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□安倍ちゃん「改造」計画 [AERA]
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070219-01-0101.html
安倍ちゃん「改造」計画
やる事なす事、すべて裏目というか、風を読めていないというか。
あっという間の支持率ダウン。アエラ流挽回策を授けましょう。編集部 小北清人
小泉純ちゃんの時代が妙に懐かしく思えてくる今日この頃、皆さん、いかにお過ごしでしょうか。
サプライズを売り物に敵を斬りまくったやりたい放題の5年半。その政権が生んだ最大のスターが安倍晋三氏だった。
2002年の9・17。北朝鮮の独裁者金正日が多くの日本人をさらったことを認めた。拉致問題が一票にもならなかった時代から取り組んだ安倍さんは北への世論を代表する存在となり、幹事長、幹事長代理、官房長官を歴任。去年9月、52歳で総理大臣に。
テフロン加工もなく
就任直後の世論調査は63%(朝日新聞)、67%(毎日新聞)と高支持率を記録。北朝鮮核実験後の読売新聞調査では70%に達した。当分は「高値安定」を続けるものと思われた。
ところが――。
11月、各社の世論調査で軒並み50%台に下落。12月には40%台に落ち始め、今年1月27、28日のFNN調査では支持39・1%、不支持40・9%とついに逆転。2月3、4日の共同通信調査ではさらに差が開いた。
安倍さんは、純ちゃんではなかったということか。
北朝鮮問題では「拉致問題の解決なくして国交正常化なし」と圧力を強める。が、「9・17」から4年半、もはや「北」だけで支持される空気ではない。
造反議員の自民党復党を「お帰りなさい」と迎え入れ「郵政民営化選挙って何だったの?」と世論は反発。柳沢厚生労働相の「女性は子供を産む機械」発言やら松岡農水相の政治資金問題やらで身内に足を引っ張られる。
前首相にはスキャンダルで深手を負わないテフロン機能があったが安倍さんはどうもそうじゃない。「人生いろいろ、会社もいろいろ」ともし安倍さんがしゃべったら火だるまになりそうだ。
北朝鮮問題では安倍さんを支持する知り合いが柳沢発言に「安倍は駄目だ!」と罵ってたが、割とみんな、そんな感じじゃなかろうか。前首相のようにスカッとさせてくれない。政治が面白くなくなった。そのまんま東知事の方がよっぽどワクワクさせてくれる――。
曽根泰教・慶大教授も「政権発足時、世論は安倍政権に対して『はっきりモノを言ってくれる』と期待をしていた。しかし、いま、安倍首相はひたすら謝っているばかりで、『はっきり』とした姿からはほど遠い」と産経新聞で語る。
「ファンは、不安や」。天才漫才師・故横山やすしは人気の移ろいやすさをそう評した。政治も支持から不支持に転じるサイクルは早まる一方。支持率で政権の行方が左右されるのがいまの時代だ。
「エラソー」と言えば
小泉時代の5年半、安倍さんはメイン舞台に出ずっぱりだった。新鮮さでは首相就任時がピークだったのか。
支持率回復の応急措置として当然まず考えられるのが夏の参院選前の内閣改造。相当なサプライズ人事が必要だろう。そもそも「戦後レジームからの脱却」を掲げた政権になぜそんな、というような人物が必要だったのかわからない。
支持率のためには、ここは手を突いてでも櫻井よしこさんに官房長官就任を頼んだら。
筋金入りの保守論客で原理原則論者。テレビで彼女がぶざまに論破されるのを見たことがない。長年テレビでニュースキャスターを務めてきたから「勝つ」映り方をよく知ってる。いまの塩崎官房長官からは「ボクは何でも知っている」東大的エラソーぶりしか伝わってこないが、彼女なら、あの艶然とした笑顔で記者と渡り合い、視聴者を味方につけてしまうだろう。見ものである。
エラソーといえば、党の要、中川秀直幹事長も、ちょっとエラソーすぎないか。
「遠慮なくリーダーシップを発揮してください。我々はしっかり支えますから」(2月5日、首相官邸で安倍首相を訪ねて)
はないんじゃないか。これでは「お前にはリーダーシップがない。ただの若造だ」と公言したに等しい。首相のことを支えるつもりなら、漏れてはいけない言葉なのだ。
ドンたちと一戦交えよ
安倍さんは、党内のボス連からなめられているのである。
「安倍政権の滑り出しはまあ順風満帆だろう。(中略)安倍氏は小泉氏と違い非常に気配りが出来るタイプだ」(06年10月30日、産経新聞に)
派閥の親分だった森元首相はそう安倍さんを誉めているが、いかにも保護者然としすぎ。
「とにかく安倍政権が本格的に稼働するのは参院選後だ。私は安倍氏に『やりたいことは半分にしとけ。まずは参院選に勝つこと』と言っているし、安倍氏もわかっている」(同)
その通りにしたから、支持率は急降下したんじゃなかろうか。
