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□まず「塩崎おろし」 補選惨敗なら安倍チャンも [読売ウイークリー]
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070213-02-0202.html
2007年2月13日
まず「塩崎おろし」 補選惨敗なら安倍チャンも
自民党内で4月の内閣改造論が浮上している。「政治と金」問題と「産む機械」発言で集中砲火を浴び、安倍内閣への嵐は吹きやまない。内閣支持率とともに首相の求心力も下降線をたどる――。
「産む機械」発言で与野党から「辞めろ。辞めろ」の大合唱を受けた柳沢伯夫厚生労働相。「文脈をよく見ていただければ、真意を誤解されることはないと思います。不適切とか適切ということではなく、少子化対策で一生懸命やろうと……」
釈明に追われる柳沢氏に「野党の言い分は、ほとんど揚げ足取りになっている」と、同情の声もあるが、自民党内に「柳沢さんに辞めてもらわないと収まりがつかない。このままでは、安倍内閣は、じり貧だ」との声もくすぶり続ける。
そんななかで急浮上してきたのが、参院選前の内閣改造だ。
昨年末に佐田玄一郎行政改革相が、政治団体の不適切な会計処理で辞任したころから、ささやかれ始めたが、年が明けてからは、松岡利勝農相や伊吹文明文部科学相らの事務所経費問題も明るみに出て、安倍内閣の支持率も急降下。「改造して、爆弾を抱えた閣僚を一新しない限り、参院選で惨敗する」(閣僚経験者)との危機感が参院自民党を中心に強まった。
そこに、柳沢発言でターボがかかったわけだ。ある自民党関係者は、こう解説する。「柳沢発言は、違法かどうかが問われる『政治と金』の問題より、はるかに分かりやすい。内閣にとっては、泣きっ面に蜂です。2007年度予算案の成立後、すぐに改造して体制を立て直さないと、安倍政権、自民党は回復不能のダメージを受けかねません」
安倍首相の出身派閥の町村派幹部までが内閣改造を口にするに至って、4月改造論は一気に現実味を帯びてきた。ただ、この改造論について、こう解説する自民党議員もいる。「柳沢さんや松岡さんらが辞めるのは、それはそれでいい。ただ、内閣改造で本当に期待するのは、安倍内閣弱体化の元凶である塩崎恭久官房長官の更迭ですよ」
安倍内閣は昨年9月の発足当初から「お友達内閣」「論功行賞内閣」と揶揄されてきた。塩崎氏は、「お友達」の代表格。日銀出身で政策通として知られるが、官房長官就任後の評判は散々だ。ある総務省幹部は「あんなに根回しができない官房長官は見たことがないですね」とにべもない。柳沢発言への対応についても、党三役の一人が「党に対して全く相談がなかった」と怒りをあらわにする。
塩崎氏をよく知る自民党中堅議員は「塩崎さんは、もともと一匹オオカミみたいな性格で、党内の人間関係を把握していない。どこを押せば物事が動くかが分かっていないんです。頭は切れるし、政策はよく分かっているけど、官房長官はそれだけじゃ務まらない。与党に根回しし、時には、役所や党内に睨みを利かせられないと、首相官邸がなめられてしまう」と話す。
実際、安倍内閣の存在感は小泉内閣とは比較にならないほど軽くなっている。塩崎氏を補佐すべき立場である、下村博文官房副長官すら、教育改革関連法案の今国会成立にこだわらないという趣旨の発言をする始末。1月30日には、中川秀直幹事長が、塩崎氏と、下村氏を国会内の幹事長会議室に呼びつけて、約20分間にわたり注意を促した。
先の中堅議員は「官房長官が幹事長に呼びつけられて説教されるようじゃ、もう末期症状です。だいたい、塩崎さんや官邸の補佐官たちは、抜擢されて舞い上がってる。彼らは自分たちの役目が安倍首相を守ることだと理解してない。柳沢さんの件も、首相に謝罪させたりせず、官房長官が一手に引き受け、水面下で辞任を促すぐらいのことをするのが筋でしょう」と、首相の取り巻きに不満を募らせる。
もっとも、期待や願望とは裏腹に、現実には安倍首相が内閣改造に踏み切る可能性は低い、との見方が一般的だ。「予算成立後の内閣改造は絶対ありえません」。こう言い切るのは、安倍応援団を自任する山本一太参院議員。「この一連の流れは、安倍さんと自らの聖域を守ろうとする参院自民党の戦いでもあるんです。参院選に向けた主導権争いです。塩崎さんの悪評、更迭論も意図的に流されている。勘違いしている人が多いんですが、自民党にポスト安倍はいません。支持率が下がっても、安倍さん以外で参院選を戦えるでしょうか。安倍さんは自分の信じた道を邁進していけばいいんです」
現在は野党で自民党と対立する立場にあるものの、安倍首相を「親友」と呼ぶ新党日本の荒井広幸幹事長も、こう力説する。「改造論は自民党の派閥や長老がうごめいて、安倍政権を支配下に置こうとする動き。そういう人たちは、安倍首相を『総理』でも『安倍さん』でもなく、『安倍君』と呼びたいんです。彼らの言う通りに改造に踏み切ることは、古い勢力に敗北することを意味します」
ただ、安倍首相が内閣改造をせずに自らの意志を押し通しても、支持率回復に向けた打開策は見当たらない。あるベテラン議員は、こんな見通しを語る。
「今は、批判の矛先が首相側近に向かい、『塩崎おろし』で済んでいます。でも、内閣改造をせずに、4月の参院福島、沖縄両補欠選挙で敗北すれば、今度は『安倍おろし』の声が出てくる可能性もありますよ」
薄氷を踏む政権運営が続きそうだ。
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