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2007年02月20日
紳士協定で出来ている日米関係ー赤坂の米軍施設不法占拠に沈黙する日本に思う
以前このコラムでも書いたことだが東京の一等地である赤坂・六本木のど真ん中に米陸軍が不法占拠を続けている事実がある。この問題について20日の東京新聞が大きく報じた。その報道を私は高く評価する。同じメディアであっても読売や産経は知っていても報じないだろう。米国を批判することになるからだ。対米従属の日本政府を苦境に追い込むからだ。
改めてこの問題の概要を東京新聞の記事に即して読者に説明しておきたい。1945年の米国による日本占領時に、米軍は赤坂・六本木の旧日本軍の施設約3万2千平方メートルを接収し米国の国有地とした。そこに米陸軍のヘリポートやプレスセンター、将校宿舎などをつくった。
東京オリンピック前の1968年、ヘリポート敷地を通る形で東京都が道路整備計画をつくり、それに基づいて日本政府は米軍施設の東京湾岸地域などへの移転を要請したが米側が難色を示し、結局道路は米軍基地周辺を通すことになった。そして83年に、道路工事期間中は隣接地を代替地として米軍に臨時に提供し、工事終了後は元に戻すことで日米両政府、東京都が協定を結び工事が始められた。ところが93年に道路工事が完成した後も米軍は返却することなく違法に継続して利用を続けているという問題である。
驚くべきは米軍との交渉の窓口となる防衛施設庁が、約束の根拠となる協定書を「紳士協定」と解釈し、米側に返還を強く迫らなかったことだ。もちろん責任は防衛庁だけではない。外務省も東京都知事も日本政府も、国をあげて米国に返還を本気で迫ったことはなかった。ここに今日の日米関係の異常さが端的に象徴されている。つまり日米関係はすべて紳士協定で出来ているということだ。つまり米国が言えばなんでも通るのだ。憲法違反も人権違反も生命・財産の不可侵権の侵害も、およそ近代法治国家で保障される「法の支配」は、日米関係ではすべて紳士協定、つまり法的拘束力がなくて話し合いで融通無碍に対応する、ということで成り立っているのだ。これが日米関係の現状なのである。
読者はこの問題を知ってどう思うか。おかしいと思わない者はいないであろう。それどころか政府関係者でさえも誰一人この米国の不当、違法な行動を好ましいとは思っていない。
おりしもイタリアでは米軍施設の拡充反対に10万人規模の市民のデモが起きている。この赤坂・六本木の米軍施設不法占拠はそれどころの話ではない。沖縄の米軍基地という大きな政治問題ではない。日本国民が密集している東京のど真ん中に、米軍の施設が不法占拠し、都民の日常生活が危険にさらされているという政治を離れた基本的な問題である。それでも日本国民は怒らないのか。メディアも騒ぎ立てない。それもこれも日米関係はすべて紳士協定で出来ているからだ。そう考えないと説明がつかない。あまりにも悲しい日米関係だ。
US Military Has Been Occupying Middle of Tokyo Downtown Illegally and Yet Japan Kept Silence
In 1945 when US started occupation of Japan she seized the former Japanese Military facility of about 32000
square meters in middle of Tokyo downtown. When Metropolitan Tokyo tried to build a new road nearby an agreement was concluded among US, Japanese Governments and Tokyo Metropolitan Government to the effect that Japanese Government provides a temporal site adjacent to the existing US base on the condition that US returns the site when road construction be completed. The construction was completed in 1993 and yet US did not return the site and has been occupying it until today.
Strangely enough this serious US violation of agreement has never reported by the Japanese media and therefore Japanese people are not aware of this fact. On 20 Feb, however, the Tokyo Shinbun carried a big article on this issue. It is interesting to watch whether other media will follow the Tokyo Shinbun and how Japanese people, knowing the US outrageous attitude and Japanese Government's weak-kneedness, react to this article. If no further reaction be occurred it means Japan would accept everything which US imposes Japan.
http://www.amakiblog.com/archives/2007/02/20/#000269
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