参院のドン然とした青木幹雄氏を含め、公然と保護者面をしている先輩たちと一戦交えない限り、安倍さんは有権者からも「小僧扱い」され続ける。
靖国神社に参拝するともしないとも言わない「曖昧戦術」も、コアな支持者の失望を買っただけで結果として人気アップにつながったかは疑問だ。就任早々に行われた中・韓訪問も、新聞に誉められたけど、だからといって支持率で「反安倍」の有権者が「親安倍」に転じたとも思えないのだ。
劇薬飲もうぜ
今春には温家宝首相が来日、秋には胡錦濤主席が訪れるといわれている。それで首相の靖国参拝を封じる戦略といわれる。その向こうを張って堂々と靖国を参拝してみせるのもアピールの絶好の機会ではある。まあどちらに転ぶかわからない劇薬ではあるが。
もっと効く劇薬がある。連立政権を組む公明党、いや支持母体の創価学会と大喧嘩することだ。釘を打ち込んだような創価学会の票は選挙で自民党候補にとってやめられない麻薬のようなものなのはかねて伝えられるところだが、そもそも、創価学会と組んだ「保守革命」なんてチャンチャラおかしい話ではないのかいな。安倍さんも就任間もなく池田大作名誉会長と会ったとも伝えられる。
が、一か八かで学会と喧嘩すれば「小泉越え」となること請け合いだ。相当な返り血を浴びるかもしれないけど。
北朝鮮の核実験への制裁と国連決議成立までは安倍政権は順調だった。期せずしてドラマを作ることが出来た。まるでキューバ危機でのケネディ政権みたいだった。ところがそれ以降、ひとつとしてハラハラドキドキのドラマを作り得ていないのだ。
改正教育基本法、防衛庁の省昇格。もちろん重要法案だ。政権にとっては大きな実績ではあろう。ところが、気が付いたら成立していたという感じで、記憶に刻印されないまま終わってしまったのである。故に世論もすぐ忘れた。
「政治は結果だ」
は安倍さんの口癖である。そうかもしれない。でもそれだけでは人気は出ない。真実は細部に宿るというが、人気はプロセスと瞬間に宿るのだ。アントニオ猪木のプロレスみたいなもので、ストーリーとディテールとリアリティーが必要なのだ。
教育、少子化、確かに大事だ。しかしこれは人間の本質に触れすぎるだけに簡単に結果は出ない。教育改革でいじめもなくならないし、少子化対策で目覚ましいほど出生率が上がることもなかろう。
夏の参院選では宿願の憲法改正問題を争点にする、と安倍さんは1月に明言した。自ら退路を断ったのだ。ならば憲法改正が必要と国民を興奮かつ納得させられるだけの、弁も顔も立つ連中にテレビ、雑誌、新聞とメディアジャックさせるのも手だろう。場外乱闘やストリートファイトがあってもいい。祭りには喧嘩がつきものだ。
それだけやって選挙で惨敗したら、諦めもきれいさっぱりつくというものだ。
テレビでの安倍さんの一言コメントはとにかく他人事に聞こえる。テレビ時代の政治指導者としては矯正が必要だろう。造反議員の復党問題で、みんな、首相の本心を知りたいのにオウムのように「幹事長に任せてある」では芸がなさ過ぎ。「国民の皆様」というのも「皆さん」でいい。必要以上の謙遜語はインチキくさく聞こえるのがいまの時代なんだから。
「美しい国づくり」とことあるごとに繰り返すのも、どうだかなー。「キゼンとした国」でいいんで、「美しい国」なんて何だか三島由紀夫ぽくってなー。文学者ならいいけど、政治スローガンとしては如何なものか。
今こそ芸を見せるとき
悪い意味で、真面目すぎるんだろうか。小泉時代にはあんなにオーラが出ていたのに、いざ首相になったらオーラが感じられない。もっと若い権力者らしくギラギラと、時には非情な顔もしなくっちゃ。北朝鮮問題以外では、借りてきた猫みたいだ。
何をやっても駄目なら、これしかない。北朝鮮の暴走。第2の核実験とか。国難ではみんな指導者を支持するもの。まして安倍さんはこと北朝鮮問題での国民の信頼度は極めて高い。政治的には支持率の跳ね上がりは疑いなしだ。
が、ここにきて核問題で米朝の話し合いが進展の兆しを見せてきた。北朝鮮のことだから何をやりだすか予断を許さないが、彼らもバカじゃない。もし安倍政権打倒が大きな目標なら、こと日本には沈黙を続け「暴走」を控えることもあり得る。ならば「北風」は簡単に吹きそうもないが……。
首相には、悪口を言われるのが仕事みたいなところがある。マスコミが好きな権力者なんていない。でも朝日新聞はもちろんだけど、メディアの細かな批判にいちいち神経を尖らせてたら心の病気になっちゃう。つまらない批判には、腹の底で「ヘン」と笑ってたらいい。
内心のイライラを顔に出したら支持率にも損になるだけだ。
飛んだり跳ねたり、見る者の情念を呼び起こすタイプを「清原型」と呼ぶなら、案外、安倍さんはオーソドックスな「松井型」なのかもしれない。
ただ松井が米国に新天地を求め、清原より遥かに大きな存在になったように、安倍政権も少しばかりの新展開が必要ではなかろうか。
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