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2007年02月18日
日本の外交について考える
山崎拓氏が今回の北朝鮮との六カ国協議に対し、「拉致問題は協議とは別に、安倍氏が直接乗り込むべき」と述べ、加藤紘一氏が「拉致と核は分離して考えるべき」と述べています。この発言の裏には韓国が議長国になる経済・エネルギー支援の枠組みが決まれば、日本も支援しろと言いたいところなのでしょう。
ですが、この時点で日本は北朝鮮に支援すべきではありません。それは日本としてここでの外交戦略の転換は、マイナス面の方が大きいからです。まず諸外国から押せば折れると思われること、更に対米追従の外交と言われる中で、それ以外の外交戦略をアピールするチャンスでもあるからです。
昨年10月の北朝鮮の核実験以降、米中の接近は明らかでした。中国の唐国務委員の動きは核実験の後、かなり早く米ロとの協調戦略をとろうとしていましたし、その後のライス長官の動き、ヒル国務次官補の動きを見ても、米国がどう動くのか、大体の予想がつくというものです。結果的に今回の六カ国協議の支援につながりました。
今の日本は大きな問題に対して米国依存が強過ぎます。今回の六カ国協議でも、米国が折れると途端に寄る辺を失い、梯子を外された状態になってしまいます。確かにこの枠組み、韓国が親北の路線をとる以上、米国しか協調できる相手はいないことになります。
しかしロシアにしろ、中国にしろ、単純な外交以外の結び付きがないために、取り込むことが出来ないのが今の日本外交です。例えば外務省がすすめる『自由と繁栄の弧』戦略にしても、東南アジアから中央アジア、中東などに対して「自由、民主主義、基本的人権、法律、市場経済」の普遍的価値を促し、日本外交の新基軸にしたい意向です。
しかしこれらの国との結び付きを強めるのは、政府外交ではなく民間外交でなくてはなりません。即ち政権基盤が弱いため政権の交代が起こりやすく、政府の公的支援などが意味を為さなくなることになりかねないのです。
更にこれらの国は大きな外交問題に関与することはなく、将来的に日本の常任理事国入りの支援はしてもらえそうですが、それ以外は中々難しい問題の方が多いのです。
結果的に日本の外交、基本戦略として外務省がこの程度の政策しかないのか、ということが残念なのです。外交カードを複数手に持ち、多彩な戦術を駆使して国際社会の波を乗り切ると言う、グローバル化が叫ばれる中でも、外務省にその気概がないのがこの国の外交の窮状を端的に表しているのかもしれませんね。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/
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