもならないし、国民に対立軸を与えることもにならない。要するにこういうところが政治的公平を欠くということなのだ。
案の定、高市大臣が出演したコマは彼女の所管する部署の広報宣伝以外の何ものでもなかった。高市氏としても自民党としても内閣としても願ったり叶ったりの番組であった。フジテレビの思想的傾向はよく知られているところだ。しかし、ここまで政府お追従の番組を作ることはないであろう。政府広報番組といってもいい。それをお金も取らずに作ってあげて、素人には一応公平な報道番組のように見えるから、宣伝効果は政府広報番組の何倍もある。これはひどいといっていいだろう。だから私は俗悪な政治番組というのだ。
8時からはTBSの『スーパーモーニング』を見た。ここには大臣や政治家は出ていなかった。従って、上で述べたような単純な政治的公平という問題はない。テーマはブッシュ大統領のイラク政策に反対するアメリカ国内の動きを主たる内容とするものだった。ブッシュ大統領の反論もバランスよく伝えており、まあまあ公平な報道といえるだろう。コメンテーターはかなり厳しかった。自民党あたりからきっと文句が出るであろう。しかしわが国の報道全体が日米同盟ということでアメリカのイラク戦争に無批判なのだから、全体としてのバランスはまだまだ政府よりである。この程度の報道に文句をいうようだったら、自民党が支配するわが国は北朝鮮と同じだといわれてもしょうがない。
この後は大沢親分と張本氏のスポーツコーナーなので、また『報道2001』のチャンネルを戻した。そうしたら永田町徒然草No.307でこきおろした大田某とかいう大臣が出ていているではないか。正しくは大田弘子というのだそうだ。正式な肩書きは内閣府の経済財政政策担当大臣である。ほとんどの人が、具体的にいかなる権限をもち、何を担当する大臣なのか分らないであろう。私も本当のところは知らない。そんなことだからまことに存在感が薄い。しかし彼女はまたテレビに出してもらったのが嬉しくてうれしくてどうしょうもないと風情で、盛んに笑みを振りまきながらこれまた政府広報に励んでいた。
この存在感の薄い大臣のお相手として選ばれたのが、堺屋太一氏と浜同志社大学教授(女性)であった。堺屋氏は小渕内閣のとき経済企画庁長官をやった。だから党派的には自民党といわれても仕方ない。浜女史はけっこう頑張っていたが、コメンテーターの竹村氏を含めて多勢に無勢だった。しかし浜女史を責めることはできない。そもそも政府の経済財政政策をテーマとする番組としては、この顔ぶれだけで放送法の「政治的に公平であること」という観点からみて失当である。そして当然のことながら番組の内容も政府広報以外の何ものでもなかった。私はベッドに横になって見ていたからそんな内容だったので寝てしまった。
9時を少しまわったところで目が覚めた。NHKにチャンネルを合わせた。そしたら昔懐かしい中曽根大勲位が何かのたまわっていた。何で中曽根氏を出演させているのか、私には理解できなかった。私は中曽根氏の発言をほどんど聴かなかったのでいま朝日新聞のテレビ欄を観てみた。「2007の政治中曽根元総理に問う」とある。そういえば『報道2001』が中曽根氏や石原都知事をよく出演させて勝手なことをいろいろとしゃべらせていた。どうしてNHKがフジテレビよろしくこんな番組を作る必要があるのか。視聴者としてもお金を払って中曽根大勲位の説教をどうして聞かされなければならないのか腹が立つ人も多いであろう。こういう馬鹿げたことをするから、受信料など意地でも払いたくないという人が増えるのである。「NHK、お前もか! 」といったのはこのことである。長くなるので今日のところはここまでとする。
それでは、また。
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