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http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070220i105.htm
安倍内閣の閣僚17人(民間人1人を除く)のうち、4人が選挙運動費用収支報告書に実際の資金の流れとは異なる記載をしていたことが読売新聞の調査で分かった。
支出の一部を公費で負担してもらっているのに収入と支出の金額が一致していたり、余った選挙資金を処理する際に記載を誤ったりしていた。4人は読売新聞の取材後、収支報告書を訂正したり、訂正する意向を示したりしている。事務所費など政治資金のあり方が問題になっているが、選挙資金でも管理のずさんさが浮かび上がった。
調査したのは、2003年11月と05年9月の衆院選、01年7月と04年7月の参院選での選挙運動費用収支報告書。同報告書は、各候補の出納責任者が選挙運動に関係する寄付や支出の明細を記し、各選管に提出する。支出には、都道府県などが払ったポスターの印刷代なども公費負担分として計上することになっており、集めた金を使い切った場合、公費負担分だけ支出額が収入額より多くなる。
ところが、長勢法相、柳沢厚生労働相の05年の報告書は、収入額と、公費負担分も含む支出額が1円単位まで一致していた。
長勢氏は、収支ともに約2167万円で、本来は公費負担分の約239万円が余ったはずだが、実際には余剰金はなかった。事務所によると、出納責任者が、支出額に公費負担分が含まれているのを忘れ、収入額が支出額と同じになるよう、自民党支部からの寄付額を公費負担分だけ多くして記載していた。読売新聞の取材後、選挙運動費用収支報告書と同支部の政治資金収支報告書を訂正した。出納責任者は「収支の額を一致させなければならないと思い込み、公費負担分は忘れていた」としている。
柳沢氏の場合も同様のミス。自民党支部からの寄付額を公費負担分の約206万円だけ減額する訂正をすることにしているが、それだけだと同支部の繰越金が増えてしまい、自民党の内規で必要とされている銀行の残高証明とのつじつまが合わなくなる。このため、繰越金額が増えないよう、同支部から「柳沢はくお後援会」に寄付した形にして、さらに訂正するという。
このほか、若林環境相は04年参院選で約408万円の余剰金が出たため、自民党支部の金庫に保管していたが、同支部の収支報告書には入金記載がなかった。
伊吹文部科学相は05年衆院選で約203万円の残金が出たため、資金管理団体に戻したが、パーティー券収入として誤って記載。収支報告書を訂正した伊吹氏は、「恥ずかしい話だが、担当者の勘違いがあった」としている。
公職選挙法には、選挙運動費用収支報告書に故意に虚偽の記入をした場合、3年以下の禁固または50万円以下の罰金との罰則がある。
(2007年2月20日15時3分 読売新聞)
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