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2007年02月20日
閑話休題 真の格差は一般国民と不当に優遇されている公務員の間にこそある
このブログを毎日書き続ける際に私が常に心がけている事が二つある。一つはメディアが一斉に報じ、皆が同じような意見を述べているような大事件については繰り返さないということである。それは誰が書いても同じであるからだ。もう一つは右翼のブログによく見られる如く、事実の解説ではなく自分の思いを感情的にぶつけるだけの文章は極力避けるということである。見落とされがちな記事に注目し、その情報を提供して読者の知識と認識の向上に資したいと思って書いているからである。決して読者に同調を求める事を目指しているわけではないからである。もっとも後者については自らの思いが先走ってつい感情的になることは否めないが、それでも、極力感情論は抑えあくまでも事実に即した解説や問題提起に努めているつもりだ。これから書くこともその二つに留意して書いた。言行一致かどうかは読者の判断に委ねたい。
20日の朝日新聞の一面に、約7年前に官僚の天下りを透明化する目的で発足した官僚の「人材バンク」が、ほとんど機能しなかったこと、つまり7年間の間にこの人材バンクを利用して再就職した官僚がわずか一人であったという記事が載っていた。しかもその一人の就職先は私立大学客員教授だったという。この人材バンクのシステム構築費や広告パンフレット作成代として約7千万円の予算が投入されている。なんという無駄であり、甘やかしであることか。その一方で透明化されていない巧妙な天下りの数は一向に減る兆しはない。
翻って民間人の状況はどうか。リストラに伴う職探し、生活費稼ぎは必死なものがある。私は外務省を事実上解雇され、外務省と対峙して第二の人生を始めたからもちろん天下りなど何もない。今年やっと60歳になり年額160万円ほどの年金が入ってくるので一息つけるが、それまでは安定収入はゼロである。自らの手で収入の道を切り開こうと試行錯誤を繰り返してきた。その過程でわかったことは、当然のことであるが、生活費を稼ぐという事がいかに大変かということである。しかしすべての国民はその努力をしているのだ。その一方で無能で怠慢な多くの公務員の退職後の生活がいかに優遇されているかを改めて気づかされる。かつての同僚たちはまだ外務省に勤務している。彼らの仕事振りと収入を知っている。退職後にOBたちがろくな仕事もしないのに結構な給与を得ていることも知っている。このことは他の公務員でも同じであろう。
公務員といったのは高級官僚に限らないからである。無能で怠慢な多くの公務員といったのは、中には有能で勤勉な公務員もいるではないか、という批判にあらかじめ答えておくためである。もっとも私が35年間の公務員生活で見てきた限りではそういう人はほとんどいなかった。
さて結論を述べたい。日本国中で格差問題が取り上げられている。その議論の中で、自由競争なのだから格差が出来ること自体は仕方がない、重要なのは機会均等であり再チャレンジの制度を確保することである、そして弱者に対するセイフテーネットである、などという議論が繰り返されている。そういう議論はそれでいいだろう。しかし、問題は一般国民間における格差問題の前に正さなければならない不当な格差問題があるということである。それはおびただしい数の公務員とその他の一般民間人との間に存する大きな格差である。これにメスを入れることが先決である。しかしこれは容易ではない。なぜならば公務員および準公務員とその家族の数は膨大であるからだ。彼らもまた国民なのである。それら人たちの既得権を奪うことは国民同士を分裂し、国民同士を争わせることになるからだ。
切り込むべきは一般的な公務員批判ではない。不当に優遇されている政治家、官僚、特殊法人職員がいるのだ。あきらかに税金を無駄遣いしている公的システムが存するのだ。真の官民格差の撤廃だ。小泉前首相がまったく手をつけなかった改革がこれである。小泉改革がいかさま改革であったゆえんである。
http://www.amakiblog.com/archives/2007/02/20/#000270
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